エアコンのドライ(除湿)とは?冷房との違いや節電になる使い方も紹介
エアコンのドライがどんな機能なのか、分からないままなんとなく使っていませんか? 実はドライは使い方によっては電気の無駄遣いになることも! エアコンのドライと冷房がどう違うのかを比較しながら、それぞれの電気代や使い分けについて解説。夏の電気代の約6割がエアコンだと言われるので、読んでドライ機能をマスターすれば、電気代の節約になること間違いなし!?
エアコンのドライ機能とは?
エアコンには「冷房」と「ドライ(除湿)」の機能があります。2つの違いは、
ドライ…部屋の湿度(ジメジメ度)を下げることが目的
冷房は、室温が設定温度に下がるまでフルパワーで一気に冷却する機能。一方のドライ(除湿)は湿気を取り除くための機能で、その結果、体感温度が下がり、快適な空間になります。
エアコンドライの仕組みとは?
空気には、温度が低くなると水分の含有量が減り余分な水分が結露するという性質があります。その性質を利用しているのがエアコンドライです。
2,とりこんだ空気を冷やす
3,冷やされたことで空気が含めなくなった水分がエアコン内に結露する
4,余分な水分がなくなったさらさらした空気が部屋にはき戻される
この繰り返しで室内の除湿を行っているんですね! ここでポイントになるのは、空気を冷やすことで湿気を取り除いている、というところ。
ドライなのに温度を設定するのはなぜ?
ドライで除湿をしている限り、部屋の温度は徐々に下がっていきます。それにストップをかけるのが設定温度です。例えば、28度に設定した場合、室温が28度になるまで除湿を行いますが、設定温度に近づいたらドライ運転が抑えられます。
そこに思わぬ落とし穴が! 室内にジメジメが残っていても、設定温度に近づいてきたら運転が抑えられ、除湿が止まってしまうということ。まさにドライ機能なのになかなかジメジメが取れない、という状態です。
設定温度よりも室温が高い時
設定温度と室温が変わらない時
エアコンの思考
室温を下げようとする
(これ以上)室温を下げないようにする
エアコンの行動
とりこんだ空気を冷やす
とりこんだ空気をあまり冷やさない
結果
温度が下がったことで、余分な水分が結露し、空気の湿気がとりのぞかれる
温度が下がらないため、余分な水分が結露せず、空気の湿気がとりのぞかれない
私たちの感覚
除湿が効いていると感じる
除湿が効いてないと感じる
もし「ドライ機能の効きが悪いなぁ……」と思ったら、設定温度を下げるのが一つの手段。また、再熱除湿も搭載されている機能であれば、そちらに切り替えるのもありですよ!
エアコンのドライは2種類ある!
機能の比較
さて、今まで紹介してきたドライは「弱冷房除湿」ともいわれる一般的なドライ機能です。エアコンドライには、その弱冷房除湿のほかに「再熱除湿」があります。2種類のドライの仕組みは後ほど説明するので、まずは、2種類のドライに冷房を加えた3種類の機能について比較した表を見てみてください。
ドライ(弱冷房除湿)
ドライ(再熱除湿)
冷房
メインの機能
湿気をとりのぞく
湿気をとりのぞく
室温を下げる
設定温度の指定
あり(一部例外あり)
なし(一部例外あり)
あり
部屋の冷え方
ゆっくり冷える
ほとんど冷えない
急速に冷える
除湿量
とても多い
普通
多い
使うべきタイミング
とても暑いわけではなく、軽く除湿したい時
全然暑くないが、除湿はしたい時
とても暑い時
電気代
普通
とても高い
高い
弱冷房除湿と再熱除湿の大きな違いは「冷えるか冷えないか」です。その違いが除湿能力の差や、電気代の違いにつながっています。
それではなぜ、弱冷房除湿だと室温が下がるのに、再熱除湿だと下がらないのでしょうか? その答えはエアコンドライの仕組みにあります。
2つのエアコンドライの仕組み比較
弱冷房除湿
再熱除湿
step 1
部屋の空気をエアコンにとりこむ
部屋の空気をエアコンにとりこむ
step 2
空気を冷やす
空気を冷やす
step 3
空気が冷えたために、余分な水分が結露しのぞかれる。
空気が冷えたために、余分な水分が結露しのぞかれる。
step 4
除湿されて冷えた空気をそのまま部屋にはき戻す。
除湿された空気を主にヒータを使ってあたためた後、部屋にはき戻す。
弱冷房除湿と再熱除湿との大きな違いは、空気を部屋にはき戻す直前(ステップ4)にあります。弱冷房除湿の場合は冷やした空気をそのまま部屋にはき出しますが、再熱除湿の場合は冷えた空気を一度あたためてから部屋にはき出すんです。
つまり、弱冷房除湿で運転を続けると部屋が冷えていきますが、再熱除湿では運転を続けても部屋が冷えすぎないんですね! “温度を下げずにジメジメだけをとりたい”という方はもちろん、より除湿したい方は再熱除湿を使うことをおすすめします。
再熱除湿以外で室温を下げない機能は?
再熱除湿は室温を下げないで除湿をしてくれるため、部屋が寒くなりすぎず、とても快適です。多くの人が期待している「ドライ」はこれですよね。
ただ、ヒーターで空気をあたためるため、通常のドライ機能と比べて電気代がかかります。そこで近年、各メーカーは、電気代の抑えられる新たなる“再熱除湿”を開発しています。
メーカー
機能の名称
2022年モデルで搭載しているシリーズ
パナソニック
新・エネチャージ「快湿」制御
Xシリーズ、LXシリーズ
(どちらも冷房除湿にて作動)
ダイキン
リニアハイブリッド除湿
Rシリーズ、Aシリーズ
ダイキン
ハイブリッド除湿
Mシリーズ、Fシリーズ
日立
カラッと除湿
Xシリーズ、Sシリーズ、Wシリーズ
パナソニックと日立は排熱の再利用する仕組み。そしてダイキンは、空気をはきだす前に部屋の空気と混ぜることで、室温を下げないようにしています。節電の観点からも、こういったエアコンの新しい機能には着目しておきましょう。
ドライ機能が特に効果的なシーン
では実際に、いつ、どんなシーンがドライ機能に合っていて、どんなシーンがドライ機能に合わないのでしょうか。
ドライ
冷房
梅雨の湿度の高い日
〇
×
洗濯物の部屋干し
〇
×
真夏などの暑い日
△
〇
真冬の寒い日
×
×
雨で湿度が高い日【ドライあり】
梅雨の季節など、雨が続くと部屋の中の湿度が高くなります。ドライ機能で湿度を下げれば、体感温度も下がり快適に過ごせますよ。また、部屋の中の水分量が減れば、カビの発生を防ぐこともできます♪
洗濯物を室内干しするとき【ドライあり】
雨が続くと、洗濯物の室内干しをする方は多いでしょう。直射日光のない室内では乾くまでに時間がかかります。時間がかかれば雑菌が増え、ニオイが発生。雑菌の発生を防ぐには、洗濯物を早く乾かす必要があります。
洗濯物を早く乾かすにはエアコンをドライ機能にして、扇風機も使って、洗濯物に風を当てるようにしましょう。すると、部屋の湿度が下がり、洗濯物も早く乾きます。結果、生乾きによるニオイを予防♪ 機種によっては“部屋干し除湿”が搭載されていて便利ですね!
真夏の暑い日【ドライなし】
とくかく暑い!気温が高い!という日は迷わず冷房です。室温を効率よく下げる冷房の方が向いています。
冬の寒い日【ドライなし】
冬は気温が低いため、そもそも部屋の中の水分量が少なく、湿度が高くなりにくい状態。にも関わらずドライで無理に湿度を下げると、空気が乾燥してしまいます。過度に乾燥した状況では風邪やインフルエンザを発症する心配も。雨が続くときでも、冬の場合はドライ機能は不要でしょう。
このように、「いつドライ機能を使えばいい?」かというと、基本的には湿気が多くムシムシしているシーンが有効だ覚えておきましょう。
エアコンドライの電気代はどのくらい?
エアコンを使うときに気になる電気代。ここまで説明したように使う機能で電気代が変わるんです。一般的には弱冷房除湿<冷房<(ヒーターを用いる)再熱除湿の順で料金が高くなっていきます。
東京電力の調べ(2009年実施)によると、1時間の弱冷房除湿が4円ほどなのに対し、冷房では11円、従来の再熱除湿は3倍以上の15円ほどもかかってしまうんです。結構変わりますね……。
弱冷房除湿
約4円/時
再熱除湿
約15円/時
冷房
約11円/時
一方で、ダイキンの「リニアハイブリッド除湿」「ハイブリッド除湿」は弱冷房除湿と同程度の電気代ですし、パナソニックや日立の排熱を使うタイプの「再熱除湿」は冷房程度。電気代の節約のためにチェックしておきたいですね♪
ここまでお伝えした内容はあくまで単純比較です。 実際は外気温や湿度、設定温度によって電気代は大きく変わります。例えば、夏の暑い日ではドライ機能(弱冷房除湿)も、冷房機能も電気代が同程度に!エアコンは、設定温度に近づくとコンプレッサー(エアコンの消費電力の約8割を占める部品)の運転を抑えるため、冷房で一気に設定温度まで冷やしてしまう方が、ドライ機能でじわじわ冷やすよりも理にかなっているんですね。不快感を我慢して弱冷房除湿を使うほどの金額差はないといえるでしょう。
基本的には、部屋を冷やしたいときは冷房を使う、湿気を取りたいときはドライを使うというように使い分けをしていきましょう!
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エアコンクリーニングでドライを効果的に
エアコンは汚れていると効きが悪くなり、消費電力が増してしまいます。そのため、定期的なエアコンクリーニングは必須! 逆にエアコンを汚れたまま放置して使っていると、いくらドライを使って節電を狙っても効果は薄れてしまうんですよね。それって冷房では聞いたことがあるけど、ドライでもそうなの?
……と思われた方のために、「ユアマイスター」では、エアコンクリーニングのプロに「 雨の日が続いているので洗濯物の部屋干しよくしていても除湿機能を使うのですが、エアコンクリーニングをすることで、冷暖房の性能だけでなく除湿やドライの効き目も上がるのでしょうか?」と聞いてみました!
たくさんの業者さんの意見の中から、一部を抜粋して紹介します。
クリーンダイレクトさん(千葉県)
エアコン清掃では、内部のフィンに付着しているカビやホコリを除去します。その結果、熱交換率が上がりますので、すべての稼働モードにて効き目が上がります。
よかね~設備さん (福岡県)
全く変わります。風量、匂い、電気代も新品時に戻りますので当然除湿やドライ効果も上がります。
株式会社アビリティさん (兵庫県)
汚れていればその分効き目は落ちますので、効き目も上がると思います。汚れていればファンについているカビをまき散らす結果になるため、1年に1回はお掃除をお勧めします。
コンフィーさん (京都府)
エアコンクリーニングすることで、アルミフィンのホコリ汚れが除去でき熱交換率も向上するので、除湿やドライの機能の向上にも効果があります。
なるほど! エアコンクリーニングをすれば、冷房だけでなくドライを含めたすべての機能の節電につながるんですね! しかも、エアコンクリーニングをしないと、エアコンから吐き出されたカビが充満した部屋で部屋干しをしている、なんてことも。おそろしいですね……。
エアコンを使う頻度や環境によりますが、基本的にエアコンクリーニングは1年に1度、と言われています。ユアマイスターではエアコンクリーニングのプロに簡単に依頼できるので、エアコンの効果を最大にしたい方はぜひ頼んでみましょう!
詳しくはこちら
クリーニング内容
エアコンクリーニングは基本的には養生→分解→洗浄の流れで進んでいきます。2分ほどでまとめた動画もあるので詳しくはこちらをチェックしてみてください!
エアコンクリーニングの手順
料金と作業時間
エアコンクリーニングの料金と作業時間はこちらにまとめました。通常タイプであればエアコンクリーニングの料金は1万円前後という認識で大丈夫です!
料金
料金
通常タイプ
8,000〜12,000円(税込)
お掃除機能付
13,000〜17,000円(税込)
天井埋め込み型1方向
23,000〜27,000円(税込)
天井埋め込み型2方向
25,000〜29,000円(税込)
天井埋め込み型4方向
24,000〜28,000円(税込)
天井吊り型
23,000〜27,000円(税込)
作業時間
作業時間
壁掛型 通常タイプ
約1~2時間
壁掛型 お掃除機能付き
約2~3時間
天井型
約3~3.5時間
プロと自分でやるのではどんな違いがあるか
「ユアマイスター」では、クリーニングのプロに「 エアコンを自分で掃除をしてみたのですが、業者さんにお願いするエアコンクリーニングと自分でやった掃除では汚れの落ち方や仕上がりにどのくらいの違いがありますか?」と聞きました!
ファミリー犬山店さん(愛知県)
便利屋ファミリー江東木場店さん(東京都)
やはり内部の汚れを徹底的にキレイにできることが違いになりますね。また、利用された方の口コミはこちら!
ユアマイスターではさまざまな条件でプロを探せるので、曜日やエリア、お子さんやペットがいるご家庭など、個人の希望に沿って依頼できます! 気になった方はぜひこちらからエアコンクリーニングをプロにお願いしてみてください♪
詳しくはこちら
まとめ
エアコンのドライ機能の電気代は使うときの状況によって異なり、場合によっては冷房よりも電気代が高くなることがわかりましたね。むやみにドライを使うのではなく、目的に合わせてエアコンの機能を使い分けていきましょう。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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