服の虫食いの対策、防虫剤だけは不十分!?衣服の収納法から徹底解説
年に2度行う衣替え。
久しぶりに収納から取り出してみたら、お気に入りのセーターに小さな穴が…!
それ、虫食いかもしれません。
穴が開く原因としては引っ掛ける・擦れるなども考えられますが、
・1着にいくつも穴が開いている
・長期間しまっていたのに穴が開いている
どちらか一つでも当てはまっている場合は、虫食いの可能性が高いです。
そんな…ちゃんと防虫剤を入れて保管したのに…!という方、防虫剤だけでは虫食いを完全に対策できていないかもしれません!
防虫剤を入れるだけではなく、衣類害虫が住みにくい環境を作ってあげたうえで、防虫剤を適切に使用することが大切なんです。
服を収納する前のほんの少しの心がけで大きく変わってきます。
この記事では虫食いを防ぐために気をつけたいポイントを解説していきます。
しっかり対策して、お気に入りの服を長く着られるようにしていきましょう!
虫食いの犯人は…!?
気になる虫食いの犯人…それは、甲虫の「カツオブシムシ」と、蛾の「イガ」の幼虫です。
5mmに満たないほどの大きさなので、肉眼で見つけることは至難の技かも。
これらの虫の中でも特に多いのが、カツオブシムシの一種である、「ヒメカツオブシムシ」と「ヒメマルカツオブシムシ」です。
おしとやかでおいしそうな名前しているのにこんなことをしでかすなんて…
鰹節に発生する小さい虫、という意味でこんな名前がついたらしいですが、まあそれは置いておいて。
彼ら幼虫の食べ物は、繊維やホコリ。
成虫やさなぎは衣類を食べることはありませんが、成虫は衣服に卵を産み付けます。
また、クローゼットやタンスの中に細長いゴミが落ちているぞ…?と思ってよく見てみたら、さなぎの抜け殻だった!!という恐ろしい経験をしたことがある方もいるのではないのでしょうか。
さらにそれだけではなく、家の中はぬくぬくとしていて虫にとってとても居心地がいいので、幼虫の期間を経て成虫になっても外に出て行かないで、家の中でずっと暮らして何世代も続いていくこともあるんです。
どこからやってくる?
成虫は屋外のあらゆるところで飛び回っていて、外を歩くだけで衣服にくっついたり、屋外に干している洗濯物に集まって産卵します。
特に光に集まりやすい習性があるので、白い服が要注意です。
害虫が活動する場所は?
害虫が好む環境は、
・湿度:60~80%
・栄養:ホコリ・繊維・タンパク質がたくさんあるところ
の三点セットが揃っている場所です。
要するに、暑過ぎずジメジメしている、汚れた場所ってことですね。
適度に涼しく、湿気がたまりやすく、服がいっぱい入ったタンスやクローゼットは、害虫にとって楽園なんです。
虫を防ぐうえでは、ここをいかに対策するかがポイントになってきます。
どんな服が食べられやすい?
繊維にも色々な種類がありますが、害虫にとって最もごちそうになるのは動物繊維。ウールやシルクがこれに当てはまります。
また、綿や麻などの植物性繊維も好んで食べる種類もいます。
さらに、動物性繊維や植物性繊維の服と重ねて置いたり、食べこぼしや皮脂で汚れている場合はそれ以外の化学繊維、つまりポリエステルやレーヨンでも虫食いの被害に会うことがあります。
まとめると、こんな感じ。
1位 動物性繊維(ウール・シルク・カシミヤ)の服
2位 植物性繊維(綿・麻)の服
※食べこぼしや皮脂がついたままの服や服の置き場所によっては、他の服も被害に合う可能性がある
食べこぼしなど、服の汚れは服をしまう前にきちんと洗っておいた方がいいんですね。
大切な服が食べられたら「かけはぎ」を
「もう食われちゃってるよ…」という方もご安心ください!
クリーニングや衣類リフォームのお店などで、「かけつぎ(かけはぎ)」という方法で穴を塞ぐことができるかもしれません!
これは破れて穴が開いてしまった生地を、周りの繊維を取り込みながら元の状態に近づけていく再生技術のことです。
しかもこのかけはぎ、この技術を専門にしている業者さんが多く、信頼がおける方法です。
虫食いにあった衣類をどうしてもまた着たいというときは、この技術で再生してもらうことも出来るかもしれません。
でも、どうやってお店を見つければいいの?という方もいるはず。
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防虫剤の前にやっておきたいポイント
防虫剤は、その字の通り「虫を防ぐ」薬剤です。みなさん、よく考えてみてください。
防虫剤は寄せ付けないだけで、殺すわけではないのです。
すでに虫が入り込んでいるタンスやクローゼットに使っても、害虫を根絶やしにできるわけではなく、追い出した幼虫や成虫が他の場所に移って、そこで新たに繁殖を始めてしまいます。
という訳で、
まずは害虫を家に持ち込まない、来てもしっかり退治する、害虫を寄せ付けない環境づくりをする!
これが大事になってきます。
ここまでやって、防虫剤が活躍する機会がやってくるんです。
それでは、防虫剤を入れる前にやっておきたいことをご紹介していきます!
洗濯物を取り込むときや帰宅したときは手ではらってから
成虫は屋外のあちこちにいるので、卵を産みつけようと服にバンバン集まってきます。
ですので、卵や成虫を家に持ち込まないために、洗濯物を取り込む前や家に帰るときは、家に中に入る前に手ではらってから取り込むようにしましょう。
花粉を落とす効果もありますよ!
タンスにしまう前に洗濯やクリーニングで汚れを落とす
害虫は皮脂や食べ残しが大好物ですので、服を汚れたままタンスにしまうと食べられてしまいます。
ですので、特に衣替え前には可能な限り洗濯やクリーニングで綺麗な状態にしましょう。
ニットやセーターの洗濯方法はこちらをご覧ください!
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アイロンをかける
洗濯が終わったら、今度はアイロン。害虫は熱に弱いので、アイロンがけにより死滅させられます。
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除湿剤を使用する
害虫はジメジメした場所が大好き。洋服は湿気を吸い込みやすいので、クローゼットには除湿剤は必須です。
カビを防止するためにも、除湿剤を活用しましょう。
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ハサミを使わないで、シールを剥がすだけで簡単にたまった水を捨てることができます。
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衣服と衣服の間に吊り下げるので、服の湿気を素早く吸収してくれます。
また、置き型タイプに比べて表面積が広いので吸湿スピードが速いですよ!
クリーニング後のビニール袋は外す
クリーニングに出した服はビニール袋がかぶさって返ってきますよね。
ホコリがつかないようにつけたまま収納している方も多いかと思いますが、実はあれは外すのが正解です。
クリーニング屋さんでも、外すことを推奨しています。
その理由は、ビニールがついたままだと空気の循環が悪くなり、熱や湿気がこもりやすくなるからなんです。
それだけでなく、服が変色したり臭いを吸収しやすくなってしまう可能性があるので、必ず外してから収納するようにしましょう。
防虫剤を使う際に気をつけたいポイント
それではいよいよ防虫剤の出番です!
防虫剤は、ガスを発生させて虫を寄せ付けないようにするものです。
このガスがきちんと空間に行き渡るようにしないとちゃんとした効果が得られません。
このことを念頭において、ポイントを解説していきます。
防虫剤は場所別に!
防虫剤には引き出し・衣装ケース用、洋ダンス用、クローゼット用など、使いたい場所に合わせた商品が揃っています。
それぞれの収納空間の広さに合わせてガスが適度に行き渡るようになっているので、きちんと使いたい場所に適したものを選びましょう。
おすすめの商品
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防虫剤を服の上に置く
防虫剤の成分は空気よりも重いため、上から下にガスが浸透していきます。
収納ケースを使用する場合は、服の下に置くのではなく、畳んだ服の上に置くようにしましょう。
また、服を重ねて入れるとガスが下の服まで行き渡らない可能性があります。立てて収納すると全ての服に効果が得られます。
クローゼットやタンスに服をぎゅうぎゅう詰めにしない
ガスがいきわたるように、服の間に空気の流れができるように意識しましょう。
収納ケースに入れるときは、いっぱいになるまで詰め込まず、少し隙間ができるくらいで。
防虫剤の使用期限に気をつける
防虫剤はガスを発生させるものですので、ある程度の期間が過ぎるとガスが薄くなってきます。
取り換えのサインは色が変化したり、文字が浮き出てくることでわかります。
使用期限が切れたものを使用し続けても効果が得られませんので、衣替えのたびにチェックしましょう。
防虫剤を入れたあとに気をつけたいポイント
防虫剤を入れた後も油断はできません。
定期的にチェックしたり風を通したりして対策します。
タンスやクローゼットを定期的に開けて空気を入れ替える
害虫は湿気のある場所が大好きですので、湿度の低い、カラッと晴れた日にはタンスやクローゼットを開けっぱなしにして空気を通してあげましょう。
服が入ったままでも十分効果はあります。
ただし、防虫剤のガスが逃げてしまわないように適度に行う程度で大丈夫です。
虫干しする
衣服や,本を取り出し、風を通してあげることを虫干しといいます。
これを行うことで湿気やかびを防ぐことができるので、虫が寄り付かなくなるんです。
まさに字の如しですね。
天気のいい日に服をハンガーにかけ、風通しの良い場所で虫干しをします。直射日光は服を傷めてしまう可能性がありますので、屋内で行うと良いでしょう。
2~3日晴れが続いた日の10~15時は湿度が低く、虫干しするのにおすすめです。
まとめ
ここまで、服の虫食いの対策法をご紹介してきました。
特に気をつけたいこの4点。
・湿度は敵!
・防虫剤は適切な使い方を!
・定期的に風を通す!
これさえ徹底すれば、虫は怖くありません。
大事な衣服、穴が開く前にきちんと予防しましょう!