靴磨きのコツを大公開!職人だけが知っているお手入れ方法を徹底取材

靴磨きのコツ、知っていますか?今回は靴磨きのプロを徹底取材して、職人さんの技を教えてもらってきました。お気に入りの靴を大切に長く使うためには、靴磨きで栄養を与えるのが大切です。

まっつん

2017年08月15日

お洒落は足元から、なんてよく言いますよね。
一生大切にしたいような革靴を、お持ちの方も多いはず。

ですが、せっかくの素敵な革靴も、お手入れができていなかったら台無しです。
いい革靴は、きちんと靴磨きをしていつでも自信を持って履けるようにしておきたいもの。

今回は、靴磨きの道なんと20年以上というプロに、靴磨きの方法を取材してきました。
ワックスをつけなくても靴にツヤが出ていく様子は、感動ものです!

今回の靴磨きは…

今回、靴磨きをお願いしたのは、BROSENT(ブロセント)の本間さん。

BROSENT(ブロセント)さんは、紳士革靴・ビジネスシューズのオーダー販売、メンテナンス、修理といった革靴全般のサービスを提供されている、革靴の専門店。

さらに本間さんは、革靴のお手入れの道20年以上という、革靴について知り尽くしたプロなのです。

 

そんな本間さんに、今回、靴磨きをお願いした靴はこちら。

15年前に購入した、スペインのCALMINA(カルミナ)というブランドの靴。
当時、日本初上陸のブランドの靴でした。

そんな15年物の革靴は、革がカサカサと乾燥した状態。
この状態で履きつづけていては、ボロボロになってしまいそうです。

プロがどれだけ綺麗にしてくれるのか、楽しみですね。

 

靴磨きとは

革靴のお手入れのプロが、まずは靴磨きをする意義を話してくれました。
靴磨きをすることで、大切な革靴にどのような影響があるのでしょうか。

 

靴磨きは、スキンケア

靴磨きとは、革靴の汚れを取り、クリームなどで栄養を与えること。
大切な革靴を長持ちさせるために重要な、基本のお手入れです。

「靴磨きは、女性のスキンケアのようなもの。普段の靴磨きで革靴をいい状態に保つことで、革靴が長持ちするんです」

 

一方、鏡面磨きは、メイクアップ

靴磨きと勘違いされがちなものに、鏡面磨きがあります。
革をワックスと水で磨き、鏡のように光るように仕上げる、という方法です。

「鏡面磨きは、例えるなら女性のメイクアップです。靴は綺麗に光るようになりますが、靴に栄養を与えるものではなく、コーティングをするものなので、むしろ革は呼吸しにくくなり、負担がかかります」

鏡面磨きをするときには、靴に負担をかけている、ということを忘れないようにしたいものです。

 

大事なのは、日頃のスキンケア

鏡面磨きを希望されるお客様にも、靴磨きをおすすめすることがあるという本間さん。

「メイクアップは、いい状態の肌があってこそ。十分に栄養が行き渡っていない革靴に鏡面磨きをしても、革そのものを傷めてしまいます。」

大切な靴を、大切に長く使う。
そのためには、何よりも靴磨きが大切、ということですね。

 

 

靴磨きの流れ

今回プロにしてもらった靴磨きの流れは、こちら。

1. 靴にシューキーパーを入れて準備をします

2. 馬毛ブラシでホコリを落とします

3. リムーバーで古いクリーム・ワックスを取り除きます

ここまでで、クリーニングは完了です。
靴の汚れが、すっきり落とせました。

 

4. 新しいクリームを靴に塗ります

5. 豚毛ブラシでクリームを伸ばします

6. 余分なクリームを落として、完了です

これで、綺麗にクリームを塗り付けられました。
靴磨き、完了です。

 

この手順の後に、先にご紹介した鏡面磨きで靴をさらに光らせることもできます。
そんな鏡面磨きについてたっぷりご紹介した、この記事の後編も要チェック。

プロの靴磨きで、パサパサ乾燥した革靴が、しっとりと潤いを取り戻しました。
靴磨きだけでもツヤが出てとても綺麗になりますが、ワックスで磨くとより一層ピカピカに。

そんな革靴のメイクアップ、鏡面磨きも徹底取材してきました。
靴磨きの職人、本間さんの技術で革靴がまるで鏡のように輝く様子には、驚かされます。

 

 

そして今回プロが用意されていた道具は、こちらです。

準備に使う道具
・シューキーパー(1)

クリーニングに使う道具
・クロス(3)
・クリーナー(4)
・馬毛ブラシ(7)

クリーム塗りに使う道具
・豚毛ブラシ(2)
・乳化性クリーム(5)
・ペネトレイトブラシ(6)
・グローブクロス(8)

 

準備と、クリーニング

まず最初の手順は、準備と、革靴のクリーニングです。

  プロの道具  

・シューキーパー(1)
・馬毛ブラシ(7)
・クロス(3)
・クリーナー(4)

 

1. 革靴にシューキーパーを入れる

革靴の中に、靴に合ったシューキーパーを入れます。

クリーニングを始める前には、必ず木製のシューキーパーを入れて準備する、という本間さん。

「シューキーパーを入れることによって、靴の履きじわが伸び、細かい部分もきちんとお手入れできるようになります。革がピンと張ることで、作業もしやすくなるんです。」

 

こちらが、本間さんが使っているシューキーパー。

「この木製のシューキーパーは、少し高価ですがほとんどの靴の形に合ってくれるんです。かかともしっかりしているので、変形してしまったかかとの形を直してくれる、という効果もあります。」

 

2. 馬毛ブラシでホコリを取り除く

やわらかい馬毛ブラシを使って、革靴についているホコリなどを取り除いていきます。

「馬毛のブラシは、毛が細いです。靴には細かい隙間やしわが多いので、毛が細い馬毛のブラシを使うのがいいんですよ」

大きな馬毛のブラシを使って、靴全体に丁寧にブラシをかけていきます。

 

3. リムーバーで革靴についた汚れを落とす

リムーバーを布につけて、革靴についた汚れや、古いクリーム・ワックスなどを落としていきます。

「ホコリ・泥汚れはもちろん落とします。さらに、今まで塗ってあった古いクリームやワックスも、時間が経つほどただの汚れになってしまうので、きちんと落とすんですよ。」

 

本間さんは、このクリーニングのことを「お化粧でいうと、クレンジング」と例えます。

「お化粧を落とさないでお化粧をしていくのは、3回4回…となるとお肌に負担がかかりますよね。それと同じで、きちんと汚れや古いクリーム・ワックスを落とさないと、革が傷んでしまいます」

 

4. 手順3の汚れ落としを2回繰り返す

リムーバーでの汚れ落としを、2回行います。

「1回目の汚れ落としで、革の表面の汚れが取れるんです。そうすると革の毛穴が開いて、2回目では革の内側の汚れが取れます。この通り、2回目の方が、1回目よりも汚れが取れるんですよ。」

左が2回目、右が1回目に取れた汚れ。汚れ落としは1回で終わらせてしまいそうなものですが、2回目が重要なのですね。

 

クリーム塗り付け・ブラッシング

革靴が綺麗になったら、新しいクリームをつけていきます。

プロの道具

・ペネトレイトブラシ(5)
・乳化性クリーム(6)
・豚毛ブラシ(2)

 

1. クリームをブラシにとる

新しいクリームを、ペネトレイトブラシというブラシで米粒2~3粒ほど取ります。

「クリームの色の選び方は、ファンデーションと同じ。革の色と同じか、それより少し明るいくらいのものを選びます。ですが、濃い色のクリームを使ってもそのクリームと全く同じ色になるわけではなく、元の革の色に深みがでてお洒落ですよ」

 

クリームのおすすめの分量は、「米粒2~3粒」。少ないように感じますね。

「クリームの量は、少なければ少ないほどいいくらいです。量が多くても、革に染みこみません。米粒2~3粒程度でも、革に染みこむのはその2割程度です」

 

また、ペネトレイトブラシがオススメなのにも理由があるのだそう。

「ブラシを使うと、靴とソールの隙間や飾り穴にも簡単にクリームが塗りこめます。細かいところに指でクリームを塗りこむのは難しいので、おすすめです」

 

2. クリームを靴全体につける

クリームを、つま先やかかとなどの固い部分から、履きじわなどのやわらかい部分へ、という順番でつけていきます。

「履きじわなどの柔らかいところは、クリームが染みこみやすいです。最初にクリームを載せてしまうと、クリームが余分に染みこんで、そこだけ黒ずみが出たり、シミになったりしてしまいます。つま先やかかとで、最初にクリームを馴染ませるのが綺麗に仕上げるコツなんですよ」

 

3. 豚毛ブラシでクリームをのばす

今度は豚毛のブラシを使って、クリームを靴全体に伸ばします。

豚毛ブラシを使うのは、「毛が太い豚毛ブラシでないと、少しべたつきのあるクリームに負けてしまうから」だそう。

 

左のブラシが馬毛、右が豚毛のブラシ。右の方が、毛が太いのが分かりますね。

 

そしてここでのポイントは、ブラシを大きく動かすこと。

「大きくブラシを動かすと、クリームが靴の上でたくさん移動しますよね。それによって、クリームだけでツヤが出るんです」

 

まだお手入れしていない方の靴と比べてみると、一目瞭然。

クリームだけでここまでツヤのある、素敵な靴に仕上がりました。

 

余分なクリームを落として、完了

最後に、余分なクリームを落とします。

プロの道具

・グローブクロス(8)(普通のクロスでも可)

 

グローブクロスで余分なクリームを取る

グローブクロスを使って靴全体をふき、余分なクリームを落とします。

「普通のクロスでクリームを取り除いても、もちろんいいです。ですが、グローブクロスをはめて手の平を使った方が、楽に、そして綺麗にクリームが取れるんですよ」

 

 

「試しに白い布で靴をふいてみると、こんなにいらないクリームがつくんです。これは革に馴染まないクリームなので、取ってしまいましょう。ホワイトパンツなどを履いた時に、裾に色がつく原因にもなります」

 

プロの靴磨きを振り返って

左が靴磨き後、右が靴磨き前の革靴。
並べて見てみると、靴のツヤが違いますね。

 

こちらは、左が靴磨き前、右が靴磨き後の革靴。

後ろから見ても、靴磨き後の革靴はしっとり潤っています。
ツヤのあるいい靴、という印象を受けますね。

 

乾燥してカサカサしていたつま先も、この通り。
程よい油分と水分が補給されて、革もモチモチの状態になりました。

 

最後に、今回お手入れしてくださったプロから、一言です。

「革靴を長く、大切に使うためには汚れを取り、栄養を与える靴磨きはとても大切です。ぜひ靴磨きで、大切な靴を大切にしてください。

また、もうこれは駄目だろうと諦めている靴、家で眠ってしまっている靴でも、わたしたちプロに任せれば綺麗になるかもしれません。自分でのお手入れが難しくなってしまった靴は、ぜひプロに頼んでみてくださいね。」

 

そして、今回の靴磨きの様子を動画にまとめました。
ぜひ動画でもプロの靴磨きの技を確認してみてください!

 

おわりに

プロの、靴磨きの作業の1つ1つに込められたこだわりは、革のことを知り尽くしているからこそのもの。
今回、靴磨きの方法をじっくり取材して、靴磨きの奥深さを実感しました。

靴磨き、自分でもやってみたい!と思うと同時に、一生大切にしたいようなお気に入りの靴は、ぜひこんなプロにお任せしたいな、とも思ってしまいました。
本間さん、そのときはぜひよろしくお願いします!

今回、革靴のお手入れを担当してくださったのは、BROSENT(ブロセント)の本間さんでした。
20年以上の経験を持つ、革靴のお手入れのプロ。
プロの手にかかると、革靴がみるみるよみがえっていく様子は、圧巻です。
ありがとうございました!

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