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更新日 :2018年11月27日

【鏡面磨き】あなたの手で革靴が蘇る!職人のみ知るコツでピカピカに

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上品に光る、革靴。
思わず目を奪われるくらい、魅力的ですよね。

革靴をまるで鏡のように光らせる鏡面磨きに、憧れのある方も多いはず。

今回は、革靴のお手入れの道なんと20年以上のプロに、鏡面磨きの方法を取材してきました!
革靴がみるみるうちに、人の顔を映すほどに光っていく様子は、圧巻です。

今回の鏡面磨きは…

今回、鏡面磨きをお願いしたのは、BROSENT(ブロセント)の本間さん。

BROSENT(ブロセント)さんは、紳士革靴・ビジネスシューズのオーダー販売、メンテナンス、修理といった革靴全般のサービスを提供されている、革靴の専門店。

さらに本間さんは、革靴のお手入れの道20年以上という、革靴について知り尽くしたプロなのです。

 

そんな本間さんに、今回、鏡面磨きをお願いした靴はこちらです。

15年前に購入した、スペインのCARMINA(カルミナ)というブランドの靴。
当時、日本初上陸のブランドの靴でした。

そんな15年物の革靴は、実はとても乾燥してパサパサしてしまっていました。

「このままの状態の靴に鏡面磨きをするのは、おすすめできません。先に、靴磨きをすることにしましょう。」

 

そこで、鏡面磨きの前に、本間さんに丁寧に靴磨きをしていただくことに。

こちらが、靴磨き後の写真です。
栄養が行き渡っている感じがしますね。

 

そんな本間さんの靴磨きについてたっぷりご紹介した、この記事の前編も要チェックです。

先ほどの写真の通り、プロの靴磨きで、パサパサ乾燥していた革靴が、しっとりと潤いを取り戻しました。ツヤが出て、とても綺麗です。でも実は、ワックスで磨く作業はまだしていません。驚きですね。

靴磨きは、靴を大切に長く履いていくための、基本のお手入れ。そんな靴磨きを自分でやる前にも、プロにお願いする前にも知っておきたい、プロの靴磨きの方法を徹底取材しています。

さて、これで鏡面磨きの準備は、ばっちりです。

 

鏡面磨きとは

革靴のお手入れのプロが、まずは鏡面磨きとは何か教えてくれました。
先に靴磨きをしておく理由も、分かるはず。楽しみです。

 

鏡面磨きは、メイクアップ

革靴の、鏡面磨き。
革をワックスと水で磨き、鏡のように光るように仕上げる、という方法です。

ハイシャイン、シューシャイン、とも呼ばれています。
元々は、パーティに行く際に、パーティ用の靴を持たない人々が、手持ちの靴をお洒落にしようと磨いたことが始まりだとか。
今では、日常的なお洒落として楽しまれるようになりました。

「鏡面磨きは、例えるなら女性のメイクアップです。靴は綺麗に光るようになりますが、靴に栄養を与えるものではなく、コーティングをするもの。むしろ革は呼吸しにくくなり、負担がかかります。」

 

一方、靴磨きは、スキンケア

鏡面磨きと勘違いされやすいのが、靴磨き。
「磨き」という名前から、同じことだと思われがちです。
しかし、全く違うものだと、知っていましたか?

靴磨きは、革靴の汚れを取り、クリームなどで栄養を与えること。
大切な革靴を長持ちさせるために重要な、基本のお手入れです。

「靴磨きは、女性のスキンケアのようなもの。普段の靴磨きで革靴をいい状態に保つことで、革靴が長持ちするんです。」

 

大事なのは、日頃のスキンケア

鏡面磨きを希望されるお客様にも、靴磨きをおすすめすることがあるという本間さん。

「メイクアップは、いい状態の肌があってこそ。十分に栄養が行き渡っていない革靴に鏡面磨きをしても、革そのものを傷めてしまいます。」

まずは革靴の状態がよいことを確認してから鏡面磨きをする、が鉄則のようですね。

 

鏡面磨きの流れ

今回、プロにしてもらった鏡面磨きの流れは、こちら。

1. 靴の状態を確認します

2. 靴の状態に応じて、靴磨きを行います
(この作業は鏡面磨きではなく靴磨きです)

さて、これで鏡面磨きの前の確認が完了しました。

 

3. ワックスを靴に塗り付けます

4. クロスを使って、靴を磨き上げます

5. ワックスを塗り、磨き上げるという作業を数回繰り返します

靴のつま先が、まるで鏡のように光るようになったら、鏡面磨きは完了です。

 

 

そしてプロが鏡面磨きに使っていた道具は、こちらです。

ワックス塗り付け・磨きに使う道具
・ワックス(1)
・クロス(2)
・水

 

なんと、鏡面磨きで使う道具は、この3つだけ。
本当にこれだけで、革靴が鏡のように光るのでしょうか。

 

靴の状態の確認と、靴磨き

鏡面磨きの前に、まずは靴の状態の確認をします。

 

1. 靴の状態を確認する

まずは靴の様子を見る、という本間さん。

BROSENT(ブロセント)さんがしているのは、「靴を大切にすること」を前提にした革靴のメンテナンス。

靴に栄養が足りていなければ靴磨きをしてから鏡面磨きをする、靴の状態が悪ければ靴磨きのみで鏡面磨きはしないことをおすすめする、などしています。

大切な靴なら、靴の状態をきちんと見て、靴を傷めないような選択をしたいですね。

 

ところで、靴磨きが必要かどうかは、どう判断したらよいのでしょう。

「靴磨きをするタイミングは、何か月に一度、など決まった頻度があるわけではないんです。夏は湿度が高いので靴もあまり乾燥しませんが、冬は湿度が低いので靴が乾燥するのも早いです。」

はっきりとした時期は言えないけれど、ひとつ目安があるそうです。

それは、写真のように「ひっかいてみる」と分かる、いうこと。

「ひっかいて傷がついたところを、豚毛ブラシでこすってみてください。ひっかき傷が消えたら、まだ大丈夫。もし消えなかったら、靴磨きのタイミングです。」

 

2. 必要であれば、鏡面磨きの前に靴磨きをする

靴の栄養が足りていないときには、鏡面磨きの前に靴磨きをします。

 

 

ワックス塗り付け・磨き上げ

いよいよ鏡面磨きです。
何度かに分けてワックスをつけて、靴を磨いていきます。

  プロの道具  

・ワックス(1)
・クロス(2)
・水

 

1. クロスを指に巻きつける

指の腹に当たるところが平らになるように、クロスを指にくるっと巻きつけます。

「クロスの巻き付け方は、簡単です。指にクロスを被せて、余った部分をねじって握るだけです」

 

2. ワックスを取って、靴につける

クロスを巻いた指にワックスをとって、革靴に指先でくるくるしながらつけていきます。

分量は、革靴の表面がちょっとくもるくらいが目安だそう。

「ワックスを革靴の表面がちょっとくもるくらいつけて、磨く、という作業を3回くらい繰り返します。たくさんつけて一度に磨くこともできますが、光り方の様子を見ながら進めることができるので、少しずつつけるのがおすすめです。」

 

そして、鏡面磨きをするのは、つま先だけ。

「鏡面磨きをする範囲は、あまり広くない方がいいです。基本的には、靴の履きジワよりも手前。履きじわのところにワックスをかけてしまうと、また履いた時に、固まったワックスが割れてしまうんです。

今回の靴のように切り替えがある場合は、そこまで磨くことが多いですね。ない場合は、つま先からグラデーションのように光らせて、自然に仕上げることを希望されるお客様が多いですね。」

 

ですが、「鏡面磨きをグラデーションにするのは、プロでないと難しい」そう。

「鏡面磨きに慣れていないと、全体を均一に光らせてしまうんです。自然に馴染ませたい、というときにはプロがお役に立てるかもしれません。」

 

3. クロスを使って、磨き上げる

クロスを巻き付けた指でワックスを伸ばし、靴の表面を磨き上げていきます。

 

そして、「磨きの一番のポイントは、水」だそう。

「水をちょうどいい分量だけ垂らすと、クロスの滑りが良くなって、摩擦熱が起きます。その熱でワックスが溶けて、革の表面のデコボコをならしてくれる。それによって表面が鏡のように平らになって、光を反射するようになる、という原理なんです。」

 

水の分量は、1~2滴垂らしながら調整しているという。

「水は、多すぎても少なすぎても上手くクロスが滑りません。少しずつ垂らしながら、指先の感覚で調整しています。」

 

4. 手順2と3を数回繰り返す

ワックスを少量付けて磨く、という手順を3回ほど繰り返します。

 

これでプロの鏡面磨きは完了。
綺麗に光るようになったので、確認してみましょう。

 

プロの鏡面磨きを振り返って

さて、プロの鏡面磨きを振り返ってみましょう。
鏡面磨きの後は、革靴のつま先を覗き込むと、自分の顔が映りこんでしまうくらいになりました。

 

左が鏡面磨きをする前の靴、そして右が鏡面磨きをした後の靴。
もともとツヤがあった靴でしたが、まるでエナメルのように光っています。

 

つま先が上品に光る、革靴。
こんな靴があったら、思わず出かけたくなってしまいますね。

 

最後に、今回お手入れしてくれたプロから一言です。

「鏡面磨きで大切なのは、根気です。自分でやってみたい方は、ぜひ忍耐強く頑張ってみてくださいね。

また、グラデーションなど、より自然で美しいツヤを出したいときには、わたしたちプロがお役に立てます。お手持ちの靴をドレスアップしたいときに、お待ちしていますね。」

 

そして、今回の鏡面磨きの様子を動画にまとめました。
ぜひ動画でもプロの鏡面磨きの技を確認してみてください!

 

まとめ

革靴を光らせる、鏡面磨き。
お持ちの大切な靴をお洒落したいときにおすすめの、革靴のメイクアップです。

ワックスとクロスと水だけで、みるみるうちに靴が光っていく様子には驚きました。
自分でもやってみたい、と思うと同時に、こんなに綺麗に光らせられるのは、プロだからこそだなとも感じました。

今回、革靴のお手入れを担当してくださったのは、BROSENT(ブロセント)の本間さんでした。
20年以上の経験を持つ、革靴のお手入れのプロ。
最後には本当の鏡のように光る革靴は、まさにプロの技でした。
ありがとうございました!

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