庭石の置き方を特集!種類から石組みのやり方とポイント、費用を解説
綺麗な庭石のある日本庭園に憧れたことはありませんか?
風情のある和風の家を見ると、「私もこんな家に住んでみたい!」なんて思ったりすることもあると思います。
庭石は、日本庭園の美しさを支える重要なものです。
庭石には機能的な意味が無いものが多く、主に庭の景観に趣を持たせるために置くものです。
庭石は和風庭園の大きな特徴の一つで、石のみで構成されている庭園もあるほどなんです。
また、庭石の世界は奥が深く、同じ石でも置き方一つで印象がガラリと変わることもあるんです!
そんな庭石について知ることで、理想の景観を手に入れましょう!
庭石の据え方
庭石を「据える」とは、簡単に言うと、適切な向き・置き方で庭石を設置することです。
庭石は、ただ置けば景観が良くなるものではありません!いろいろ考えることがあって奥が深いのです。
これを機に、庭石の据え方について知っておきましょう!
専門用語まとめ
庭石には、多くの専門用語があります。
もちろん、全部覚える必要は無いのですが、基本的なところは押さえておくと、業者さんとの打ち合わせなど、スムーズに進めやすくなります。
下に、基本的な用語をまとめておきますので、チェックしてみて下さい!
天端(てんば)
石のてっぺんにある平らな部分
見つき
石を据えたとき、真正面から見える部分
見こみ
石の側面の部分
根入れ
石が地面に接するか、地面に埋まる部分
肩
石の角になっている部分
鼻
石のある面が飛び出していて、その下側がへこんでいる部分
あご
鼻の下の面がくぼんでいるとき、そこをあごといいます
しゃくり
石の表面がえぐれている部分
石理(せきり)
天然の石の、色の違いや表面の疾患の違いなどの様々な変化のこと
簡単にまとめると以上です。
分からない言葉が出てきて困ったときは、ぜひこの記事を見直して下さい!
代表的な庭石の据え方
庭石の据え方で代表的なものは、「山天」と「平天」です。早速、それぞれについて見ていきましょう!
山天
石の角の部分を頂点にする据え方。
平天
平らな面を上に上に向け、その面を水平にする据え方。
庭石を据えるときの考え方
庭石に使われるような石は、大体のものが不規則な形をしていて、ごつごつした感じのものです。
そうすると、見る方向によって見え方が大きく異なりますよね。
そこで、庭石を据えるときは、色々な方向を試してみましょう!
そして、自分の庭にあった方向をいろいろ考えてみてください。
どの方向を見せるかで、庭の個性を発揮できますよ!
石組みのやり方
石組みとは、庭石の配置や構成のことです。
この石組みが、庭の魅力を決めるといっても過言ではありません!
良い石を使って庭を作っても、石組みが悪いだけで台無しに…なんてこともあります。
非常に重要なので、必ずチェックしましょう!
ただ、石組みは一人でやるのはとても大変なので、必ず業者さんにお願いするようにしましょう!
石組みのメソッド -基本の考え方-
石組みで、これだけは押さえておいてほしいものをまとめました!
早速みていきましょう!
・庭の大きさ、風景にあった石を使う
・石の大きさや形を統一しすぎると、変化があまり無くなってしまうため、なるべく変化を持たせる
・石の色は統一感を持たせるようにする
人の手が入っている印象を取り除くようにしましょう。
石組みのメソッド -中級編-
もしこだわるなら、こちらも見ておきましょう。
石組みをもっとうまくやれるようになるはずです!
・石の天端の高さを揃えると、同じ高さの石ばかりで趣がなくなるので、高さに変化を持たせる
・石を一直線に並べると、人工的な感じがでてしまうので、注意する
・石理がくっきりと見える石は、ばらばらだと不自然になるため、方向を統一して配置するようにする
石組みについては以上です!
また、細かい配置の仕方については、依頼をする業者さんに相談すると良いでしょう。
庭石の種類
ここまで読んでくれた方は、庭石の置き方についてかなり知ることができたかなと思います。
準備完了、作業開始!とする前に、もう一つ気にしてほしいことがあります。
それは、石の種類です。
どんな石を使うか決まっていないと、何も始められませんよね。
石の種類によって、庭の雰囲気はかなり変わります。
ここでもうひと踏ん張りして、庭石の種類もチェックしましょう!
どんなものがあるか
庭石の種類は、大きく分けて5つあります。
①花崗岩(かこうがん)系
日本全国に広く分布しているのは、花崗岩系の庭石です。
御影石とも呼ばれていて、硬度の高さときめ細やかな石質が特徴です。
②安山岩系
③結晶片岩(けっしょうへんがん)系
④凝灰岩(ぎょうかいがん)系
⑤玄武岩系
役割ごとの分類
庭石の中には、機能的な役割を持ったものもあります。
これを、役石といいます。
さらに、役石を用いた様々なオブジェもあるんです。
ここでは、7種類の役石やオブジェをご紹介します!
飛び石
地面に埋められている石で、通路の役割を果たします。
足元が土やコケで汚れないようにするための通路が、飛び石の起源とされています。
また、耐久性が求められることから、硬い石が用いられることが多く、特に花崗岩がよく使われます。
沓脱石(くつぬぎいし)
履物を脱いで置いておくための石です。
縁側や茶室などの、庭よりも高いところの近くに配置されます。
沓脱石も飛び石同様、花崗岩が使われることが多いです。
蹲(つくばい)
簡単に言うと、神社の手水場の庭園版です。
今では見た目を良くするために置かれたりしますが、元々は茶事の際に来客の手を清めることが目的です。
猪おどし(ししおどし)
名前の通り、本来は農作物を荒らす猪を追い払うために、竹が石を叩く音を聞かせるものでした。
しかし近年では、竹が時折石を叩くときに強調される辺りの静けさの趣深さの方が注目され、もっぱらそれのために用いられています。
景石
庭石の中でも、景観を整えることを目的とした、加工せずに庭に配置された天然の岩石のことを指します。
存在感がある役石なので、庭によくマッチする石を選ぶのが重要です。
灯籠(とうろう)
灯籠とは、神社や寺院を照らす灯りが、一般の家庭でも使われるようになったものです。
園路を照らしたり、蹲の手元を照らしたりするために使われたりしました。
最近では機能性だけでなく、庭全体のデザインのために配置されています。
延段(のべだん)
短冊形の石敷きの通路のことを指します。
園路に飛び石を打つとき、あまりにも飛び石が多くて単調になってしまわないように、園路の中間に用います。
庭石の作業の際の注意点
庭石の移動や設置をやったことがないという方も多いと思います。
実は、庭石の作業には、気を付けるべきことがたくさんあります。
そこで、どんなことに気をつけるべきか把握しておきましょう。
近隣住民への配慮
庭石の移動・設置には、重機やクレーンが使われることが多いです。
そうすると、どうしても騒音が発生してしまいます。
そのため、作業を依頼するときは、あらかじめ近隣住民の方に作業を行うことを伝え、先に謝っておきましょう。
作業後も良好な人間関係を保つことができるよう気をつけましょう!
具体的な指示を出す
大きな庭石を一人で動かすのは、到底不可能です。
そのため、実際に動かすのは業者さんになります。
しかし、庭石の設置は、ただ動かせばいいというものではありません。
庭石は置き方によって、見え方が大きく変わります。
置き方を動かす人に任せてしまうと、あとで見たときにしっくりこない、なんてことになりかねません。
庭石をデザインするのはあなた自身です。必ず具体的な指示を出して、動いてもらうようにしましょう!
ライフプランとの兼ね合い
引っ越しの頻度が高い方の場合、引っ越しの際に処分や移動で大きな手間とコストがかかってしまうことがあるので、庭石の設置はおすすめしません。
また、日常的な管理や手入れについても考えておいた方が良いです。
これをどこまで自分でやれるかよく考えた上で、庭石の内容を決定するようにしましょう。
自分のライフプランと相談してから作業を行うようにしましょう!
庭石にかかる費用
ここまで、庭石の置き方に関するさまざななことを見てきました。
しかし、まだお金の話が終わってません。
庭石の設置にかかる費用は、目をそらすことのできない大きな問題です。
最後に、庭石の設置に必要なお金についてみていきましょう!
一言で言うと、庭石は高額です。
たかが石だろ、と思う方もいるかもしれません。
しかし、日本では石や砂を採取するのに許可が必要なんです。
そのため、石材業者が土地を購入し、許可を取り、運び込み、加工をしてと多くの過程を経るうちに経費がどんどんかさみ、高額になってしまうのです。
庭に敷き詰めるような小さな石であれば、1kgあたり数百円で買えるものも多いです。
これが大きくなると話は別で、子供の背丈ぐらいの石でも3万円ほど、高いものでは10万円もかかるほどです。
大きな石の中には、100万円を超えるものもあるとか…。お金の準備は必ずしておきましょう!
また、業者さんに依頼するときにかかる費用も忘れずに考えておくようにしましょう。
庭石の移動や設置を一人でやることはおすすめしません。費用をケチらずに必ずプロにお願いしましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか。
ただ置いてあるだけのようでいて、かなり奥の深い庭石。
何も考えずに置くだけでは、良い日本庭園を造ることはできません。
しかし、上手く置くことができれば趣のある庭園にぐっと近づきます。
庭石の種類も確認しておきましょう。
種類が多いので、自分の庭にあったものをじっくり探してくださいね。
庭石の設置にはお金がかかることが多いです。
事前に確認しておくようにしましょう。
この記事で知ったことを生かして、あなたも理想の庭園を造ってみませんか?
ただし、実際の作業はとても大変なものなので、プロの業者さんに依頼するようにしましょう。