せっけんと合成洗剤の違いは主成分!弱点や強みをプロが詳しく解説!【茂木和哉】
こんにちは!
茂木和哉です。
今回は、せっけんと合成洗剤の違いのお話です。
石鹸
せっけんは、「ケン化」呼ばれる手法で作ります。
ケン化とは、動物や植物の油(牛脂やヤシ油など)に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの強いアルカリ成分を加えて、反応させることです。
2種類のせっけん
水酸化ナトリウムで作るものは、脂肪酸ナトリウムと呼ばれる常温で固形のせっけん。
浴用せっけんや洗顔せっけんに使われます。
水酸化カリウムで作られるものは、脂肪酸カリウムと呼ばれる液体のせっけん。
手洗いせっけんや台所用液体せっけんに使われます。
純せっけん
せっけんは、この脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムに、安定化剤や色、香りがつけられて製品になります。
しかし、中には、純せっけん以外を含まないせっけんもあります。
安定化剤を含まないせっけんは、品質や安定性にやや問題があります。
冷暗所に保管して、購入してからできるだけ早く使用しないといけません。
また、製造年月日も注意も必要です。
特に、液体せっけんは、品質劣化が著しいです。
そのため、使用期間に注意して、雑菌を容器に入れないようにしなければなりません。
せっけんの弱点
一般にせっけんは、環境中で微生物によって分解されやすく、水の中にすむ生物への影響が少ないと言われています。
でも、ミネラル分(カルシウムやマグネシウム)が多い水で洗うと、水に溶けにくいせっけんカス(金属せっけん)ができて、汚れが落ちにくくなってしまいます。
合成洗剤
合成洗剤とは、主成分の界面活性剤が、せっけん以外の洗剤のことを指します。
さまざまな界面活性剤
実は、せっけん以外の界面活性剤は、とても幅が広いです。
食品添加物に使われているような、せっけんよりずっと安全性が高いものから、環境や人体に悪影響を及ぼすものまであります。
ですから、合成洗剤をひとまとめにして、危険だと判断することはできません。
衣類の洗濯用合成洗剤に限れば、ある程度、使われる界面活性剤も限定されます。
そのため、洗濯せっけんと比較することもできます。
一般に、合成洗剤のほうがせっけんより少量で汚れを落とす効果があります。
ただ、それだけ魚などに毒性が強くなります。
また、せっけん以外の界面活性剤で、シャンプーやボディソープに使われるものは、せっけんよりも皮膚に対する刺激が少なくなります。
合成洗剤=危険ではない
このように、せっけん以外の界面活性剤には、さまざまなものが含まれます。
せっけんと合成洗剤を単純に比較することは出来ません。
合成洗剤は危険だ、と決め付けにくいのです。
合成洗剤の界面活性剤は、石油やアルコールのほかに、動物や植物の油(牛脂やヤシ油など)からも作られます。
界面活性剤のほかに、汚れを落とすのを助けたり、使いやすくしたりする、いろいろな化学物質が加えられています。
洗剤を選ぶときには、ぜひ、参考にしてみてくださいね!