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更新日 :2018年10月12日

洗剤や石けんQ&A!安全面や使い方などの疑問にプロがお答えします【茂木和哉】

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こんにちは!
茂木和哉です。

今回は、洗剤や石けんの疑問にお答えしていきます!

 

Q. 泡立ちが良い洗剤ほど汚れ落ちが良いですか?

A. 泡立ちは関係ありません。

洗剤の主成分である界面活性剤は、種類によって泡立ちやすいもの、泡立ちにくいものがあります。
しかし、泡立ちやすいものが、必ずしも洗浄力が高いとは限りません。

また、洗剤は界面活性剤以外にも、酵素や、アルカリ剤、漂白剤、溶剤などの洗浄成分が含まれています。
それらの濃度も、汚れ落ちに関係します。

 

Q. 洗剤は、なぜ泡立つんですか?

A. 洗剤の主成分の界面活性剤には、普通は混ざらない物を混ぜる力があります。

食器の油汚れが落ちるのも、油と水が界面活性剤の働きによって混ざり合うからです。

ボトルに水を入れて、そして少し洗剤を入れて振ると、泡立つわけですが、その状態は、界面活性剤の働きによって空気と水が混ざり合っている状態と言うことになります。

界面活性剤は、空気であっても混ざり合おうとするのです。

 

Q. 界面活性剤の含まれている量が少ない洗剤って安全なんですか?

A. そういうことはありません。

含まれている量より、含まれている界面活性剤の種類によって、安全性がどうなのかの判別がつきます。

石けんも立派な界面活性剤です。
例えば手を洗う時に、石けん分100%の純石けんで手を洗った場合と、除菌ハンドソープの主成分としてよく使われる合成界面活性剤「塩化ベンザルコニウム10%液」で手を洗った場合。
このとき、明らかに、後者の方が安全性が低く、肌に影響がでる可能性が高くなります。

台所洗剤や洗濯洗剤も同じで、合成界面活性剤の配合割合が少ないから安全と、思ってはいけません。

 

Q. 粉石けんを水で溶かして水石けんを作って使おうと思ってますが、大丈夫ですか?

A. 粉石けん(固形石けん)と液体石けんでは、成分が全く異なります。

粉石けん(固形石けん) → 脂肪酸ナトリウム
液体せっけん → 脂肪酸カリウム
となります。

そもそも違うものなので、粉石けん水で溶かしても、水石けんのようなサラサラした状態は長続きせずに、しばらく経つとドロドロになってしまい使えません。

 

Q. 石けんと天然系の洗剤では、どっちが手に優しいですか?

A. 石けんの方が、手にやさしいと思っていただいて間違いありません。

天然系といっても、合成界面活性剤を主成分とした「洗剤」であることに、変わりありませんので。
洗剤による手荒れの大きな原因のひとつが、タンパク質変性作用によって手肌のターンオーバーが乱れることです。

実は、正確にいうと、この作用は洗剤だけでなく、石けんにもあります。
しかし、石けんはアルカリ側でしか洗浄力を発揮できず、もし肌に残ったとしても弱酸性の肌により中和され、洗浄力を失ってしまい、その時点でタンパク質変性作用はなくなります。

一方、洗剤は肌に残っている以上は、洗浄力が失われることがなく肌に作用し続けます。

ですから、洗剤を使用した後は、微量でも手肌に残ることがないよう、しっかり洗い流すようにしなければなりません。

 


洗剤職人「茂木和哉」が書いた、年末の大掃除に必ず役に立つ1冊です!