界面活性剤のタンパク質変性作用!手荒れや農薬で実感する効果とは?【茂木和哉】
こんにちは!
茂木和哉です。
界面活性剤には、タンパク質変性作用という働きをもつものがあります。
タンパク質変性作用とは、その名の通りタンパク質の性質を変える働きです。
私たちが実感するところで言えば、台所洗剤による手荒れです。
タンパク質でできた手肌が、界面活性剤のタンパク質変成作用によって傷めつけられることで手が荒れるわけです。
実は、タンパク質変性作用による手荒れは、洗剤だけではなくハンドソープでも起こります。
特に、除菌力が高いハンドソープは、タンパク質変性作用が強く手荒れしやすいのです。
除菌が高いハンドソープとは、いわゆる薬用ハンドソープといわれるものです。
薬用ハンドソープに、手荒れが治るようイメージを持たれている方がいるようですが、全くの逆なので注意してください。
では、なぜ薬用ハンドソープで除菌ができるのか?
それは、雑菌のからだも人間の手肌と同じタンパク質でできているからです。
そうです!
界面活性剤のタンパク質変性作用の働きで、雑菌を殺しているのです。
そのため、除菌効果の高いハンドソープほど、タンパク質変性作用の強い界面活性剤が含まれているので、手荒れしやすいということになるのです。
薬用ハンドソープのタンパク質変性による除菌方法に似た、界面活性剤の使い方をしているのが、農薬です。
害虫や雑草のからだもタンパク質です。
農薬に界面活性剤を配合する事で、害虫や雑草に農薬成分が浸透しやすくしているのです。
話をハンドソープに戻しますが、手の雑菌を取り除く目的であれば、除菌効果がないハンドソープでも十分に効果があります。
なにも薬用ハンドソープを使う必要はありません。
また手荒れを気にするのであれば、合成界面活性剤が主成分のハンド―ソープの使用は避け、主成分が石鹸のものを選ぶことをおすすめします。