HOME

更新日 :2019年02月25日

循環式の浴場ってどんな管理をしているの?【お掃除業者さん必見の洗剤技】

この記事をシェアする FaceBook X LINE Pinterest

 

こんにちは! 茂木和哉です。

浴槽水を循環して利用している公衆浴場には、必ずろ過装置があります。

その濾過装置で最も多く見られるのが、「砂ろ過」というろ過方法です。
その名の通り、ろ過装置本体に砂を入れて、浴槽水をこしてキレイにします。

キレイにこすために、ろ過装置の中は最も下の層に大きめの砂利を入れ、上の層へ上がるにつれて砂の粒子を細かくさせていきます。

ろ過装置は、運転している状態ではろ過装置本体の上から浴槽水が入り、下から出ます。
そのため、汚れが砂でひっかかり、キレイになるというわけです。

最も上の砂の表面には、ゴミがたくさん引っかかるので、定期的に「逆洗」をします。
逆洗とは、下から浴槽水を入れ上から出して、お風呂には戻さず排水させる作業です。

 

また、浴槽水を長く入れ替えず数日使うわけですから、雑菌の繁殖を抑える対策が必要です。
その対策に使用するのが「塩素」です。

ろ過装置を使う以上、必ず塩素を投入し、浴槽内で一定の残留塩素濃度になるように、濃度調整をしなければなりません。
これは、公衆浴場法で決まっていることです。
ちなみに、かけ流し温泉では、新しい温泉が次から次へと浴槽に入ってくるので、塩素を入れる必要がありません。

 

塩素剤として最も多く使われるのが、「次亜塩素酸ナトリウム」です。

投入方法は、循環循環ろ過装置のポンプと連動させ、循環配管に注入する方法です。
これは、浴場の他にもプールで多く用いられる方法です。

濾材の砂は、半永久的に使用できるものではありません。
逆洗で飛ばし流され少なくなったり、長く使って砂が砕かれ小さくなったりすると、浴槽水の通りが悪くなって、ろ過装置本体の圧力が高くなり、故障のリスクが高まります。

逆洗で少なくなる分には、濾材を補充すればOKです。
濾材が小さくなった状態では、交換した方が良いです。

交換の目安を確認する意味でも、通常時のろ過はどのくらい圧力がかかっているか、圧力計にマジックで印をつけておくのが良いです。
その印を大きく過ぎるようになったら、交換した方がいいです。

 

しかし、温泉だとこの交換の目安が使えない場合があります。
スケールの影響で濾材がガチガチに固まった状態の場合です。

濾材が固まると圧力が上がるように感じます。
ですが、この様な場合は、濾材に大きな隙間ができ、圧がかからないことがよくあります。

そのため、温泉の場合は、定期的にろ過装置を開けて濾材を確認することをおすすめします。

濾材が固まった状態での濾材交換は、専門業者と言えども非常に困難です。
酸性洗浄剤で簡単に分解できない場合は、ろ過装置本体を傷めないように濾材を叩いて崩しながら取り除くしかないからです。

過去に濾砂が固まった経験がある施設は、スケール防止剤を投入することをおすすめします。

 

ぜひ、参考にしてみてくださいね!


 


洗剤職人「茂木和哉」が書いた、年末の大掃除に必ず役に立つ1冊です!