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更新日 :2019年02月25日

浴場施設でのレジオネラ菌除去を目的とした配管洗浄について【お掃除業者さん必見の洗剤技】

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こんにちは! 茂木和哉です。

浴場施設でのレジオネラ菌除去を目的とした配管洗浄についてお話します。

ろ過装置を利用し、浴槽水を循環している浴場施設は、
・循環配管
・ろ過装置内部
・ポンプ内部
・熱交換器内部
など、浴槽水の経路の洗浄が簡単ではありません。

また、それらの経路は、レジオネラ菌が繁殖しやすい条件がそろっています。
経路の洗浄をしばらく怠っているお風呂や、浴槽水を長く変えないで使っているお風呂に入ると、レジオネラ菌に感染するリスクが高くなります。

経路内にレジオネラ菌がたくさん繁殖している状態では、循環配管にスライム状のどろどろした汚れがべったり付着しています。
これがバイオフィルムです。

このバイオフィルムを定期的にキレイに洗浄することが、レジオネラ菌対策のための配管洗浄ということになります。

 

一般的に、循環配管を洗浄する方法は、除菌剤を浴槽に投入し、ろ過装置を回して洗浄します。
使用される薬剤には、酸化剤が多く使われます。

例えば、
・過酸化水素水や過炭酸ナトリウムなどの酸素系酸化剤
・二酸化塩素や次亜塩素酸ナトリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム塩素系酸化剤
です。

この中で私がおすすめするとしたら、過炭酸ナトリウムです。

なぜなら、塩素系酸化剤は、腐食性が強いため機器を傷めやすいからです。
同じ酸素系酸化剤でも、過酸化水素水は、劇物なので取り扱いに注意が必要です。

その点、過炭酸ナトリウムは、腐食性も低く、安全性が高い洗浄剤なので、誰でも安心して使えます。

 

過炭酸ナトリウムを使用した、レジオネラ菌除去を目的とした配管洗浄方法をご紹介します!

 

用意するもの

・過炭酸ナトリウム
・酸性芒硝(ぼうしょう)
・亜硫酸ソーダ

   手 順  

1. 過炭酸ナトリウムを投入
循環ろ過装置を運転した状態で、過炭酸ナトリウムを、浴槽水1トンに対し0.5~2%投入する。

 

2. ろ過運転する
90~120分ろ過運転し、配管内部を洗浄する。

 

3. pHを調整する
酸性芒硝を浴槽水に過炭酸ナトリウムと同量投入し、pHを調整する。

 

4. 10分間運転
pH調整のために酸性芒硝を投入し、10分間運転する。

 

5. 酸素を分解
亜硫酸ソーダを過炭酸ナトリウムの10%投入し、30分以上運転して酸素を分解します。

 

6. すすぐ
浴槽水を排水した後、すすぎを2回行う。

 

浴場施設の管理をしている皆さんや清掃業の皆さん。
ぜひ参考にしてください!

 

ただし!
過炭酸ナトリムは、浴槽水に溶けると酸素の気泡をだします。
過酸化水素水も同じです。

この気泡が、バイオフィルムの洗浄には役立っています。
でも、循環ポンプに気泡がたまりすぎると、ポンプの水が落ちた状態になり、循環できなくなることがあります。

このような状態は、
・過炭酸ナトリウムの投入量が多い場合
・ポンプから浴槽までの距離が長い場合
・ポンプの位置が浴槽よりちょっとでも高いところにある場合
に起こります。

作業がとても困難になる原因となります。
事前に、ポンプから浴槽までの距離と、ポンプが浴槽より高い位置にあるのかを確認しておきましょう。

もし当てはまる場合は、
・過炭酸ナトリウムの投入量を少なくし、循環時間を長くする
・二酸化塩素など他の薬品を使う
などをオススメします。

 

このような循環式浴槽の場合は、年に1回、循環配管の清掃を行ってください。
1週間に1回程度は、塩素剤で簡易的に配管洗浄をすることをおすすめします。

使用する薬剤は、アルカリ性である次亜塩素酸ナトリウムより、中性タイプのジクロロイソシアヌル酸塩がおすすめです。

例えばバスフレッシュのようなものです。

 

ぜひ、参考にしてみてくださいね!

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