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更新日 :2024年07月09日

木材と木部を傷めずにカビを取る方法 !【お掃除業者さん必見の洗剤技】

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こんにちは! 茂木和哉です。「カビ取り剤を使い続けていくうちに木部が傷んできた…」というお悩みをよく耳にします。本当にカビ取り剤で木部が傷むのか?今回は、この問題について考えていきます。

カビ取り剤のタイプ

この問題を考える前に整理しておかなければならないのが、カビ取り剤と言ってもいろんなタイプがあることです。

カビ取り剤は大きく、
・塩素系
・酸素系
・その他
の3つに分けられます。

塩素系のカビ取り剤

塩素系といったら、次亜塩素酸ナトリウムが主成分の液体タイプが主流です。このタイプが最もポピュラーなカビ取り剤。一般向け、業務用ともにたくさん出回っています。液性は、アルカリ性です。

酸素系のカビ取り剤

次に酸素系です。酸素系はさらに、
・過炭酸ナトリウムが主成分の粉末タイプ
・過酸化水素水が主成分の液体タイプ
の2つに分けられます。

過炭酸ナトリウムが主成分の粉末タイプの液性は、弱アルカリ性です。一方で、過酸化水素水が主成分の液体タイプは、酸性です。

その他のカビ取り剤

次にその他です。塩素系、酸素系に該当しないカビ取り剤には、
・乳酸系
・塩化ベンザルコニウム
・メタノール
などがあります。

どれも、プロの方や浴場施設で使うとしたら、洗浄力が弱すぎて使い物になりません。そのため、木部のカビ取り洗浄には塩素系か酸素系が使われます

木部が傷む原因

さて、話を戻します。

カビ取り剤で木部が傷むのか?その答えです。実は、塩素系だから傷むとか、酸素系だから傷むということはありません。傷む原因は、液性です。アルカリ度が強すぎると傷むわけです。

先に説明した中の「次亜塩素酸ナトリウムが主成分の液体タイプ」が、木部を傷めるということになります。

次亜塩素酸ナトリウムが主成分の粉末タイプは作れません。つまり、液体の塩素系=木部に適さない、となります。

もちろん、薄めることでアルカリ度を弱めるなどの工夫をするれば、木部に対しての刺激は弱まるので傷みにくくなります。でもその分洗浄力も弱まります。

酸素系のカビ取り剤がおすすめ

では、もし木材にカビが生えたら何を使ってカビ取りしたらいいのか?まず、お試しいただきたいのが酸素系です。

過炭酸ナトリウムが主成分の粉末タイプ、過酸化水素水が主成分の液体タイプのどちらでもOK。強いアルカリ性の液体タイプの塩素系と比べると、木材に対して刺激は弱いです。

ただし酸素系は、塩素系と比べ洗浄力が弱いので、ひどいカビには苦労するかもしれません。そんな時は、耐水ペーパーで擦る方法との合わせ技を使います。耐水ペーパーで擦ると、カビ以外にも繊維の毛羽立ちやアク、シミもとれ、非常にキレイに仕上がります。

注意点は、木材が完全に乾ききっている時に使うことです。清掃業者さんでしたら、面積が広いところは電動サンダーで削り、サンダーでは届かない角や仕上げ用には耐水ペーパーを使うのが良いです。耐水ペーパーで擦ってもカビが残るようでしたら、その後に酸素系で洗浄するという流れです。

もちろん状況を見ながら作業手順は変えることも必要になります。しかし、削るとなると結構大変ですし、経験も必要です。そうなるとやはり、洗浄力が高くて木材が傷まない塩素系が欲しくなりますよね?

実は、中性タイプの塩素系もあるので、木部のカビにお困りの方は、ぜひお試しください!

※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
※本記事に掲載する一部の画像はイメージです。
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