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更新日 :2019年02月23日

浴場清掃に最適なバスクリーナーの条件とは?【お掃除業者さん必見の洗剤技】

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こんにちは! 茂木和哉です。

浴場施設関係者のみなさん、日々お使いになっているバスクリーナーに不満をお持ちではありませんか?

例えば、
「泡切れが悪くてすすぎに時間がかかる…」
「洗った後でも、ヌルヌルが残ることがある…」
「洗い場の石けんカスの汚れ落ちが悪い…」
などです。

実は、この3つ全てに理由があります。
理由を判別し、それに「最適なバスクリーナーを選べば、何も苦労せずに改善できるということになります。

では、その理由は何なのか?
最適なバスクリーナーとはどんなもなのか?
今回は、そこのところを詳しく説明していきます!

泡切れが悪くてすすぎに時間がかかる

これは、何も難しいことはありません。
お使いのバスクリーナーに使われている界面活性剤が原因です。

泡切れの悪さには、バスクリーナーに含まれている、
・界面活性剤の配合量
・界面活性剤の種類
が関係しています。

まずは、界面活性剤の配合量。
これはもうお分かりだと思いますが、界面活性剤の配合量が多ければ多いほど、泡切れは悪くなります
泡切れの良いバスクリーナーを選ぶとしたら、界面活性剤の配合量が0.1%でも少ないものを選ぶことが重要です。

 

ただし、同じ界面活性剤の種類に限っての話です。
界面活性剤の種類が違うと、そうとは言い切れなくなります。

泡切れの悪い界面活性剤
・直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル

泡切れが良い界面活性剤
・アミドプロピルべダイン
・脂肪酸カリウム

こうなります。

例が4つと非常にシンプルですが、泡切れの悪い2つは、非常によくバスクリーナーによく使われるものです。
どちらかというと、泡切れのよいバスクリーナーを見つけるよりも、泡切れの悪い方のバスクリーナーの方が見つけやすいかもしれません。

 

洗った後でも、ヌルヌルが残ることがある

浴場のヌルヌルの原因は大きく分けて、
皮脂汚れによるもの
バクテリアによるもの
浴槽水によるもの
の3つがあります。

皮脂汚れとバクテリアが原因のヌルつきは、バスクリーナーであれば、どんなものでも落とすことができます。

しかし、浴槽水が原因の場合、そうはいきません。

ただ、浴槽水といっても条件があります。
その条件とは、浴槽水が「温泉水」の場合です。
水道水は、ヌルつきの原因にはなりませんので。

さらにもう1つ、温泉水が「アルカリ性」の場合という条件が加わります。
日本は、アルカリ性の温泉浴場が非常に多いわけですが、アルカリ性ってヌルヌルするんですよね。
温泉だからとかでなく、アルカリ度が高くなればなるほどヌルヌルします

洗剤でも、塩素系漂白剤や酸素系漂白剤、油汚れ用のアルカリ洗剤などのアルカリ性の洗剤は、手につくと、いくら水で洗い流してもヌルヌルがなかなか取れません。

みなさんも、そんな経験をされたことがあるのではないでしょうか?
それもアルカリの仕業です。
アルカリ温泉につかると肌がツルツル(ヌルヌル)するのも、アルカリの仕業です。

そのため、浴場内がアルカリ性の温泉水で濡れているとヌルヌルした状態になります。

 

いきなりですが、ここで質問です!

Q. アルカリ性が原因でヌルヌルした床のヌルつきを落とすとしたら、次のうちどれが最適なバスクリーナーですか?

A. 弱アルカリ性のバスクリーナー
B. 中性のバスクリーナー
C. 弱酸性のバスクリーナー

答えは、Cの弱酸性のバスクリーナーです。
なぜなら、中和作用が働くからです。

だから、アルカリ温泉の浴場は、弱酸性のバスクリーナーで日々の掃除するのがベストなのです。

 

洗い場の石けんカスの汚れ落ちが悪い

石けんカスには、2種類あります。

1つは、皮脂と石けんが結びついた遊離脂肪酸」といわれる石けんカスです。

石けんで体を洗った後に、泡のついたタオルを洗面器ですすぐと、洗面器にカスがいっぱいに浮いてきますよね?
「こんなに体が汚れていたんだ…」
と思う方もいると思いますが、安心してください。

それは身体の汚れではなく、石けんカスなのです。

この遊離脂肪酸と言われる石けんカスは、それほど厄介な汚れではありません。
どんなバスクリーナーでも、スポンジやブラシで洗うと、落とすことができます

 

問題なのは、もう1つの石けんカスです。
その石けんカスとは、水道水の硬度分と結びついてできる金属石けん」と言われるものです。

これは、水垢のように頑固です。
しかも、普通の中性タイプのバスクリーナーでは落とすことができません。
さらに、アルカリ側のバスクリーナーでも落とせません。

落とせるのが、酸性側のバスクリーナーだけなのです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

弱酸性タイプのバスクリーナーを選ぶだけでも、3つのうち2つが改善されますよね。
その弱酸性タイプのバスクリーナーに使われている界面活性剤が、アミドプロピルべダインか脂肪酸カリウムのどちらかであれば、完璧となります。

でも、弱酸性のバスクリーナーに脂肪酸カリウムを使ったものは存在しません。
そこで、実質、アミドプロピルべダインを選べば良いわけです。

脂肪酸カリウムは性質上、中性~酸性側では界面活性剤として働くことができません。
そのため、脂肪酸カリウムを使ったものは、必ずアルカリ側になります。

 

ぜひ、参考にしてみてくださいね!

 

 


 


洗剤職人「茂木和哉」が書いた、年末の大掃除に必ず役に立つ1冊です!