登山靴は購入時もあれこれと迷って選び、履き続ければ続けるほど愛着のわいてくるアイテムですね。一方で、命にも関わる大切なアイテムである登山靴は、傷んでいるものをずっと履き続けるわけにもいきません。新品の靴を買うこともできますが、修理をして履くというのもひとつの方法です。今回は登山靴の寿命と修理について解説します。
登山靴は、主に皮素材やポリウレタン(ゴアテックス)素材、ゴム(シリコンも含む)素材などを縫い合わせたり、接着材などで接着して構成されています。
登山靴はアッパーよりも先にソールが早く寿命が来ることがほとんど。
登山靴の修理で最も多いケースは、靴底の摩耗や剥離などによる、ソールの貼り替えです。ソールは靴底にあたるアウトソール部分、アッパーとアウトソールをつなぎ歩行時の衝撃を吸収するミッドソール部分に分かれていて、消耗の仕方が異なります。
そして寿命の見分け方は4つ!
重い荷物を持って険しい山を登る登山では、山を登った分だけアウトソールは擦り減っていきます。ソールが見た目にも擦り減ってきた、グリップ力がなくなってきた、滑りやすくなった、という状態になったらアウトソールの寿命です。
ソールがはがれてきた場合はミッドソールとアウトソール部分の接着剤の劣化の可能性があります。
ひび割れがある場合は、ソールの素材自体が劣化している可能性があります。
見た目がきれいであっても、購入して5年が経過している登山靴は経年劣化がすすんでいる可能性があります。経年劣化によるソールの剥離や破損は使用頻度にかかわらず起こります。
多くの登山靴やトレッキングブーツのミッドソールに採用されているポリウレタンは、時間の経過とともに経年劣化を起こします。ポリウレタンの寿命は5年程度とされていますが、保存環境によっては3年程度で劣化をする可能性があります。
劣化を防ぐためにはなるべく湿度の高い場所、高温、紫外線を避けて保存しましょう。また、使わずに放置をすることも劣化を進める原因となります。
登山靴は特殊な靴のため、一般的な靴の修理業者では修理が対応できません。登山靴の修理を依頼できる場所は主に3つです。
登山靴修理専門業者は、普通の靴ではなく登山靴の修理を専門的に行なっている業者です。登山靴修理専門業者はどのメーカーの登山靴でも修理を受け付けてくれます。また、販売店やメーカーから修理を断られた靴でも、登山靴修理専門業者ならば修理してくれる場合もあります。
登山靴のメーカーは基本的に修理も行っています。メーカーはその靴の仕様を熟知しており、使用するパーツもメーカーの純正パーツを使用するので、安心して修理を任せることができます。ただし、受け付け方法は郵送による受け付け、販売店を通して受け付けなど、メーカーにより異なるので確認が必要です。
登山用品専門店は修理の受け付けの窓口としての業務も行っています。基本的には取り扱いのあるメーカーの登山靴のみとなります。登山靴を購入した店舗でなくても、そのメーカーの取り扱いがあれば、受け付けをしてくれる可能性があります。
修理業者がスムーズに作業にとりかかれるように修理に出しましょう。汚れている場合は追加料金が発生する場合もあります。
登山中に登山靴のソールがはがれた時のために、応急処置の方法を予習しておきましょう。
針金は細く、強度があるので、靴底の邪魔にならずにしっかりと固定することができます。
細引きや靴紐で固定する場合は、きつく固定すると足が圧迫されることもあるので、様子を見ながら固定をします。
ガムテープやテーピングで固定する時は、靴底がテープでおおわれてしまうので、滑りやすくなります。スリップなどに注意をしましょう。
登山靴の寿命は5年程度とされていますが、保管方法によっては寿命を早めてしまう恐れもあります。適切に保管をして置くことが大切です。
必ず登山から帰ってきたらなるべく早く手入れをしましょう。
ビニール袋や購入時の箱などに保管をすると、湿度が高くなり劣化が進みます。袋や箱に入れず、風通しがよく直射日光が当たらない場所に保管しましょう。
ポリウレタンは使わずに放置すると劣化が早くなります。登山に行かなくても月に1度程度は足を通しておきましょう。
登山靴はソール部分から摩耗や経年劣化により、修理が必要になります。登山中に登山靴にトラブルが起こると大変です。事前にしっかりとチェックをして登山に臨みましょう。
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