最近お掃除グッズとしてよく耳にする「重曹」。
重曹は、天然成分でできているためエコな洗剤としても人気です。
重曹の効果やお掃除に便利な『重曹水』の作り方、使用方法について詳しく解説します。
重曹の正式名称は「炭酸水素ナトリウム」。「重炭酸ソーダ」とも呼ばれていていて、略して「重曹」と呼ばれています。
食塩を電気分解し、そこに二酸化炭素を加えてつくられているため、人体に無害で自然にもやさしい物質です。
お菓子作りなどに使われる、膨らし粉のベーキングパウダーの主成分でもあります。
重曹にはいくつか種類があり、成分は同じですが「食用」の重曹は、食べ物として衛生管理がされているものです。
掃除を目的で使うのであれば「工業用」「掃除用」と書かれた重曹を用意しましょう。
「食用」を掃除に使うこともできますが、「工業用」「掃除用」の方が安く手に入りますよ。
重曹には、掃除で有効な4つの特徴があります。
重曹は水に溶かすと弱アルカリ性になり、酸性の汚れ(油汚れ、手垢、焦げ付きなど)を中和して落とすことができます。
重曹水にすることで洗剤のように使用でき、漬け込むことでやさしく汚れを落とします。
重曹水は沸騰させると、アルカリ性が高まる性質があり、アルカリ性度が高まると掃除の効果も高まります。
消臭効果があるので、生ゴミや汗のニオイ、アンモニア臭などの酸性の臭いも中和して消臭してくれます。
また、吸湿効果もあるので、除湿剤としても効果を発揮します。
吸湿効果は大きいものではないので、空気の流れが少なく密閉された空間での使用がおすすめ。
下駄箱・クローゼット・トイレに除湿・消臭剤として置いたり、不織布に包み靴の中に入れておくと除湿・消臭することができますよ!
重曹は粒子が細かく水に溶けにくい結晶なのでクレンザーの役割を果たしてくれます。
重曹は塩よりやわらかく、固すぎない絶妙な硬度で素材を傷つけず研磨することができます。
シンクのこびりつきや五徳の焦げ付きなど掃除にも便利です。
重曹は発泡・膨張作用があります。
重曹を温めると二酸化炭素が発生し、この性質を利用して、汚れや焦げ付きなどを浮かせて剥がし落とすことができます。
また重曹には水の中にある金属イオン(カルシウムやマグネシウムなど)をゆっくり封じる働きがあるので、重曹を溶かした水は泡立ちがよくなりますよ。
ペットボトルに水(100ml)を入れ、重曹(小さじ1)を溶かします。
重曹は水に溶けにくいのでよく混ぜて溶かしましょう。
ぬるま湯を使うのもおすすめです。
重曹が多いと、溶け残ってしまう可能性があるので適量を入れます。
スプレーボトルに入れておくと、気軽に使うことができますよ。
重曹は湿気を吸収するため、固まりやすいという性質があります。
保存するときには、密閉して直射日光に当たらない場所に保管してください。
「作った重曹水」は7~10日ほどで使い切るのが目安です。
重曹水は、大きく分けると「汚れ落とし」と「消臭」の2つの使用方法があります。
キッチンやリビングなどで汚れたところに重曹スプレーを吹きかけて乾いたタオルでサッと拭き取れば簡単に掃除ができます。
コンロなどの油汚れはスプレーを吹きかけた後、10~15分程度放置して油を中和させてから拭き取るとキレイに汚れが落とせますよ。
重曹は沸騰するとアルカリ性が高まるため、五徳やコンロのこびりつきには沸騰させた重曹水に漬け込むと効果的です。
鍋やフライパンの焦げ付きには重曹水を入れて火にかけると焦げ付きを落とすことができます。
重曹水は布製品の消臭にも便利です。
汗をかいた衣類やトイレマット、ソファやカーテンなどに重曹スプレーを吹きかけると消臭することができますよ。
重曹水は「アルカリ性」という性質をもっている特徴上、いくつか注意が必要です。
以下の場所への使用は控えましょう。
・「アルミ」や「銅」…黒く変色します
・「生木や畳、水を吸い込む素材」…シミになる可能性があります
・「ワックスをかけた床」…ワックスがはがれることがあります
・「大理石」「漆器」…素材を痛める可能性があります
素材が分からない場合は、目立たない場所で試してから使用してください。
重曹は、弱アルカリ性のため肌を痛める可能性があります。
肌が弱い人や長時間使用する場合は、ゴム手袋を着用してください。
重曹は酸性の汚れを落とすのに適していますが、頑固な汚れは落としきれないこともあります。
無理にこすると素材を痛めてしまう可能性があるので、落ちない汚れは専用洗剤やプロのクリーニングにお任せすることをお勧めします。
天然素材で自然に優しい重曹は、素材にも環境にも優しい洗剤です。
重曹はドラックストアや100円ショップなどで気軽に手に入ります。
重曹水を作ってスプレーボトルに入れておくと気軽に掃除に使用できますよ♪