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更新日 :2022年07月28日

打ち水でSDGsな暑さ対策!ペットボトルでもOK◎風流に涼もう♪

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自宅の前や庭先などに水をまいて、涼を得る「打ち水」。風情のある響きに日本の夏を感じますね。打ち水の歴史は古く、昔から暑さ対策として取り入れられてきました。現代ではエアコンの普及で常に涼しい環境があることが当たり前になっていますが、地球にやさしい暑さ対策として打ち水が今また改めて注目されています。今回は打ち水の効果や打ち水におすすめな時間帯などをご紹介します。打ち水を効果的にして、エコな暑さ対策に取り組んでみませんか。

打ち水とは

打ち水とは、自宅前の道や庭に水をまいて涼気を得るもので、土ぼこりやホコリなどを抑える効果もあります。涼を得る手段だけでなく、古くは神様が通る道を清めるという意味合いもあったようです。

茶の湯の世界では礼儀作法としても行われていました。玄関先や人が出入りする場所への打ち水はおもてなしとして、来客への気遣いでもありました。打ち水の様子は江戸時代の浮世絵などにも描かれており、古くから日本の生活に取り入れられたことがわかります。

打ち水で涼しくなる原理と効果

「気化熱」で温度が下がる

打ち水で涼しくなる原理の1つは「気化熱」。気化熱は水が蒸発するときに周囲から吸収する熱です。打ち水をすると水が蒸発するときに気化熱の働きで地面の温度が下がります

また、地表に水がある状態にすると地面の温度も上がりにくくなり、濡れた地面を通る風が冷やされて涼しくなるのです。打ち水をしたあとの地表の温度は1~3℃下がるとされています。

空気が流れてそよ風が生まれる

水が蒸発するときに、打ち水をした場所の気圧が上がります。空気は気圧の高い方から低い方に向かって流れるため空気が流れができ、自然なそよ風が発生します。打ち水で温度が下がった場所にさわやかな風が加わることで涼しさを感じることができます。

ヒートアイランド現象の対策

都市部の気温が郊外に比べて高くなる「ヒートアイランド現象」。ヒートアイランド現象の原因の1つがアスファルトやコンクリートの蓄熱です。

アスファルトやコンクリートが日中に吸収した熱がすぐに放出されず、夜になっても保たれて、夜間の気温が下がりにくくなります。

打ち水をすることで、アスファルトの熱を下げ、気温が上がることを防ぐことができます。

打ち水をする効果的な時間帯と場所

朝と夕方に打ち水

打ち水をするのにおすすめの時間帯は、気温が上がりきっていない「朝」と、気温が下がり始める「夕方」です。暑くなりきる前に打ち水をすることにより、気温の上昇を抑えることができます。

暑くなり切った時間帯に打ち水をすると、水がすぐに蒸発してしまい効果的ではありません。温度を下げるために多くの水を撒くことにより、逆に湿度が上がり蒸し暑さを感じることもあります。

朝の打ち水は午前中の涼しさを保つことができ、夕方の打ち水は夜の暑さを和らげることができますよ。涼しい時間帯を増やすことにより、エアコンの使用時間を少なくすることもできるかもしれませんね。

日陰に打ち水

日向に打ち水をすると、すぐに蒸発してしまうため、打ち水を効果的にするためには日陰に打ち水をしましょう。日陰のない場合には、すのこやグリーンカーテンなどを利用して日陰を作る方法もおすすめですよ。

風通しの良い場所だと涼しさをより感じることができます。

舗装されていない道路に打ち水

蓄熱しやすいアスファルトやコンクリートに打ち水をすることも熱を押さえる効果があります。

ですが、アスファルトやコンクリートは水がしみこみにくいため、打ち水での効果をより得るためには庭先など、舗装されていない場所に打ち水をするのがおすすめです。

マンションやアパートのベランダでの打ち水

コンクリートでできたマンションなどのベランダなどでは熱がたまりやすく、その熱が室内にも影響を与えます。

ベランダで打ち水をすることで気化熱で熱気を逃すことができ、室内の気温を下げる効果があります。

エアコンの室外機まわりに打ち水をして気温を下げておくと、冷房の運転効率が高まり、冷房運転の消費電力を減らすことができますよ。

打ち水の仕方と節水のコツ

打ち水というと桶と柄杓で…というイメージですが、桶や柄杓をわざわざ購入する必要はありません。自宅にあるジョウロや空のペットボトルに水を入れて打ち水をすることができますよ。

打ち水は省エネにつながる取り組みです。せっかくなので節水しながら打ち水をしたいですね。打ち水に使う水は冷たい水道水を使う必要はありません

二次排水などを活用することがおすすめです。

打ち水に使える水
・お風呂の残り湯
・雨水

打ち水は水を撒くということだけで十分効果があるので、道具にこだわらず自宅で余った水を使って気軽に行いましょう。

まとめ

現代の打ち水はヒートアイランド現象を緩和したり、エアコンの使用時間を短縮することによる温室効果ガス排出量の削減効果も期待できる地球にも優しい暑さ対策です。

家庭の電気代も抑えることができますね。打ち水は自宅にある道具で気軽にできます。朝や夕方の涼しい時間帯に、雨水や残り水を使って打ち水をしてみてくださいね!