外れたファスナーを自分で修理!チャックが噛み合わない時の直し方も解説

よっすん

更新日:2023年09月30日

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急いでファスナーを閉めたら動かなくなった経験、ありませんか? ガチッと音がして、うんともすんとも言わなくなることが結構あるんですよね。ファスナー(チャック)の修理は、洋服なら2,000円~ほど、鞄だと10,000~20,000円もかかることがあるため、極力は自分で直したいところ。

ファスナーの故障は主には曲がってしまった部品が原因。なので大抵の場合はペンチを使えば自分で直せます。今回は外れたファスナーの修理を、

・閉めても開いてしまう場合
・生地を噛んでしまった場合
・チャックが滑らなくなった場合
・ファスナーが外れてしまった場合

4つの状態に分けて、それぞれの解決策を紹介します。

まずはファスナーの仕組みを理解!

ファスナーを閉めたつもりなのに「外れてしまう」とはどういうことなのかを理解するために、ファスナーの仕組みを知りましょう! まずは上の図にある2つの用語の解説をします。

エレメント…実際にかみ合う「」の部分
スライダー…歯をかみ合わせる」部分

エレメントを

・スムーズに
・同じタイミングで
・規則的に

スライダーが嚙みあわせるのがファスナーです。つまり「噛み合ってない」から「外れる」のです。仕組みがわかれば対処法も見えてきます。そして噛み合わなくて発生する現象は大きく4つあります。

・ファスナーを閉めても開いてしまう
・ファスナーが記事を噛んでしまう
・ファスナーが滑らない
・ファスナーが外れてしまう

それぞれに対処法があるので、当てはまるものを見ていきましょう。

ファスナーを閉めても開いてしまう場合

まずは、ファスナーが閉めても開いてしまう場合。「あれっ、閉めたはずなのに、両側から開いてる!?」なんてことありますよね。

こうなったらエレメントの不具合とスライダーの不具合、2つの理由を疑いましょう。

エレメントの不具合を疑う

まず原因を疑うのはエレメントです。いくらスライダーが好調でもエレメントが不規則では噛み合うことはないからです。

エレメントは端から端まで全ての歯が「上下左右」しっかりと噛み合って初めて機能します。そのため、1つでもエレメントが「欠けている」という状態にあれば、それは修復不可能です。ファスナーごと全て取り替えます。

次に「上下左右」が揃っていなければいけないので、エレメントの列を上から見て、列を乱しているものがいればペンチなどを使って正しく直してあげましょう。

揃っていない状態で押し進めると、最初から噛み合わせがズレて、少しの力でその部分が外れてファスナー全体が総崩れ……となってしまいます。エレメントには問題がないようだったら、次にスライダーを疑いましょう。

スライダーの不具合を疑う

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スライダーは軽い金属で作られています。布地を噛んだり、何度も繰り返し使っていたりすると、金属が緩く広がり、エレメントを引き合わせる力がなくなってきます。

こうしてエレメントがしっかりと噛み合わされず、スライダーを抜けて出てきたときにはもうファスナーは開いてしまっている……という現象が起こるのです。

対処法はスライダーを締め直すこと。まず、「どこ」を締めるか。スライダーには「入口」と「出口」があります。

入口…エレメントを引き込む役割
出口…エレメント同士を引き合わせる役割

そもそもスライダーにエレメントが入らない場合は「入口」も閉めた方が良いのですが、そうでなければ「出口」だけを閉めましょう。

どこを締めるかは下の写真を確認にしてみてください。

ファスナーは軽い金属で作られているため、とても変形しやすいです。ラジオペンチを使って直せますが、力をかけると締まりすぎしまい、スライダーが動かなくなることが。硬さをこまめに確認しながら作業を行ってください。

ファスナーが生地を噛んでしまった場合

布を噛んでしまった場合、無理に引っ張ってみてもビクともしません。動いたとしてもそれはファスナーが破壊されたときですね。無理やり動かすのはメリットが1つもないので、正しい方法をここで学んでおきましょう。

柔らかい生地の場合

綿や化繊などの柔らかい生地はほぼこの方法で生地を取り出せます。生地をゆっくりと横(ファスナーと水平方向)に伸ばすように引っ張ります(下図)。

水平方向を意識しないで上下に引っ張るともっと生地が食い込んでいってしまうので、必ず「水平方向」を意識しましょう!

硬い生地の場合

ジーンズやキャンバス地のような硬い生地は、水平に引っ張っても隙間が開かず、手で引き出すのには限界があります。なので道具を使って「隙間」を作ります。

作業に入る前にドライヤーを当てて温めておくとスムーズ。ファスナーが少し柔らかくなって動かしやすくなります。

そのあと定規マイナスドライバーなど、薄く平べったい、ある程度の硬さがあるものを生地とファスナーの間に挟んで隙間をつくって、そこから生地を取り出します。

錆びてる場合があります

上の方法でやっても食い込みがうまく取れなければ、ファスナーが古くなり、錆びてしまっているのかもしれません……。ミシン油やサラダ油など、油分を2〜3滴落としてチャックの滑りをよくしてから、もう一度生地を取り出してみましょう。

ファスナーが滑らなくなった場合

次に、ファスナーに見られる別のアクシデントが、スライダーが突然動かなくなるという事象です。

まず最初は「逆方向に動かしてみる」です。これが意外と功を奏することが多いです。無理に動かそうとするのではなく、一度逆方向に戻してみてください。

2つ目は潤滑油を使って滑りを良くする方法。先ほどもお伝えした通り、長く使ったファスナーは錆びてしまっていることがあります。

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専用の潤滑油がなくても、リップクリームが代替品になりますよ!

綿棒にリップクリームを塗りつけ、両側のエレメントたちにつけるだけ。リップクリーム以外にワセリン、固形石鹸も代替品として使えます。

ファスナーが外れてしまった場合

スライダーが両方にエレメントにかかっているのが基本状態ですが、スライダーが緩くなり、片方のエレメントから外れてしまった、ということもありますよね。その場合は、「スライダーを広げる」「止め金具を外す」の2つの方法が。

スライダーを広げて噛ませ直す

高価でないファスナーであれば、ドライヤーで温めてからマイナスドライバーでスライダーを広げ、エレメントを噛ませてペンチでしめる、という力技ですが効果的な直し方があります。

ただ、やはり広げすぎて金属が弱ってしまったり緩くなってしまったり、という可能性もあるのでご注意を。

止め金具を外す

最終手段は「止め金具を外す」です。止め金具というのは、スライダーが抜け落ちないように止めているエレメントの一番下の部分。この部分をペンチで外しましょう。ものによっては縫い込まれているので、縫製を解いてから外さなければなりません。

止め金具を外せば、下から噛ませることができます。スライダーを噛ませて止め金具をペンチなどで付け直せば完了です。

ファスナーを自分で直せない場合ってどんな時?

自分で直す方法は分かりましたが、プロは修理や交換に出すべき基準をどのように考えているのか、今回はカバンのファスナーを交換するべき基準を聞いてみました!

レザーインクルースさん(広島県)

布部分が破れている。 爪部分が壊れている。 そもそも噛み合わない。 等が目視でわかればその時点で交換かと思います。 ただ、ファスナー部分の異常が出ている時点で何かしらの問題があるのは事実ですので、少しの延命策は修理する側としてはあまりお勧めできません。

レザーリペア杉(埼玉県)

ファスナーの場合、80%以上は交換でないと直らないケースがほとんどです。 テープが切れていたり務歯が取れたり曲がったりしていれば間違いなく交換になります。

なるほど……共通して言えるのは、目に見えて破損していればそれが修理をお願いすべき基準、ということですね! 特に大事なカバンなどであればプロにお願いするので間違いなさそうです。

ファスナーを自分で修理するのは心配…

ペンチやマイナスドライバーなどを使って、金属を広げたり……となると壊しそうで心配という場合は、プロにお願いするのが確実でおすすめ。洋服の場合、お直しのメニューの中にファスナー交換があります。

スラックスやスカートのファスナーは2,000円〜で交換してもらえますよ! 1着買い換えるよりはだいぶお得ですね。

スーツケースや鞄のファスナーの修理は、洋服と比べて高くなります。鞄のファスナーの場合、スライダーだけの交換はおおよそ2,000円ぐらい、ファスナー全体の交換となると1箇所10,000〜20,000円ぐらい。

プロによるファスナーの修理は人件費がかかるので少し値段が高くなってしまいますが、大切なもの、高価なものは、お手入れも兼ねて修理屋さんにお任せするのが良いでしょう。

ファスナー?ジッパー?チャック?なんて呼ぶ?

これまでファスナーの修理方法を解説してきましたが、ファスナーとチャック、ジッパー? どれがどれだかわからなくて混乱してしまうこともありますよね。そこでおまけとしてその違いをまとめてみました。

実はどれも同じものを指しており、呼び方が異なるのは地域による差なのです。個人的に「チャック」と呼ぶことが多かった理由も、日本人だからなのかもしれません。

まとめ

ペンチで曲げるーと聞くと、経験がない方は不安に思うでしょう。でも、かなり簡単だったりします。こう、ぐいっと……言葉で説明するの無理ですねこれ。実際に試してみるのが早いでしょう。なに、もともと壊れているのです。安心してやっちゃいましょう。

どうしようもなくなったら、リペア屋さんに出して付け直してもらえるから大丈夫!

※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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