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更新日 :2024年06月03日

ドライクリーニングとは?メリット・デメリットや自宅でできる洗濯マークの見分け方

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ドライクリーニングとは、油性の有機溶剤を使うクリーニング方法。油性の汚れを落としやすいことや、水を使わないため衣類のダメージを抑えられるのがメリットです。この記事では、ドライクリーニングのメリットやデメリット、「ドライクリーニングって自宅の洗濯機で洗える?」などの疑問にお答え。洗濯表示マークを確認して適切なお手入れをしましょう!

ドライクリーニングとは?どうやって洗うの?

ドライクリーニングとは、水を使わないクリーニング方法。油性の揮発性有機溶剤を使って衣類を洗濯する仕組みです。

ドライクリーニングの起源については諸説ありますが、19世紀ごろにフランスで油で汚れが落ちることが発見されたのが始まりと言われています。

これにより、水洗いをすると縮みやすいウールやシルクなどの天然素材を使った衣類も、キレイに洗い上げることが可能になりました。

ドライクリーニングと水洗いクリーニングの違い

 

特徴

対象の衣類

ドライクリーニング

油が原料の溶液を使用する方法

コート、ジャケット、ネクタイなど水洗い不可の衣類

ウェットクリーニング

特殊な技術を用いた水洗いクリーニング

・水洗い可能な衣類
・水溶性の汚れが付いた衣類

ランドリー

温水に専用洗剤、アルカリ剤などを加えて洗う方法

ワイシャツやシーツなど水に対する耐久性が強いもの

特殊クリーニング

上記3種類で洗濯できない衣類に用いられる方法

和服、革、毛皮製品、カーペットなど

クリーニング店で行われる洗浄方法は、ドライクリーニングのほかにウェットクリーニングランドリー特殊クリーニングの4つに分けられます。

それぞれ、洗浄方法適した衣類や素材が異なるのが大きな違い。クリーニング店では、洋服の素材や汚れに応じて洗濯方法を選んでいます。

参考:全国クリーニング生活衛生同業組合連合会

【洗濯表示マーク】ドライクリーニングの見分け方

ドライクリーニングに適した衣類かどうかは、洗濯表示に注目してみましょう。

丸のなかに「ドライ」や「P」「F」が書かれているものを、ドライクリーニングマークと呼びます。

このドライクリーニングマークのほかに、洗濯桶に×印が書かれた「水洗い不可マーク」がついている場合は、クリーニング店でのお手入れが必要になります。

ほかにもシルクやカシミア、革、再生繊維のキュプラのような自宅での洗濯が難しい素材の服や、失敗したくない大切な衣類はクリーニング店にお任せするようにしましょう。

洗濯表示や洗い方で迷った際は、洗濯表示を解説している記事も参考にしてみてくださいね!

ドライクリーニングはどんな溶液を使う?

・パークロロエチレン:油汚れを落とす力が強い
・石油系溶剤:油汚れを落とす力は弱め、デリケートな素材の衣類向き

ドライクリーニングでは、主に「パークロロエチレン」という金属の洗浄などの目的で工業的に生産されている化合物と、「石油系溶剤」の2種類の有機溶剤が用いられており、衣類の素材や汚れによって溶剤を使い分けています。

ちなみに洗濯表示の「P」は、「パークロロエチレン及び石油系溶剤によるドライクリーニングができる」という意味。

そして「F」は「石油系溶剤によるドライクリーニングができる」という意味で、洗濯表示から使用できる溶剤を確認できます。

フッ素系溶剤という種類もありますが、油汚れを落とす力が弱いことや、ボタンや樹脂素材はダメージを受けやすいことなどから、あまり使用されていないようです。

クリーニング店によって使用している溶剤が異なる場合があるので、依頼する際に確認してみるのもおすすめです。

ドライクリーニングのメリット

・油脂性の汚れが落ちやすい
・型崩れや縮みを防ぐ
・デリケートな生地も洗濯しやすい
・元々の風合いを保てる

ドライクリーニングの主なメリットは油性汚れが落ちやすいことや、衣類の型崩れ、縮みが起きにくいこと。それぞれ詳しく解説します。

油性の汚れが落ちやすい

▼油脂性汚れの例
・皮脂
・化粧品
・チョコレート、食用油、バター
・油性インク

ドライクリーニングは、水洗いでは落としにくい油性汚れを落とすのに向いています。

そのため、衣類に付着した油染みや化粧品インクなどの汚れを溶かして落とせるのがメリットです。

デリケートな衣類の型崩れや色落ちを防ぐ

ドライクリーニングは水を使わないため、デリケートな衣類の縮みや型崩れ、色落ちが起こりにくいのがポイント。

シャツやブラウスなども、シワやヨレがなくパリッとした状態に仕上がります。

カシミアやレーヨンのような型崩れや縮みの心配がある素材も、ドライクリーニングなら水洗いの負担を減らせるため、元々の風合いや美しさを保ちやすいのがメリットです。

ドライクリーニングのデメリット

・水溶性の汚れを落としにくい
・有機溶剤の臭いが残ることがまれにある

油汚れを落とすのが得意なドライクリーニングですが、苦手とする汚れもあります。ドライクリーニングの主なデメリットについてもチェックしてみましょう。

水溶性の汚れ落としは難しい

▼水溶性汚れの例
・汗
・コーヒー、お茶
・しょうゆ
・アルコール

ドライクリーニングは、水溶性の汚れを落としにくいという特徴があります。

このような水溶性の汚れが付いてしまった場合は、クリーニング前に薄めた中性洗剤で部分洗いや染み抜きをしておくとよいでしょう。

まれに石油系有機溶剤の臭いが残る

クリーニング後に袋を被せた状態で長期間衣類を収納しておくと、使用した石油系の有機溶剤の成分により、臭いが残ってしまうことがあるので気をつけましょう。

【自宅で水洗いできる?】ドライクリーニングマークの衣類の洗濯方法

「P」や「F」などのドライクリーニングマークは「ドライクリーニングができる」という意味で、「ドライクリーニングをしなきゃいけない」という意味ではないのがポイント。

洗濯表示をチェックして、ドライクリーニングマークのほかに手洗いマークや洗濯機マークがついていれば、自宅の洗濯機でも洗うことが可能です。

▼洗濯機を使った洗い方
1. 衣類のファスナーやボタンを閉じて洗濯ネットに入れる
2. 洗濯機で「おしゃれ着コース」「手洗いコース」などで洗う
3. 急激な乾燥によって縮みを防ぐために陰干しを行う

自宅でドライクリーニング表示がついている洋服を洗濯する手順を上記にまとめました。

洗濯機を使用する場合はおしゃれ着専用の洗剤や柔軟剤を使い、衣類のサイズにあった洗濯ネットに入れることで型崩れや繊維の傷み、縮みを予防しやすくなります。

また、洗濯物を干す際は平干しにすることでも型崩れを防げます。

こちらの記事では、デリケートな洋服の洗濯におすすめのおしゃれ着用洗剤をご紹介しているので、合わせてチェックしてみてくださいね。

【Q&A】ドライクリーニングに関する質問

ドライクリーニングに関する気になる点や注意点など改めてまとめました。「水洗い不可の衣類を洗濯してしまった!」というトラブルを防ぐために、ぜひ参考にしてみてくださいね。

Q. ドライクリーニングってどうやって洗うの?

A. 水を使わずに有機溶剤を使って衣類を洗浄します。

水や洗剤の代わりに有機溶剤を使って洗濯を行うことで、油性汚れを落とすことが可能です。

Q. ドライクリーニングは水を使わないの?

A. 石油などを原料とした有機溶剤を使います。

ドライクリーニングで使う有機溶剤は油の一種で、溶剤を使って衣類の汚れを落とします。

大きく分けて「パークロロエチレン」や「石油系溶剤」などの種類があり、クリーニング店は、汚れや洋服の素材によって使い分けています。

Q. ドライクリーニングの欠点は何?

A. 水溶性の汚れは落としにくいのがデメリットとして挙げられます。

汗やアルコール、しょうゆなどによる水溶性の汚れは落としにくいという特徴があります。

そのためクリーニング店では、デメリットを補うために汗抜き加工をオプションとして組み合わせて対処する方法もあります。

Q. ドライクリーニングマークの服を自宅で水洗いしたらどうなる?

A. 衣類の型崩れや縮みの原因になるので注意しましょう。

ドライクリーニング表示がある衣類でも、水洗い可能マークがついているものや水に対する耐久性がある素材は自宅で洗濯が可能です。

シルクやカシミアのような水に弱い素材を水洗いすると、型崩れや縮みが起きてしまうので、洗濯表示と素材を確認してお手入れをすることが大切です。

Q. ドライクリーニングの料金は?

A. 一般的に、カジュアルシャツ・ブラウス、スカートは825円〜、ジャケットは1,760円〜となります。

スーツやスカートなど衣類の種類や素材、クリーニング店舗によって料金は異なるため、事前に店舗に確認しましょう。

※2024年5月時点での編集部調べによる税込価格の目安

大切な洋服はドライクリーニングを業者に依頼しよう

油性の有機溶剤で衣類の油性汚れをやさしく落とせるのが、ドライクリーニングの特徴。

洗濯表示をよく確認して、ドライクリーニングマークのほかに水洗い可能なマークがあれば、自宅でのお手入れもOKです。

大切な衣類を長持ちさせるために、ドライクリーニングのメリットやデメリットも把握して、適切なお手入れをしましょう。

クリーニング業者選びに困ったら、ユアマイスターの宅配クリーニングを活用するのもおすすめです。

ドライクリーニングとウェットクリーニングの違いや、クリーニング店で依頼する際のポイントなども解説しているので、参考にしてみてくださいね。

※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
※本記事に掲載する一部の画像はイメージです。
※本記事の内容の真実性・確実性・実現可能性等については、ご自身で判断してください。本記事に起因して生じた損失や損害について、編集部は一切責任を負いません。