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更新日 :2019年11月07日

ミンクオイルの使い方を知ったムンクは面くらって文句なしに叫ぶ!!

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冒頭から失礼なことを言うかもしれませんが、ミンクオイルの使い方を調べないと分からない間はまだ使わないことをお勧めします。

ミンクオイルは確かにとても優秀な油ですが、他のオイルでも不都合が無いのも事実。そのうえ非常に繊細な扱いが要求されるものなのです。

軽はずみに使うとぐでんぐでんの革になるので、くれぐれもご注意を。

それとこの記事を読む前に1つ。

常識は捨ててからご覧下さい。

ミンクオイルとは

ミンクオイルそのものや、革への作用を書いていきます。結果しか知らなくていいなら、ここは飛ばしていいでしょう。

ミンクって?

ミンクオイルは動物の『ミンク』から取れる皮下脂肪のことです。毛皮と内蔵の間にある油だけを抽出して使っているわけです。

ミンクはイタチの仲間で、日本では狩猟獣指定されて猟師さん達の家計を支えています。生態系壊すタイプの外来種だからシカタナイネ。

どう性能がいいの?

革靴なんかにオイルを塗るのは、革に油分が足りなくなったときです。つまり、より性能がいいオイルとは油分の吸収率が高いもの。

そこで注目されたのがミンクオイル、というわけです。

 

ちょっとコアな説明をしますと、表面張力の話になります。
しずくが丸くなったり、コップに入れた水の端が引っ張られるアレです。

油を含めて液体になるなら表面張力を持っているのですが、ミンクオイルは他の油と比べると極端に張力が弱いのです。

表面張力を分かりやすくすれば『液体がどれだけ引っ付くか』みたいなものです。あまり引っ付かないミンクオイルは、革を構成する繊維とか細胞とかの間をするする抜けて奥まで染み込みやすい。
だから優秀だと言われているわけです。

乳化性クリームとは何が違う?

ここまで、ミンクオイルについて説明してきました。

もともと革靴につやを出すために作られたミンクオイルですが、乳化剤クリームとは何が違うのでしょうか?

決定的な違いは、自然由来か化学製品かです。

ミンクオイルは、良さも悪さもあわせもった「自然由来」のアイテムなんです!

ミンクオイルはシミになりやすい

ミンクオイルも乳化剤クリームも、革に馴染み、光沢を出すと言う意味では働きは同じです

しかし、ミンクオイルは、着けすぎるとシミになるという欠点が!

自然由来のオイルですから、自然由来の皮には浸透しやすいのです。

油分が多いので皮を柔らかくしますが、適量にしないと、カビやシミの原因となります。

それだけ革への浸透率が高いということです!

乳化性クリーム&防水スプレーで代用可能!

正直、純粋のミンクオイルは高価です。

保存方法も、使い方も慣れていない人にはなかなか難しく、初心者の方に自信をもってオススメできるアイテムではないのです…。

そこで、同じような効果を持つ乳化性クリームや防水スプレーを使って、革のお手入れをするのもオススメです!

乳化性オイルも、化学物質だけで作られているものばかりではありません。
自然由来の成分にこだわった優しいクリームももちろんあります。

ツヤについても、言うまでもなく自然な光沢感を得ることができます!

なにより、ミンクオイルよりも値段が安く、保存方法も簡単なんです。

ほどほどの皮であるならば、ミンクオイルを使わなくても、乳化剤クリームでお手入れ可能ですよ!

使ってはいけない例など

ミンクオイルは優秀ですが、それ故に使いどころが難しいものです。しっかりと見極めて、いずれはマスターできるようにしましょう。

 

使うべきではないもの

薄い革製品
染み込みやすいので、薄い革だと過剰になりやすいのです。

特殊コーティングされているもの
染み込むものも染み込みません。

固さが大事なもの
油分は革を柔らかくします。ピシッと決めたい革靴なんかは不向きかも?

柔らかさがちょうどいいもの
上と同じ理由です。使い慣れたものをデロデロにするのは避けたいところ。

合皮
革じゃないので書くまでもないですね?合皮はそもそも長期使用を想定されてないので、手入れができませんし。

 

使ってはいけない方法

ちょっと古い常識にとらわれていると、ここで納得ができないかもしれません。ちょっと頭を柔らかくして読んでください。

何貼ってるんだって? ミンクオイルを使ったシャンプーですよ。
頭皮だって『かわ』じゃないですか。文字どおり頭を柔らかく、なんちゃって。

NG1. たっぷり塗る
塗れば塗るほど革は柔らかくなります。皮膚みたいに柔らかい革財布とか嫌です。

 

NG2. 防水に油を使う
確かに油は水を弾くでしょう、でもそれ防水スプレーでいいじゃないかと。
そもそもですね、革は水が天敵みたいな話がまかり通ってますが革にも水分は必要なんです。油で撥水させようとすると小さな隙間も塞ぎかねないので、結果悪影響になりやすいのです。

 

NG3. こまめに塗る
毎日使っていても1週間に1、2回で充分です。

いくら塗っても革に栄養はいきません。切り取った腕に「これは生きてるんだ」って言ってるのと同じなのですよ。

 

NG4. より良い性能のオイルを求める
革の種類に適した油をチョイスしましょう。染み込みすぎると良くないことの方が多いのが革の難しいところ。

ミンクオイルの使い方

それでは本題です。といっても書くほどのことじゃないんですけどね。

 

手順
1
ミンクオイルを少量取る

ほんとに少しでいいです、たりなければ足せばいいので。オイルは液体……クリーム状に近いものが扱いやすいでしょう。

 

2
革製品にうすーくのばす

ムラが無いように、かつ厚く塗りすぎないように。

 

3
1日寝かせる

染み込んでいくのを待ちましょう。この間は当然靴を使えないので、予備を用意しておいた方がいいかも?

 

4
しっかり拭き取る

残るとどうなるか? そこだけふやけて、動物性油が腐り始めるだけです。

そんなことにならないように、ミンクオイルの取り扱いには注意してくださいね!

まとめ

手順だけ見ればとっても簡単に思えるミンクオイルですが、その性質を知らずに使うと取り返しがつかなくなります。
なので長々と前置きをすることで注意を促しましたが、効果が出ていればいいなーと思う僕でした。

まだ自分には荷が重いなと思った皆様も、自分なら使いこなせると思った皆様も、お持ちのレザーたちを丁寧に扱ってあげてくださいね。

 

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