「身だしなみは足元から」とよく言いますよね。
革靴にこだわりがあって、最近お気に入りの靴を買ったから、もっときれいにしたい!
ちょっと気合いを入れたい日があるので、いま持っている革靴でカッコよく見せたい!
なんて思っている方も多いはず。
そんなあなたにおすすめしたいのは、靴を上品に光らせてくれる鏡面磨きです。
そこで、鏡面磨きとは何ぞや?というところから、くわしい鏡面磨きのやり方まで、紹介します♪
鏡面磨きのひと手間で、お気に入りの靴がもっと特別になるはずです!
目次
「鏡面磨きってなんだ…?」と思われた方がいらっしゃると思います。
特殊な言葉ではないのでご安心を。
「鏡面磨き」とはその名の通り、自分の顔が映り込むほどに、靴のつま先部分やかかとをピカピカに磨き上げることを言います!
革靴は動物の革でできているので、人間の皮膚と同じように毛穴があります。
そこへワックスを何層にも重ねて塗り込んでいくことで、きれいな輝きが生まれる、という仕組みです。
「鏡面仕上げ」、「ハイシャイン」、「ミラーシャイン」などと呼ばれることもあります。
靴磨き職人の手にかかれば革靴が見違えるほど綺麗になりますよね。
あの状態にするのがまさに鏡面磨きです!
それを自宅でやるのは簡単とはいえませんが、できたらいいと思いませんか?
さあ、チャレンジです!
鏡面磨きをする前に、あなたの靴、汚れていませんか?
汚れがついている上から鏡面磨きをしても、うまく輝かなくて失敗してしまいます。
前回のお手入れから1ヶ月くらい経っているなら、ちゃんとお手入れをしてから鏡面磨きに入りましょう。
・馬毛ブラシ
・クリーナー
・靴クリーム
・クロス
まずは馬毛ブラシでブラッシングをして、ホコリをとっていきます。
ここでちょっと簡単にブラシの説明をしますね!
靴磨きのブラシには、主に馬毛ブラシと豚毛ブラシがあります。
馬毛ブラシは少し柔らかめの毛なので、ホコリをふわっと取る時にぴったりです。だからここでは馬毛ブラシを使っているんです!
一方で、豚毛ブラシは馬毛と比べて少し硬めの毛。
こっちはクリームを塗る時に適しています。
クリーナーを布につけます。
そうしたら、クリーナーが靴に馴染むように、優しく拭いていきましょう。
革靴のお手入れでとっても大切なのが、保湿。
保湿をしないと、革がどんどん乾燥してしまって、傷んでしまいます。
靴の色に合わせたクリームで、しっかり潤いを与えてくださいね!
最後にクロスで磨きあげたら、お手入れ完了です。
お手入れができたら、いよいよ鏡面磨きです!
実際にワックスを塗り始める前に、覚えておきたい2つのポイントがあります。
しっかり抑えて、鏡面磨きを成功させましょう。
・つけるワックスの量はほんの少し
クロスにワックスをつける際、失敗しやすいのがワックスの量です。
鏡面仕上げには、ほんのやさしい力でワックスの表面をなでる程度の量が適量!
足りないかな? と感じるくらいの量を心がけましょう。
・磨くのはつま先とかかとのみ
靴を美しく輝かせてくれる鏡面仕上げ。つい全体を磨き上げたくなりますよね。
先ほど、しわの部分へワックスを塗り込むのは厳禁とお伝えしましたが、つま先やかかと以外の場所もワックスを塗ってはいけない部分です。
靴の構造上、つま先やかかとは芯が入っていて硬い部分ですが、その他の部分はしなやかに曲がります。この曲がる部分へワックスを塗ってもすぐに割れてしまったり、汚くなったりしてしまうため、避けるようにしましょう。
鏡面仕上げは完成した時が嬉しい反面、時間がかかるというデメリットがあります。
そんな時には、ワックスを素早く定着させる裏技を使ってみましょう。
仕事が忙しい方も、片足15分以内でできる方法で、賢く終わらせちゃいましょう
鏡面仕上げはクロスを使用する場合が多いのですが、実は指の方がワックスをきれいに薄く塗れます。直接指で触れることで、靴の凹凸を感じやすくなり、必要な部分にピンポイントで塗りこめます。
鏡面仕上げで時間がかかるポイントは、ワックスを乾かす工程です。
そのため、指でできるだけ薄くワックスを塗ったら、右つま先、右かかと、左つま先、左かかと、のように次々と塗り進めていきましょう。左右同時に進めることで、時間を大幅に短縮できます。
事前に数日間、ワックスのフタを開けておき、乾燥を促しておくのも良い方法です。
短時間で仕上げるなら、塗るワックスの層は6層くらいにしておきましょう。
理想の光沢を目指して、水でしっかり拭き上げたら短時間での鏡面仕上げが完成です。
鏡面仕上げは、ワックスを薄く塗る→放置してから水1滴たらして磨きあげる、が基本です。この工程を繰り返せば繰り返すほど、ピカピカになっていくのですが、光らせ過ぎるのも考え物。
ワックスの層を重ねすぎてしまうと通気性が悪くなってしまいます。
通気性が悪くなると、靴が傷みやすくなったり、臭いの原因になったりするため、注意しましょう。
自宅ではピカピカに見えても、外で見たらテカり過ぎ……という失敗もあるため、好みの光り具合を事前にたしかめておくと安心です。
鏡面磨きは、確かに自宅で行うには少々ハードルの高いですよね。
でも大切な革靴は、お店に任せるのではなくて、自分でもきれいにできたらいいな~、という方には、ぜひ挑戦していただきたいです!
・シューツリー
・ローション
・ワックス
・クロス
・スポイト
おすすめの商品はこちら。
普段から、汚れやほこりを落とすのに使えるムートンクロス、クリームを塗る用と汚れ落とし用の2種類ブラシがセットになった商品。
クリーム、ポリッシュも付いてきます。汚れ落とし、鏡面磨きがこれで1つできます。
あと、ワックスの種類をもっとみてみたい!という人は、ぜひこちらの記事を読んでみてください。
この記事の「油性ワックス」の部分に、職人さんが実際に使っているワックスが載っています。
とても参考になりますよ!
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靴にシューツリーをはめて形を固定し、磨きやすい状態にします。
こちらのシューキーパー、天然木100%のアロマな香りで靴の脱臭・消臭・防臭に効果があります!革靴を高級に見せ、長く綺麗に使いたい方はおすすめです!
みなさんのイメージするようなワックスを塗りこむ作業に入ります!
この時、クロスはしっかりピンと指に巻き付けることが重要です!
包帯やテーピングを巻くようなイメージでしっかり巻き付けましょう。
しわが寄っていると失敗の原因になってしまいます…。気を付けてください!
指に巻いたクロスは少し湿らせてから、ワックスを適量とります。
湿らすのは、クロスが油分であるワックスを吸収するのを防ぐためです。
あくまで湿らす程度で、濡らすことのないようご注意ください。
仕上げたい部分にまんべんなく、優しく円を描くようにワックスを塗り込んでいきましょう。力を込めずに撫でるようなイメージです。
表面の凸凹をワックスで埋めていくようにすると上手くいきます。
ここで一つ注意して欲しいことが。
革靴には履きじわがありますよね。ワックスを塗るのは、しわの手前までにしておきましょう。
しわのある部分に塗り込んでしまうとひび割れの原因になってしまいます。
ワックスの主成分はロウなので、塗り込みすぎると通気性が悪くなり、革が硬くなってしまうのです。
こうして塗り込むのを2〜3回繰り返します。
塗り終わりの目安としては、表面が白くツヤのない無い状態までです。
これが終わったら、3分ほど放置して乾かします。
そうすることで、表面に膜ができるので次の作業がしやすくなります。
実はここからが鏡面磨きの本番です!
まず水を一滴垂らします。(スポイトのようなものがあるとやりやすいかもしれません)
この水でワックスの伸びをよくしながら磨いていくわけです。
先ほどまでと同様に、優しく円を描くように塗り込んでいきます。
ポイントとしては指先で文字を書くような角度で塗り込むといいでしょう。
力を入れて磨いてしまうと、せっかく先ほど作った膜が剥がれ落ちて、輝きにムラが出てしまうなど残念な仕上がりになります。
ひたすら、ゆっくり、じっくり、丁寧に磨くのが近道です。
水滴を垂らし、磨くという工程を納得いくまで繰り返します。
地味で忍耐力のいる作業かと思いますが、職人さんでも20分ほどはかかるという作業なので諦めずにしっかりと磨いてください。
根気強くやっているとしっかりと光沢を帯びてきます!
ここまで鏡面磨きの方法を紹介してきました。
でも、鏡面磨きってどのくらいの頻度でやるのかな?履くたびに磨かなくちゃいけないなら、ちょっと面倒くさいな…。
なんて思ってしまったあなた。
安心してください!
鏡面磨きは、輝きがなくなってきたな〜と思ったら、でいいんですよ♪
これならできそうですよね。
でも、汚れを落としたり、クリームを塗ったりする普段のお手入れは、月に1回の頻度で必ずです!
しっかりお手入れをして、きれいに保ってくださいね。
ここまでの工程で、革靴は十分に綺麗な仕上がりになったと思います。
しかし、さらに綺麗に仕上げたい!という方……
まずは、5分ほど休憩してください♪
休憩時間を挟んでから今までの作業をもう一度行いましょう!
作業は地道に繰り返すしかありません。
でも、作業自体は難しいことはないですし、効果が確実に出ます。
大切な相棒のため……頑張ってください!
繰り返して、重ね塗りをすることによって、確実に更なる光沢を得られます!
ここまでやったあなたはすごい!
自信を持ってその革靴を履いて行きましょう♪
また、革靴は普段から手入れをすることによって綺麗に保てます。
なんと、洗うことだって可能なんですよ!
どうやって洗うのか気になる!!?という方は「革靴の洗い方を解説!臭いの落とし方と普段の手入れ方法とは?」を読んでみてください!
いかがでしたか?
鏡面磨きは、たしかにちょっと根気と時間のいるお手入れ。
ですがその分、見事に鏡のように仕上がった時の喜びは格別なものですね。
上品に光る革靴を履くことができたら、きっと毎日の生活がより楽しいものになるはず。
20分の忍耐と一滴の水を大切にして、丁寧に鏡面磨きをしてみてくださいね♪
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