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更新日 :2018年10月12日

仏壇・仏具のお掃除は漆と金の水拭きNG!筆で優しくホコリを落とす

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日本には、お盆やお彼岸など、亡くなった方を偲ぶ風習があります。
そういう時期はお墓参りに行ったり、お仏壇を拝んだりする方も多いと思います。

と、ここでふと疑問。
「仏壇って掃除どうするの?掃除していいの?」

結論からいくと、仏壇は自分でお掃除できるし、たまにはしたほうがいいです。
お掃除をするのは、仏壇本体と仏壇の中に入ってる仏具です。
仏具とは、お位牌(おいはい)や木の棒でたたいて鳴らすおリン(かね)などのことを言います。

仏壇は、湿気によってカビが生えてしまうことが多いです。
そのため、なるべく天気のいい日にお掃除しましょう。

それでは、仏壇のお掃除の方法をていねいに解説していきます!

仏壇には2種類ある!

仏壇のお掃除には重要なことが1つあります。
それは仏壇の種類

仏壇はいろいろなものが売られています。
その中でもいわゆる大きな「仏壇」は大きく2つに分かれます。

それが「金仏壇」と「唐木仏壇(からきぶつだん)」です。
この2種類の仏壇は、お掃除の仕方やお掃除できるところが違います。

金仏壇

上の写真の左が金仏壇。
金仏壇は、金箔金粉で装飾されています。
多くの場合、漆塗りがされている仏壇です。

金仏壇のは、はがれやすくによってさびやすいです。
で拭き跡が残る場合があります。

皮脂指紋も跡が残ってしまいます!
金仏壇は、掃除を慎重にしなければいけません。

掃除できる箇所が少ないです。
ホコリと汚れを注意深く落とします。

 

唐木仏壇

上の写真の右が唐木仏壇
唐木仏壇は、でできている仏壇です。

唐木仏壇は、全体が木でできているので、掃除できるところが多いです。
ただしカビになりやすいので、掃除に水は使ってはいけません。
ホコリと汚れを落とした後、全体を磨き上げます。

 

さて、お家の仏壇はどちらですか?
どちらの仏壇もお掃除に水を使ってはだめですよ!

 

仏壇のお掃除を始める前にしておく4つのこと

仏壇のお掃除する前にしておいたほうがよい、4つのことがあります。
1つ1つ確認していきましょう!

安全確認する!

仏壇を高いところにおいているおうち、多いと思います。

一回おろして掃除できるとよいのですが、なかなか難しかったり、かえってそっちのほうが危なかったりします。

はしごやいすなど、ガタガタしませんか?

足場に注意してください。

くれぐれも無理しないように!

 

ご挨拶する!

仏壇に祀られているご先様とご本尊様にご挨拶しましょう!

お掃除をするときには、仏壇の中にあるお位牌などの仏具を出したり、動かしたりします。

なんだか少し、気が引けますね。

ご先祖様とご本尊様に「今日はお掃除いたします。少しバタバタいたしますけれども、心を込めてお掃除いたします。」などとお断りを入れ、手を合わせると気持ちがすっきりするでしょう。

 

写真をとる!

次に仏壇の写真を撮っておきましょう。
仏壇の中の仏具やお位牌をいったん出してしまうので、配置が分からなくなってしまうのを防ぐためです。

カメラやスマホが手元にないときは配置図をメモしておけばOKです。

 

湿気対策!

湿気はカビが生える原因となります。
仏壇は、天気のいい日にお掃除しましょう。

・窓を開ける
・除湿器をかける
・サーキュレーター(ミニ扇風機のようなもの)を回す
など湿気の対策をするといいですよ。

 

金仏壇のお掃除

金仏壇のお掃除の仕方を紹介していきます!
金仏壇のお掃除に重要なのは、濡らさないことと金色の部分に触れないように慎重にすることです。

漆に水分が触れると、跡が残ってしまいます。
また、カビが生えることもあります。
絶対に濡らさないようにしましょう。

金色の部分には、金箔が張られています。
ちょっとのことで取れてしまうので、ここには触れません。
お掃除もしません

この2つに気を付けてお掃除していきましょう。

用意するもの

・手袋
・新聞紙

・仏壇掃除用の
仏具店などで買えます。ふわふわぁ~。

これはちょっと高価でいいものですが、その分ふわふわぁ~。優しくお掃除できます。繊細な小物なんかのお掃除にも使えるので、1本持ってても、いいかもしれません。

・仏壇用の柔らかい布

・使いすての化学ぞうきん (どうしても汚れが取れない時に!)
ホームセンターなどで売っています。
紙状なので切って使えて、が必要ありません。
水が使えない仏壇のお掃除にピッタリ!なのですが、成分によっては漆を痛めてしまうんですね。
漆を塗った仏壇にも使える仏壇用のものがおすすめですが、なるべく使わないほうがいいかもしれません。
汚れがどうしても取れない時だけ使いましょう。

 手順  

1. 軍手など手袋をつける
軍手など手袋を必ずつけます。
金仏壇に皮脂や汗、指紋を絶対つけないようにしましょう!

 

2. 中の仏具を全部外に出す
仏壇の中にある仏具を取り出して、新聞紙の上などにおきましょう。

出してよいのは、
・燭台
・仏飯器(ぶっぱんき)…ご飯を備える器
・お位牌(おいはい)
・おリン(かね)
・香炉
など、簡単に移動できるものです。

一方、
・吊り灯籠(つりどうろう)
・瓔珞(ようらく)…仏壇の天井からつるされてる飾り
などの、取れないものは無理に外さないようにしましょう!
壊れてしまいます。

無理に動かすと、うっかり仏壇の金箔をはがしてしまうので、注意してくださいね。

仏具のお手入れは、のちほど説明しますね♪

仏壇自体があまり汚れてない方は、仏具のお掃除だけをして終わりにしちゃいましょう。
ここから先のお掃除は、とても慎重にやらなくてはいけません。

 

3. 漆部分だけホコリと汚れを落とす
漆でできている部分のホコリと汚れを落とします。

・仏壇の一番上の張り出している笠(かさ)と呼ばれる部分
・扉の外側、扉の内側のフレーム部分
・下の台の部分
くらいが掃除できる場所になると思います。

金箔や金蒔絵など金色の部分は、壊れてしまうので絶対に触れないようにしましょう。

筆で軽く上から下へホコリを落とします。
汚れがひどいところは、柔らかい布で拭き、それでもダメなところだけ化学ぞうきんを使って拭きましょう。

 

4. 仏具を元の場所に置く
お手入れした仏具を、写真やメモの通りに元の場所に置きましょう。

 

これで金仏壇のお掃除は完了です!

掃除するところは少ないですが、慎重にやるの、大変ですよね。
お疲れさまでした!

 

唐木仏壇のお掃除

続いて唐木仏壇のお掃除の方法を紹介します!

唐木仏壇のお掃除は、用意するものがたっくさん。

用意するもの

仏壇のお掃除をするとき以外にも活躍する場面がある便利なグッズが多いです。
買って損なしだと思います!

絶対に必要なもの

まずは金仏壇でも登場した3つ
・新聞紙
・仏壇掃除用の筆
・使いすての化学ぞうきん(どうしても汚れが取れない時に!

唐木仏壇は湿気があるとカビが生えてしまう可能性があるので、水は使わないほうが良いです。
しかし化学ぞうきんは艶にムラが出てしまうこともあるんです。
目立たない部分で試してから使うのがいいでしょう。

化学ぞうきんが使えない場合は固く絞ったぞうきんで拭き、なるべく素早く完璧に乾拭きしてください。
その後窓を開ける、扇風機をかけるなどして湿気対策をしましょう。

化学ぞうきんも普通のぞうきんもどうしても汚れが取れないところにだけ、使いましょう!

 

唐木仏壇だけで登場する4つ
・使い古したTシャツ、肌着などの柔らかい布
汚れをふくのに便利です。

 

・仏壇を磨くクリーム、または、市販の艶出し液
仏壇用クリームは仏具店などで売っています。

仏壇のみならず、家具やピアノなども驚くほどツルツルピカピカになると評判です。ツルツル過ぎてフローリングに使うのには危険なほどに。ただし木製品にしか使えませんよー!漆器で塗られた木製仏壇にも使えます!

 

・ロウ取り剤
仏具店で売っています。
ロウソクで垂れてしまったロウが取れます。

おすすめの商品

最も評判が良かったのが、この「ローカット ミニ」です。ロウがポロっと簡単に取れます。大容量の寺院用もあります。アロマキャンドルにも使えますね。

 

・金属磨き
仏壇の扉の取っ手などの金属部分や真鍮(しんちゅう)製の仏具などを磨きます。

おすすめの商品

昔ながらの定番。あきらめていた汚れやさびもかなり落ちます!金属のものなら何でも使えるので買っておいて損なしです!意外に多い用途は「車のライトなどのパーツ磨き」です。

 

あると便利なもの
その他に用意しておくと便利なものが4つあります。
・軍手やゴムの手袋
・使い古したストッキング
・毛ばたき
・綿棒

注意
彫刻細工のあるものにはNG!

毛ばたきや綿棒を彫刻細工のあるものに使うと、壊れてしまうことがあります。

  手順  

1. 中の仏具を全部外に出す
手袋を用意している方は、手袋をつけてからお掃除を始めましょう。
まずは、仏壇の中にある仏具を取り出して、新聞紙の上などにおきます。

出してよいのは、
・燭台
・仏飯器(ぶっぱんき)…ご飯を備える器
・お位牌(おいはい)
・おリン(かね)
・香炉
など、簡単に移動できるものです。

一方、
・吊り灯籠(つりどうろう)
・瓔珞(ようらく)…仏壇の天井からつるされてる飾り
などの、取れないものは無理に外さないようにしましょう!
壊れてしまいます。

ここは、金仏壇と同じですね。

 

2. ホコリを全体的に落とす
毛ばたきや筆を使って、ホコリをやさしく全体的に落とします。
上から下へホコリを落としていきましょう。

 

3. 笠(かさ)を掃除する
一番上の額のように出っ張った部分を笠といいます。
笠のホコリを、筆を使って落としましょう。
どうしても取れないしつこい汚れだけ化学ぞうきんなどで拭きましょう。

ホコリを落としたら、仏壇クリームや市販の艶出し剤を柔らかい布にとって磨きます。
円を描くように磨くのがコツです。

クリームで磨いたら、軽く乾拭きします。

 

4. 欄間(らんま)を掃除する
欄間は、笠の下の彫刻されていたり、ギザギザの部分。
彫刻のものは壊してしまう可能性があるので、筆でホコリをとるにとどめましょう。

縦にギザギザしている欄間は、筆でホコリを落とした後、仏壇クリームなどを柔らかい布にとって磨きましょう。
クリームが溝に入らないよう、縦方向に磨くのがコツです。

クリームで磨いたら、軽く乾拭きします。

 

5. 勾欄(こうらん)を掃除する
仏様がいる仏壇の中の台の上(上段といいます)についてる橋の欄干(らんかん)みたいな飾りが勾欄です。
外せるものは少し動かせば外せるので、外してください。
筆でホコリを落としましょう。

できるようなら綿棒に仏壇クリームなどをとって磨きます。
優しくやって無理に磨かないでくださいね。
できない場合は、軽く柔らかい布で乾拭きだけします。

勾欄を外せないものは無理に取らずに、筆でホコリだけとりましょう。

 

6. 上段と中段と前段を掃除する
上段は、仏様がいる仏壇の中の台の上です。
上段の下の段を中段、一番下の段を前段といいます。

上段と中段と前段のホコリを筆で落とします。

ホコリが取り切れないようなら化学ぞうきんなどを小さく切って拭いていきます。
そのあと、柔らかい布を小さくきり、仏壇クリームをつけて磨きましょう。

ロウソクのロウが垂れて汚れていた場合、ロウ取り剤でとりましょう。
ロウ取り剤はロウのついている部分にさっと吹き付けると、ロウがはがれます。

クリームで磨いたら、軽く乾拭きします。

 

7. 扉部分を掃除する
内側の障子の部分はデリケートなので、筆で優しくホコリを落とすだけにします。
木の枠の部分だけを仏壇クリームで磨くとよいですが、無理しないようにしましょう。

外側はホコリを落としたら、仏壇クリームを付けた柔らかい布で磨きましょう。

クリームで磨いたら、軽く乾拭きします。

 

8. 膳引き下台を掃除する
引き出し状の部分を下台といいます。
ぶつだ
その上の引き出せる板の部分はお供え物を備える、膳引きと呼ばれる部分です。
膳引きや下台は、引き出して、筆や化学ぞうきんで中を軽く拭きます。

表面部分は、ホコリを落とし、仏壇クリームなどを柔らかい布にとって磨きましょう。

クリームで磨いたら、軽く乾拭きします。

 

9. 仏壇の取っ手などの金属部分を磨く
金属部分でしっかりとしている、壊れにくい場所は金属磨きで磨きましょう。
金属磨きを柔らかい布につけて磨きます。
彫刻細工のようなものは、破損する可能性があるので、やめてください。

 

10. 仏具を元の場所に置く
お手入れした仏具を、写真やメモの通りに元の場所に置きましょう。

 

これで唐木仏壇のお掃除は終了!

それぞれのパーツは、最後にストッキングで磨くとピカピカになりますよ。
ただし、勾欄と金属部分にはしないでくださいね。

いろいろやることがあって、ちょっと大変でしたね……。
お疲れさまでした!

 

仏具のお掃除

仏具のお掃除もして行きましょう!

用意するもの

・軍手やゴムの手袋
・使い古したTシャツ・肌着などの柔らかい布
・ロウ取り剤
・スポンジ
・食器用中性洗剤
・仏壇掃除用の筆
・金属磨き

仏具のお掃除をするときも、手袋をしておくと安心ですよ。

 

燭台(しょくだい)

燭台に垂れたロウがついていたら、ロウ取り剤を使って落としましょう。
そのあと柔らかい布で拭きましょう。

 

茶湯器や仏飯器

茶湯器や仏飯器など陶器の仏具のお手入れは、普通のお皿と同じです。
スポンジに食器用の中性洗剤をつけて洗いましょう。

 

おリン

おリンなど、真鍮製の仏具には金属磨きを使います。
ホコリを筆で落としたら、柔らかい布に金属磨きをつけて磨きます。

 

香炉や花立(はなたて)

金属仏具のうち、
・黒っぽい色付け
・金メッキ加工
・セラミック加工
などを施してある仏具のお手入れは、柔らかい布で拭くだけにしましょう。

 

これで仏具のお掃除も終了です!

終わったら、仏壇に始めと同じく手を合わせましょう。
お仏壇のお掃除、お疲れさまでした!

 

まとめ

仏壇のお掃除は、いかがでしたか。
意外と用意するものもやることも多くて、正直、大変かも?

仏壇は彫刻細工などの壊れやすい部分が多く、優しく丁寧にお掃除することが大切です。
化学ぞうきんを上手に使ってください。

特に金仏壇は掃除できるところが少ないので、無理にやらないでください!
には皮脂は絶対につけちゃダメですからね。

あと、もちろん、掃除の前と後のご挨拶も忘れずに!
優しい気持ちで仏壇をきれいにできたら、ご先祖様もあなたもご家族もうれしいに違いありません。