レザーソファーのクリーニングならお任せ!革のプロによる修理を特集
リビングにある家具といえば、テレビやテーブル…そして、ソファー。
ソファーは、家族がくつろぐ大事なスペースです。
一度買えば、何年も使い続ける、大切な家具ですよね。
でも、最初はキレイなソファーでも、何年も使っていれば、ホコリが溜まったり、座面が傷ついてきたりします。
そのソファー、クリーニングに出しませんか?
今回は、レザーソファーのクリーニングに携わる職人さんにお話を聞いてきました。
取材を依頼したプロの職人さんが、「YSR」の南條弘行さん。
神奈川県横浜市に店を構える「YSR」は、革製品全般の修理・クリーニングを受け付けているお店です。
ミュージシャン、サラリーマンを経て、元々好きだった革小物の修理を独学で学んだ南條さんは、40歳の時に脱サラして革修理店「YSR」を立ち上げました。
店を出してから10年間で培ってきたプロならではの経験と知識で、日本全国にお客さんを持ちます。
そんな革のプロ、南條さんに、レザーソファーのクリーニングの作業を見せてもらいましょう!
今回クリーニングするソファー
今回、南條さんがクリーニングを手掛ける革ソファーがこちら。
イギリス製の、牛革のソファーです。
持主の方は、30年前にイギリスでこのソファーを買い、海外を転々としながらもずっと使い続けていたそう。
30年もの間、人生を共にしてきたこのソファーを、これからも大切に使い続けるために、今回クリーニングを南條さんに依頼したということです。
座面の汚れが目立ち、他の部分にも広い範囲に細かい傷や汚れが見えます。
これを今回、クリーニングしてキレイにしていきます!
レザーソファークリーニングの流れ
レザーソファーのクリーニングの流れは、大まかに分けて4つ。
1.表面の汚れを落とす
2.下地を整える
3.革を塗り直す
4.コーティングする
どういう風にソファーをキレイにしていくのか、詳しく見ていきましょう!
汚れを落とし、下地を整える
まず、ソファー表面の汚れを落としていきます。
この工程に使う道具がこちら。
[1]パフ
[2]クリーナー
[3]豚毛ブラシ
[4]ウエス
[5]クロス
1の「パフ」は、広い面のブラッシングに使う道具なので、機能としては3の豚毛ブラシと同じとのこと。
機械にあまり頼らず、「手の感覚を大事にしたい」という南條さんの思いから、今回は使わずに作業を進めていきます。
脚をマスキングする
クリーニング作業に入る前に、ソファーの脚が汚れないよう、マスキングをします。
ソファーの脚の木材を傷付けないように、マスキングテープでも粘着力の高いものと弱いものを使い分けます。
隙間に入り込んだゴミを取る
ソファーのひじ掛けやクッションの間といった隙間に入り込んだゴミを、この「エアダスター」を使って飛ばします。
なんだかかっこいい!
この先端から勢いよく空気を出して、ゴミを飛ばしていきます。
この作業で、よく家庭のいろいろなものが出てくるのだとか。
免許証が出てきたこともあるというから、驚きです!
クリーナーで汚れを浮かせる
クリーナーをソファーの表面に吹きかけ、ていねいに刷り込んでいきます。
クリーナーは超純水(不純物を含まない、極めて純度の高い水)やアルコールを含み、ソファーに染み付いた汚れを浮かせてくれるんです。
毛にコシのある豚毛ブラシを使って汚れをかきだすと…
黒い汚れがこんなに!
あまり汚れているように見えないひじ掛けの部分も、実は汚くなっているものなのです。
普段は室内に置いておくソファー。
そこに溜まる汚れは、ほとんどがホコリと皮脂なのだそう。
ソファー全面にクリーナーを吹き、汚れを拭き取ったら、次の工程です。
ヤスリで荒れた部分をならす
ここでは、手の平に収まるサイズのヤスリを使っていきます。
目の粗いものから細かいものを使い分け、革の荒れのひどい部分をなめらかにしていきます。
革が荒れて毛羽だった部分や、凹凸のあるところをならしていきます。
革を塗り直し、コーティング
次に、ソファーの革をキレイに塗り直していきます。
この工程に使うのがこちら。
[1]染料
[2]ヘラと、ソファーに合わせて作った色
[3]ウレタンコーティング剤
[4]スプレーガン
ソファーの色を作る
革の色をキレイに塗り直すために、5色の染料を混ぜてソファーに合わせた色を作っていきます。
これ、ソファークリーニングの出来栄えを決める、とっても大事な工程なんです!
「ひとえに『黒』といっても、全く同じ黒色はありません」と南條さんは言います。
修理をするものに合わせた色を、革の上に乗せた時に変わる色味も含めて計算し、その都度配合する。
その分量の調節は、まさにプロならではの技です。
作った色をソファーに少し塗っては色味を確かめ、ていねいに調整していきます。
荒れのひどい部分をパテで埋める
ヤスリで削ってもならせない、荒れのひどい部分を、「パテ」で埋めていきます。
パテは、割れ目やくぼみを埋めて表面を平らにすることができる、粘土状の補修材です。
元の白いパテに、さきほど作ったソファーの色の染料を入れ、ソファーに合った色のパテを作ります。
荒れのひどい部分にパテをヘラで塗りこんでいきます。
革に元からついている本来のシワ(「シボ」と言います)は活かしながら、表面が傷ついて素地が出てしまっている部分だけ、パテで埋めます。
パテが乾いたら、いよいよ色を塗っていきますよ!
下塗りをする
透明な「添加剤」にソファーの色を混ぜ、上塗り剤を作ります。
添加剤は、染料の色を伸ばし革の表面に定着しやすくするものです。
これをスプレーガンに入れ、ドライヤーで乾かしながらソファーに吹き付けていきます。
ムラにならないよう、素早く、ていねいに。
上塗り剤を、薄く何層も重ねていきます。
革が傷んで、表面が均一にならない部分は、ウレタンコーティング剤を筆で塗っていきます。
ウレタンコーティング剤は、ツヤ出しのために仕上げの際に使われるものです。
荒れのひどい部分は、凹凸やざらつきをなくすため、この時点でコーティング剤を塗っておきます。
荒れた部分の凹凸感がなくなったら、下塗りを続けます。
上塗りをする
色が入らなかったり、ムラがある部分を、もう一度色を塗りつけてキレイにしたら、色の塗り直しは終了です!
コーティングする
ついに仕上げの工程です。
ウレタンコーティング剤でソファーの表面全体のツヤ出しをしていきます。
コーティング剤にも「ツヤあり」「ツヤなし」などの種類があり、これをソファーの質感に合わせて配合することで、クリーニング完成後のソファーの雰囲気が決まってきます。
ウレタンコーティング剤をスプレーガンに入れ、ソファー全体にまんべんなく吹き付けていきます。
このコーティングをすることで、ツヤが出るだけでなく、色を長持ちさせ、ソファーの耐久性が上がります。
ウレタンコーティング剤が乾いたら、これで完成!
クリーニングを終えて
クリーニングを終えたソファーを、クリーニング前と比べてみましょう。
左がクリーニング前、右がクリーニング後です。
座面の傷がなくなり、革の表面全体にハリとツヤが感じられますね!
近寄って見てみると…
その差は歴然!
革本来のシワはそのままに、新品のように美しくなっています。
30年もの間、愛用され続けてきたソファーが、キレイによみがえりました。
プロにソファークリーニングを頼もう
南條さんの経営する「YSR」は神奈川県横浜市にありますが、東京・恵比寿にも支店があります。
レザージャケットや革製の家具、車のレザーシートまで、革ものならほとんどの修理・クリーニングが可能です。
宅配もできるので、北海道から沖縄まで注文が来るのだとか。
出張での修理・クリーニングも受け付けています。
この機会に、大事な革製品を革のプロに任せて、長持ちさせてみませんか?
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「ユアマイスター」では、レザージャケットや革製のカバン、家具といった革製品の修理・クリーニングの職人さんがたくさん出店しています。
ぜひ、自分に合った職人さんを見つけてみてくださいね!