着物の染み抜きは乾かし方がコツ?5種類の汚れなら自分で落とせる!
着物にシミがついてしまったとき、みなさんどうしますか?
やはり、クリーニングに出すことが多いと思います。
しかし、軽いシミの時までクリーニングに出すのは勿体無いですよね。
今回は、自分で着物のシミ抜きする方法を紹介します。
汚れの種類を確認する
今回は以下の5つの「よくあるシミ」について、対策をご紹介します!
(1)コーヒー、紅茶のシミ
(2)墨、墨汁のシミ
(3)汗のシミ
(4)口紅のシミ
(5)泥はねのシミ
自分でシミを落とす時、重要なのは汚れの種類を見極めることです。油性か水性かを間違えてしまうとシミが取れなくなってしまうこともございます。シミの種類を特定しましょう。
濡らさない方がいいシミについても注意です。
口紅・インク・朱肉・クレヨンなどでシミをつけてしまった時。濡らすのはダメ、ぜったい!
特に、インクのシミは自分ではどうしようもありません。
潔く諦め、なるべく早くプロに対処してもらいましょう。
また、あまりにひどいシミも、プロに依頼するのがおすすめです。
自分でできる染み抜き方法
さっそく、染み抜き方法を紹介します。
シミをつけてしまった時の応急処置も一緒に紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
汚れの種類ごとに紹介します。
(1)コーヒー、紅茶のシミ
(2)墨、墨汁のシミ
(3)汗のシミ
(4)口紅のシミ
(5)泥はねのシミ
(1)コーヒー、紅茶のシミ
◼︎応急処置
濡れタオルで軽く押さえ、水気を吸い取ります。
強く押し付けすぎると、繊維に染み込んでしまうので注意が必要です。
◼︎家庭でのシミ抜き
ベンジン(またはアルコール)を脱脂綿にたっぷり染み込ませ、シミの部分を軽く叩いて落とします。
ベンジンは、揮発性の高い良質なものを使いましょう。
ベンジンは危険な液体なので、使用上の注意があります↓
ベンジンは人体に有害であり、引火性があります。使用する際には、必ず換気をするようにしてください。
静電気で引火する場合もあるので、注意しましょう。
作業するときも、手袋をすると安心です。
脱脂綿は、汚れたら何度も取り替え、作業を繰り返します。
拭いた汚れは、蒸発しきらないうちにタオルなどで挟んで、汚れを移すように取り除きましょう。
ベンジンを使うと輪じみになってしまうことが多々あります。慎重に作業しましょう。
コツは、ベンジンを拭いたまま放置しないことです。
おすすめの商品
コーヒーなどには、水性の汚れも含まれているので、油のシミがとれたら、中性洗剤を使って、水性のシミを落としていきます。
中性洗剤は、水で薄めて使います。
着物の下に布を敷き、薄めた中性洗剤をつけて汚れを歯ブラシなどで軽く叩いて、汚れを移します。
綺麗になれば、次に水を使って、洗剤を落とします。
(2)墨、墨汁のシミ
◼︎応急処置
コーヒーの時と同様に、濡れタオルで軽く押さえ、水気を吸い取ります。
強く押し付けすぎると、繊維に染み込んでしまうので注意が必要です。
◼︎家庭でのシミ抜き
墨は乾くとニカワの成分が固まってしまうので、シミ抜きできなくなります。
シミがついたらなるべく早く、対処するようにしましょう。
墨のシミを落とすには、中性洗剤を使います。
汚れてすぐであれば、中性洗剤で洗うだけで落ちます。
落ちない場合には、ご飯粒を使います。
ご飯粒を塗って揉み、薄めた中性洗剤を含ませた布などでたたいて落としてから、霧吹きで水をかけてぼかしておきます。
(3)汗のシミ
◼︎応急処置
乾いたタオルで水気を拭き取ります。
◼︎家庭でのシミ抜き
脱いだらすぐに、霧吹きなどを使って汗のシミが気になるところを湿らせます。
タオルで押さえて水分を拭き取り、風通しの良いところにおいておきます。
(4)口紅のシミ
◼︎応急処置
そのまま触らずにおきます。
◼︎家庭でのシミ抜き
コーヒーの時と同様、ベンジンを使って落とします。
ベンジンは人体に有害な薬品です。取り扱いには十分注意しましょう。
ベンジン(またはアルコール)を脱脂綿にたっぷり染み込ませ、シミの部分を軽くたたきます。
脱脂綿は汚れたら何度も取り替え、作業を繰り返します。
拭いた汚れは、蒸発しきらないうちにタオルなどで挟んで移すように取り除きましょう。
ベンジンを使うと輪じみになってしまうことが多々あります。慎重に作業しましょう。
コツは、ベンジンを拭いたまま放置しないことです。
(5)泥はねのシミ
◼︎応急処置
濡れた状態では触らないようにしましょう。
◼︎家庭でのシミ抜き
泥が乾いてから柔らかな布で拭き、手で軽く揉むと綺麗に落ちます。
乾かし方のコツ
染み抜きが終わったら、着物を綺麗に乾かさなくてはなりません。
ここで気になるのが、「輪ジミ」です。
実は、輪ジミができないように乾かすコツがあります。
ポイントは、霧吹きで周囲をぼかしてから乾かすこと。
霧吹きした後、乾いたタオルで濡らした部分をはさみ、水分を吸い取ります。その後、ドライヤーを使って周囲から内側に向かって乾かすと綺麗に乾かすことができます。
ここで、編集部おすすめの商品を紹介します!
それは「着物お手入れセット」!
着物についたシミや汚れを落とすための便利なセットです。
一つ持っていると安心ですね。
おすすめの商品
時間が経ってしまったシミはプロにお任せ?
着物についてしまったシミの落とし方や、染み抜きをした後の着物の乾かし方はマスターできましたか?
でも残念ながら、シミが落ちない場合もあります。例えば、シミができてから時間が経っているとき。
自分では落とせないシミは、プロにお願いするしかありません。時間が経ってしまったシミも、プロなら落とすことができるのでしょうか?
ユアマイスターでは、着物お直しのプロに「祖母が使っていた頃からついてしまっている染みでも染み抜きすることはできますか?」と聞いてみました!たくさんの回答のなかから、一部をご紹介します!
有限会社 嘉洛さん(神奈川県)
合資会社 車屋呉服店さん(神奈川県)
株式会社京都屋さん(愛知県)
プロなら、何十年も前のシミも落とせるのですね!おばあちゃんからお母さんへ、そして自分へと、代々受け継ぐこともある着物。だからこそ、昔の汚れもしっかり落とせることが大切です。
汚れが落とせない場合も、柄のつけたしなどの方法で、シミを目立たなくすることができます。迷ったら、一度プロに相談してみるのがおすすめですよ♪
「ユアマイスター」では、もっとたくさんのプロに、他にもいろいろな疑問に答えてもらっています。
そんなプロの声を「プロが答えてお悩み解決!アスクマイスター」に集めました。
着物をお手入れするときも、修理をお願いするときも、役に立つこと間違いなしです!
まとめ
ここまで、自宅で染み抜きをする方法を紹介してきました。しかし、やはり自分でやるには限界があります。自宅でできない場合はプロに頼みましょう。自分でやろうとして失敗してしまい、逆にプロの手を煩わせてしまうこともあります。そうなると、時間も、お金も余計にかかってしまいます。心配な時には、やはり自分でやるのは避けた方がいいかもしれません。
大切な着物は、信頼できるプロに綺麗にしてもらいましょう。