振袖のたたみ方を手順写真つきで解説!帯や草履のお手入れも忘れずに
憧れの晴れ着、振袖。
成人式のときに振袖を着る女性はとても多いですよね。
また、成人式だけでなく、結婚式の花嫁さんが着たり、結婚式に参列する人が着たりもする、特別な礼装です。
大切な振袖だから、シワにならないようにきちんとたたんで、キレイにしまっておきたいもの。
今回は、振袖を着た後のお手入れ方法、たたみ方、そして保管方法についてしっかり解説していきます♪
振袖をたたむ前にやってほしいこと3つ
まずはじめにご紹介したいのは、振袖をたたむ前にしておきたいことについて♪
振袖を次に出したときにキレイに着るためには、振袖を着た後のアフターケアがとっても大切です。
振袖を着たら、次の3つの手順でアフターケアをしてください。
・湿気をとる
・汚れのチェック
・クリーニングに出す
湿気をとる
振袖を着た後、一番にしてほしいのは、湿気をとることです!
着物にとって、湿気は大敵。長持ちのために、きちんとケアしてくださいね。
用意するもの
・着物専用ハンガー
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袖まで綺麗にかけておける、着物専用ハンガーの2本セットです。2本あれば、振袖と長襦袢を別々にかけておけますね♪帯をかける帯かけがついていたり、竿が伸縮可能でサイズ調整ができたりと、高機能な着物ハンガーなので、重宝しそうです!
手 順
1. ハンガーにかける
振袖、長襦袢、帯をハンガーにかけましょう。
2. 干す
直射日光が当たらず、電気を消した風通しの良い部屋で、1~2日干しておきましょう。
汚れのチェック
お手持ちの振袖にシミなどの汚れはついていませんか?
振袖で汚れがつきやすいのは、
・衿
・袖の一番下の部分(袖底)
・裾
の3箇所のなので、この部分は重点的に確認しましょう。
シミは時間がたつほど落としにくくなってしまうので、そのままにしておくと落とせなくなってしまいます!
シミがついていたら、落とさねば!ですよね。
振袖の場合、あまり自分での処理はおすすめはしませんが、自分で染み抜きをする方法もあります。
それがこちら。詳しい染み抜きの方法は「着物の染み抜きを、5つのシミに分けて応急処置から洗い方まで解説♪」で解説しています。
輪ジミができたり、変色したりといった可能性もあるので十分に注意して、様子を見ながら処理してくださいね。
自分で染み抜きするのは不安…
高いものだからプロにやってほしい!
という方もいますよね。
振袖は特別なお着物だと思うので、早急にクリーニング業者さんにお願いしましょう。
クリーニングに出す
振袖に汚れがついているときは、汚れの種類や汚した場所によってお手入れが変わってくるので、
・何の汚れか
・いつついた汚れか
・汚れたときに何らかの処置をしたか
をきちんと覚えておいて、クリーニング業者さんに伝えるとスムーズで、汚れが落ちる可能性も上がります!
振袖にシミなどの汚れがなかった場合でも、汗をかいていたものをそのままにしておくと変色してしまうことがあります。
当分着る予定がないのなら、長襦袢と一緒にクリーニングに出してしまうことをおすすめします!
着物のクリーニングは、普通の洋服とは異なり1ヶ月以上時間がかかることが多いです。
もしまたすぐに着る予定がある場合は、注意してくださいね。
振袖のたたみ方を写真つきで徹底解説!
大変お待たせいたしました!
振袖がきれいな状態であることを確認したら、たたんでいきましょう♪
各部分の名前紹介
まずは、たたみ方の中で振袖の部位の名前がいくつも出てくるので、先にご紹介しておきます。
みなさんあまり聞き覚えがないのではないかな?というのは、おくみ線です。
振袖の前身頃(まえみごろ)の重ね合わせられる部分に縫いつけられている、細長い布のことをおくみと言います。おくみは上は衿(えり)から、下は裾(すそ)まで続いています。そのおくみと、前身頃の境目の部分が、おくみ線です。
たたみ方は写真を使って解説していきますが、分からなくなったら各部分の名前紹介も確認してみてくださいね♪
たたみ方本編
それでは、ようやくたたみ方の解説です!
これからご紹介するのは一般的な着物を畳む「本畳み」と呼ばれる畳み方です。
ちなみに長襦袢を畳む場合は「襦袢畳み」という畳み方でまたやり方が違います。長襦袢のたたみ方を写真でわかりやすく解説!半衿のお洗濯もご一緒にの記事をご覧ください!
1. 振袖を置く
振袖を、頭の方が左、裾(すそ)が右になるようにして、きれいにのばした状態で自分の前に置いてください。
また、振袖は大切な衣装なので、下に布などを敷いてから置くのがオススメです♪
2. 脇線に沿って折る
自分から見て手前側にある前身頃を、脇線(わきせん)で折りこんでください。正しく折ることができていれば、振袖を着たときに外側になる表面が見えているはずです!
3. おくみ線で折り、衿を倒す
左の写真のように、手前側の前身頃のうち、おくみと衿(えり)の部分をおくみ線で手前に折ります。正しく折れていれば、おくみの部分で、振袖を着たときに内側になる裏面が見えているはずです。
また今回は、振袖の衿の、首の後ろになる部分も折り込み、右の写真のようにします。
4. 衿と衿、おくみとおくみを重ねる
左の写真のように、自分から見て奥側にある衿を手前側にある衿の上に、そして奥側にあるおくみを手前側にあるおくみの上に重ねます。右の写真のように、ぴったり合わせてください。
身頃がだぶついても、気にしなくて大丈夫です!
5. 脇線と脇線を重ねる
奥側の脇線を持って、自分の方に引き寄せてから、手前側の脇線に重ねましょう。
ここでも裾の方から衿の方へ重ねていくと、うまくいきますよ♪
そして、最後に4の写真のように袖(そで)と袖も重ねます。
6. 整える
振袖が全体的にぴったり重なるように、シワなどを伸ばして整えましょう。
7. 袖を折る
上側になっている袖を、袖がついている位置から奥へ折り返し、右の写真のようにします。
8. 振袖を半分に折る
折った袖の上にかぶせるようにして、振袖の身頃を半分に折ります。右の写真のようにできればOKです♪
9. 振袖の袖をかぶせる
たたんである振袖の見頃部分の両端をしっかりと持って振袖を裏返し、まだ折っていない袖(そで)をかぶせます。
裏返すときに全体が崩れてしまうことがないように、振袖をしっかりつかんで裏返してくださいね!
10. 完成
これで完成です!
キレイにたためましたね♪
しまい方は?
保管の仕方についても、確認していきましょう。
振袖をしまうものとしては、桐たんすが最も適しています。
たんすは上の段ほど湿気がたまりにくいため、良い着物は上の方の引きだしにしまうようにしてください。
桐たんすがなく衣装ケースにしまう場合は、ちょっとした工夫で振袖を綺麗な状態で保管できます。
それは、すのこを敷くこと。
中にすのこを敷いて、すのこの下に除湿剤や除湿シートを入れてみてください!
防虫剤・除湿剤について
振袖をしまうときには防虫剤や除湿剤も一緒に入れておくと安心です。
防虫剤を入れるときは、きもの用防虫剤を、直接きものに触れないようにして入れます。
たとう紙の四隅に乗せておくのがオススメ。
1つ注意したいのは、2種類以上の防虫剤を一緒に使わないでほしいということです。
なんと、化学反応を起こしてシミや変色の原因になることも・・・気をつけたいですね。
除湿剤は、湿気対策として必須のアイテム!
「着物専用」の除湿剤を使うのがオススメですよ♪
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帯のしまい方は?
振袖を着るときに、更に晴れ着を華やかにしてくれるのが、帯や草履、半衿などの小物です。
小物も、きちんとお手入れをして保管しておくことで長持ちしますよ♪
帯のお手入れ
まずはじめに、帯をしまう前のお手入れ方法に関してです!
帯は基本的に洗うことができません。
ですから、洗わずにお手入れを行います。
用意するもの
・乾いたタオル
・ハンガー
・当て布
手 順
1. 汗や汚れをとる
乾いたタオルを使って、汗や汚れを取りましょう。
2. 陰干しする
ハンガーにかけて、一日くらい陰干しをし、湿気を取ります。
3. アイロンをかける
シワがある部分に当て布をして、アイロンをかけてください。
帯のしまい方
これで帯をしまう準備ができましたね。
それでは、帯のしまい方はどうしたらいいのでしょうか?
といっても、実は帯のしまい方にはそこまでのルールはありません。
適当な大きさにたたむか、巻いてしまっておきましょう♪
帯締めのお手入れ
房つきのものは、房をくしでとかして整えておきましょう。
しまうときは、和紙や薄紙で巻いて、箱に入れてしまってくださいね。
草履のしまい方は?
草履もきちんとお手入れしましょう!素材によって手順が異なるので、注意です。
エナメル・合皮皮革・裂地・爬虫類の4つの素材について、それぞれお手入れの方法を紹介します。
乾かすことからお手入れは始まる
どの素材の草履でも、まずは草履を乾かしましょう!
草履のつま先を上にして壁などに立てかけ、日陰で1~2日乾かしてください。草履は、雨の日に履いて濡れたわけでなくても、湿気が含まれていることが多いのです。
必ず乾燥させてくださいね♪
エナメル素材の草履のお手入れ
まずは、光沢感が魅力のエナメル素材のお手入れの方法を紹介します♪
用意するもの
・柔らかい布2枚
・エナメル専用クリーナー
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手 順
1. 汚れを落とす
エナメル専用クリーナーを柔らかい布に含ませ、草履の汚れを落とします。
2. 乾拭き
柔らかい布で、乾拭きしてください。
合成皮革
草履なかではもっともリーズナブルな、合成皮革の草履。
気軽にはけて活用することが多いからこそ、汚れやすくもありますよね。
きちんとお手入れして、より長持ちさせましょう。
用意するもの
・柔らかい布2枚
手 順
1. 拭く
水気を固く絞った布で、拭きます。
2. 乾拭きする
乾いた布で、乾拭きします。
裂地
裂地(きれじ)とは、織物のこと。華やかで憧れの草履ですよね。
織物の草履のお手入れ方法は、ブラシを使ったお手入れになります!
用意するもの
・柔らかいブラシ
手 順
汚れを落とす
柔らかいブラシを使って、汚れを落としましょう。
爬虫類(ワニ革など)
素材と色味が個性的で、はくだけで雰囲気がでる爬虫類をつかった草履。
おしゃれ着として使われることが多いこちらも、しっかりお手入れしましょう♪
用意するもの
・柔らかい布1枚
手 順
拭く
乾いた柔らかい布でよく拭き、汚れを落としましょう。
振袖を持ち運ぶときはどうする?
みなさんはご自身で着付けをされていますか?恐らく、多くの方がお店などで予約をして着付けをしてもらていると思います。
となると、やはり心配になるのは振袖の持ち運びです。高価で思い入れのある品ですから、できるだけ丁寧に運びたいですよね!
今回は予備知識として、運び方についても少しだけご紹介します♪
どんなバッグを使えばいい?
運ぶときに使えるアイテムもさまざま。案外、身の回りにあるもので済ませることもできます。
それぞれ特徴があるので、1つずつ分けてご紹介していきますね。
着物バッグ
まず使っていただきたいバッグがあります。その名も着物バッグ。そのまんまですね(笑)
ですが、専用に作られているだけあって大変便利。
普通のバッグとは違い、中に振袖を固定するバンドなどが付いています。これにより、多少の揺れでは形が崩れないようになっているのです。
他にも、着付けにはいろんな小物も数多く使いますよね。その辺りも、専用の収納が用意されているので大変便利です。
大荷物になりがちな持ち運びも、これ一台でスッキリと済ませることができますよ♪
キャリーケース
着物バッグより身近なアイテムがこのキャリーケース。中にバンドがある点や、持ち運びがしやすい点は同じなので代用できます。
特に荷物が多くなりがちだという方は、こちらの方が良いかも知れませんね。
しかし容量が大きい分、隙間も大きくなってしまいがちです。せっかく綺麗に収納できても、隙間があると移動中にシワができてしまいます。
対策として、タオルや新聞紙などを使って隙間を作らないようにしておきましょう。
風呂敷
昔ながらの風呂敷も、持ち運びの選択肢の1つ。入れ方も簡単で、長襦袢の上に着物や小物を乗せて包むだけ。
それになんと言っても、使った後コンパクトにまとまることがメリットです。
成人式などの特別な日は、美容院も大変混雑します。そこへきてキャリーケースなどを持っていけば、店内のスペースもいっぱいです。
風呂敷であれば、振袖を出した後はコンパクトにたためるので場所を取りません。
お店側への配慮という面でも、風呂敷は優れています。帰りの荷物にならないという点も完璧ですね♪
注意点はある?
共通して言える注意点は、移動中の揺れです。どんなに丁寧にいれても、移動中寄ってしまえばシワになってしまいます。
できるだけ揺らさないよう丁寧に運ぶことが大切です。特に風呂敷は、水平に保つことを意識しましょう。
あとは天気ですね。晴れていれば問題ないのですが、雨の日は要注意。せっかくのお召し物が、濡れてシミになっていれば大変です。
無理をせず家族に持ってもらうなど、濡らさない工夫もしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
振袖を着た後には、湿気をとること・汚れのチェックをすること・クリーニングをすることの3つのアフターケアが大切です!
振袖のたたみ方は、ご紹介した手順に従ってやればそんなに難しいものではありません。
しまったときにシワができないように、キレイにたたんでくださいね。
また、小物も良い状態で保管しておけるように、お手入れを忘れないでください。
特別なときのための晴れ着は、大切にしたいもの。
毎回のちょっとしたお手入れでキレイに保つことができるのなら、やらないわけにはいきませんね♪