スエードの靴の汚れの正しい洗い方とは?普段のお手入れ方法も解説

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更新日:2021年03月10日

スエードの靴、あの独特の質感が素敵ですよね。なんだか温かみを感じる、良い生地だと思います。

でも一つ問題が……
汚れが付きやすいんですよね。水に濡れればシミになり、使っているとテカテカしてきます。

しかも、スエードってお手入れが面倒そうじゃありません?
普通の革ならまだしも、スエードの洗い方なんてそう知っているものじゃありませんから。

というわけで、これからスエード靴の洗い方を解説していきます。

軽い汚れのうちに落とす方法も書いておきますので、いちいち洗わずに済むようになると思いますよ。

スエードとは

そもそもスエードとは、一体どういう素材なのか。

革にはがあります。それぞれ「銀面」「床面」なんて呼ばれてるわけですが……

一般的な革製品    → 革の表面(銀面)を使用
起毛革(スエードなど)→ 革の裏側(床面)を使用

って感じの使い分けがされてるんです。

そう、革は革でも一般的なものとは違います。
スエード生地は、革の裏側を紙ヤスリで毛羽立たせることで、あの独特な質感を作っているわけです!

スエードの革には、子牛や子ヤギの皮が使われることが多いです。
酪農が豊かだったスウェーデン特有の生地だったので、スエードなんて名前になってるのですよ。

スウェーデン……スエーデン……スエーデ……スエード……ほらね?

スエード靴を履く前に「防水スプレー」を

絶対必要なのがこの、防水スプレーです。

防水スプレーは靴から30cmほど離したところからムラができないように全体にスプレーします。
水は天敵ですからね。

スエードの靴でも防水スプレーをすることで、多少の雨には負けなくなります。

注意
防水スプレーは使っているうちに落ちていきます。

そりゃそうですよね。どんなものも劣化はしますし、スプレーでの膜なんて薄いもんですから。

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商品画像
[エム・モゥブレィ] スエード用栄養・防水スプレー スエードカラーフレッシュ 2106 NT ニュートラル

こちらは、スエード・ヌバック用の防水スプレー。防水効果もありつつ、スエード・ヌバック自体に栄養や柔軟性を与えることができます。よほどの雨でない限り、靴が濡れる心配はなくなりますよ♪スエード・ヌバック素材の靴をお持ちの方は、1つ持っておいてもいいですよね。

防水スプレーは、どれくらいの頻度でするといいの?

「ユアマイスター」では、靴のお手入れのプロに「靴に防水スプレーをかける頻度はどれくらいがベストですか?」と聞いてみました!
たくさんのプロの意見の中から、一部を紹介します。

BROSENTさん(東京都)

防水スプレーはおおよそ使用してから1日〜2日で効果はほぼ無くなります。明日、雨が降る。または、明日履くのに汚れが心配な日。そんな日の前日に、使用してあげるのがベストです。
また、防水スプレーは、使用した直後は効果がありません。最低でも30分以上は時間を取ってください。
防水スプレーをした直後に、雨の中、外出すると、雨水が靴に染み込んでから防水効果が出始め、靴に含まれた水が動けなくなり、シミの原因を高めることにもなるのでご注意ください。

株式会社ナカダ商会【靴修理大好き工房】さん(埼玉県)

雨が降っていて、出かける30分ほど前に防水スプレーを施してください。
ヌバック系は、雨の日は敬遠されがちですが、防水スプレーをきっちりと施していれば有効です。

Antico Ciabattinoさん(愛知県)

月に1回程度で十分です。雨の日に出かける数十分前に使用するのがベストです。
また、合皮やガラスレザーなどには、使用する必要はありません。

防水スプレーをするのは「雨や汚れが心配なとき」というプロの声が最も多かったです。
そのほか、お手入れの仕上げに使ったり、月に1回くらいはスプレーし直したりするのがよいようです。

防水スプレーは、スプレーした直後はまだ効果がないというのは、驚きでしたね。
スプレーしてから、だいたい30分は置いておくのがベスト。
お出かけ直前に、あー!忘れてた~!なんてことにならないように、覚えておきたいポイントですね。

「ユアマイスター」では、もっとたくさんのプロに、他にもいろいろな疑問に答えてもらっています。
そんなプロの声を「プロが答えてお悩み解決!アスクマイスター」に集めました。
自分でお手入れするときも、プロにお願いするときも、役に立つこと間違いなしです!

スエードの洗い方

擦ったぐらいじゃ取れない汚れがついちゃった、なんてときは丸洗いが有効かも。

スエードは雨に濡れただけでシミになっちゃいますし、本当に洗ってしまって大丈夫なの? と思うかもしれません。
しかし、実は、靴の一部ではなく全体をしっかり洗うことで、シミもなく綺麗にできます。

用意するもの

・ブラシ
・雑巾
・シャンプー
・スポンジ
・防水スプレー

   手 順  

1. ブラッシングをして汚れを落とす

靴を丸洗いする前にブラッシングをしておきましょう。このときのブラッシングはホコリを落とすために行います。ですから、毛並みに逆らってブラシを動かしましょう。
より詳しいブラッシングの方法は、このあとのスエード靴のお手入れ方法のお話で紹介しています。

2. 濡れた雑巾を使って靴全体を湿らせる

ブラッシングをしたら、靴を濡らします。スエードを濡らすときは、水にジャボンではいけません。濡らした布を押し付けるようにして、スエードを濡らしていきます。
乾いた布の上に濡れた布を置いておいたら、乾いていた布まで濡れてしまったという経験はありませんか?そのイメージで、スエードを湿らせていくのです。

注意
いきなり水に浸けると、シミになってしまうことがあります。注意しましょう。

3. スポンジにシャンプーを染み込ませてから、靴を洗う

濡らしたスポンジにシャンプーをつけます。シャンプーは、普段髪を洗うときに使っているものでOK。
スポンジは、水をしっかり吸うような柔らかいタイプのものがおすすめです。少し泡立ってきてから靴を洗います。

内側や靴底も一緒に洗っていきましょう。

4. 水に濡らしたスポンジで、靴についたシャンプーを取り除く

靴に水を染み込ませないようにしましょう。
少し面倒くさいですが、スポンジを使ってシャンプーを取り除いていきます。水に濡らしたスポンジでシャンプーを吸い取るように取り除いていきます。

この作業、なかなか時間がかかります。途中で面倒臭くなってしまいますが、シャンプーの成分が残っていると、かえって汚れの原因になってしまうので注意してください!

5. 風通しの良い日陰で乾かす

靴は、風通しの良い日陰で乾かしましょう。
中に新聞紙を詰めておくと、早く乾きます。
また、ある程度乾いたところでシューキーパーを入れておくと、形を整えることができます。

6. 最後の仕上げ
十分に乾燥してから最後の仕上げをします。

仕上げと言っても『普段のお手入れと同じことをして下さい』ってだけです。
書くと長くなっちゃうので、次の項目に詳しく載せておきますね。

スエードの靴の洗い方はユアマイスタースタイルのInstagramでも解説付きの写真で紹介しています!

Instagramではその他、お掃除・お洗濯を始めとした暮らしが素敵になる情報を定期的に発信中! ぜひのぞいてみてください!

スエード靴のお手入れ方法

スウェード 靴

と、先に丸洗いを解説しましたが……あんな面倒なことやりたくありませんよねぇ。

汚れが酷くなる前に落としてしまいましょう。
早いうちに対処すればすぐ取れるものも多いのです。

スエード靴のお手入れは、ブラッシングが基本!
スエード靴のブラッシングに使えるブラシは、2種類あります。
毛のブラシと、ゴムのブラシです。

それぞれのブラシを使った普段のお手入れ、さらに、時間に余裕があるときのお手入れの3つの方法を紹介します。

毛のブラシを使ったブラッシング

   手 順  

1. 毛並みに逆らって使う
毛並みに逆らって使うと、ホコリを落とすことができます。

2. 毛並みに沿って使う
ホコリを落としたら、逆に毛並みに沿って使い、毛並みを整えます。

力を入れすぎると、毛が抜けてしまうこともあります。
優しく汚れを落としましょう。

スエード靴についた汚れは、早めにはらっておくのが吉◎。
放っておくと落ちにくくなります。こまめなブラッシングが大切なんです。
毛のブラシを使ったブラッシングは、履いた後に毎回行うのがおすすめです。

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[サフィール] シューケア スエードブラシ 起毛革 ヌバック お手入れ 靴磨き

こちらのブラシは、スエード靴のブラッシングに最適です。ブラシの中に、毛の部分と金属の部分があり、スエード革の毛並みをしっかり整えてくれます。持ち手が付いているのも嬉しいポイントです。ブラッシングがしやすくなりますね。

ゴムブラシを使ったブラッシング

   手 順  

縦横斜めにグニョグニョと動かして、毛の奥に溜まった汚れをきれいにする

ゴムが固まっている場合は、最初に手で温めて柔らかくしてからブラッシングをしましょう。このときも、優しくブラッシングすることがポイントです!

ゴムのブラシをつかうと、スエードの毛も起き上がり、見た目もきれいになります。ゴムブラシを使った後に毛のブラシで毛並みを整えると完璧。

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[サフィール] シューケア スエードブラシ 起毛革 ヌバック お手入れ 靴磨き

クレープみたいに薄くした生ゴムを、畳んでブラシにしたものです。
スエード革の毛の奥に入り込んだ汚れも、しっかり掻き出します。スエード靴のお手入れには、毛のブラシよりも使いやすいです。使い込んで、ゴムの先が黒くなったら、汚れた部分をハサミで切って使い続けることもできますよ。

スエード靴の念入りなお手入れ

お手入れを「汚れを落とす・乾かす・毛を立たせる・色をつける」の4つの場面に分けて、やり方を紹介します。

汚れを落とす

軽い汚れなら、ブラッシングだけできれいになると思います。
洗うほどでもないかなって時はこれでいいでしょう。

それではきれいにならないなら、スエード靴用の消しゴムを使って汚れを落としましょう。
このへんとか。

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[VIOLA] ヴィオラ スエード汚れ落とし

消しゴムタイプなので、気づいた時にさっと汚れを落とせるのがポイントです。鉛筆の文字を消すように使えて、簡単に綺麗になるので、ぜひ使ってみてください。しかし、実は消しゴムタイプのクリーナーでは太刀打ちできない汚れもあります。無理に落とそうとすると、革の色が落ちてしまうこともあるので、使う時には諦めも肝心ですよ!

乾かす

スエードが濡れてしまった時は、なるべく早く乾かしましょう。

新聞紙を詰めて、風通しの良い日陰に置いて乾かします。新聞紙はこまめに替えてください。

シューキーパーがあれば、使いましょう。生乾きの状態でシューキーパーを入れると、シワを伸ばすことができます。
シューキーパーがなくても、新聞紙をしっかり詰めておけば大丈夫です。

完全に乾いたら、ブラッシングで毛並みを整え、防水スプレーを吹き付けておきましょう。

毛を立たせる

起毛革は、毛が全てきちんと起き上がっていることで、見た目も良く、美しくなります。しかし、履いているうちに毛が倒れてしまうこともよくあります。

そんな時は、ブラッシングで毛を起こしてあげましょう。

ゴムブラシを毛並みに逆らって使うと、毛がしっかり起きるのでおすすめです。普段からしっかりブラッシングすることで、毛が倒れるのを防止できます。

色をつける

スエード靴も、使っているうちに色が褪せていきます。
色が薄くなっていると、見た目もなんだかみすぼらしい感じがしますよね…。
そんな時は、補色スプレーを使いましょう。

補色スプレーは、防水スプレーと同じように、靴から30cmほど離したところから、靴全体にスプレーします。
ムラができないように注意しましょう。

スプレーは、スエード靴の色に合わせて選びましょう。塗り重ねて色を濃くすることができるので、ちょうど合う色がなければ、薄めの色を買うことをおすすめします。

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コロンブス スエードカラー 黒 65ml

これは黒色の補色スプレーになります。色褪せてしまったスエード靴を蘇らせます。防水スプレーの効果もあり、これ1本で補色と防水が一気に完了します。スプレー後に通気性を失わないのもポイントです。

色をつけるには、補色スプレーだけでなく、リキッドタイプもあります。しっかり色を入れたい時には、スプレーよりもリキッドタイプがおすすめです。

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[ファマコ] スエード用保革・補色 スエードカラーダイムリキッド

スプレータイプより、リキッドタイプの方が失敗がありません。床や手を汚すこともなく使いやすいです。着色に使う部分は、スポンジ状になっており、色が急に濃く出ることがないので安心ですよ。何度も重ねて塗ることで色を調節しましょう。

スエード靴のお手入れについてプロに聞いてみた!

さて、ここまでスエード素材の靴についてのお手入れ方法を紹介しました。

ここで再び、プロからのアドレス!
靴のお手入れのプロに「スエード靴の汚れが中々落ちないのですが、お手入れ方法とおすすめの頻度を教えてください」と聞いてみました。
たくさんのプロの方の意見の中から、一部を紹介します。

BROSENTさん(東京都)

・スエード専用のブラシで毛足に詰まった汚れを除去する
・特に汚れが激しい場合は、専用のクリーナーで汚れを除去する
・トリートメント効果の有るスエード専用スプレーを使用し革に栄養を与える
・専用のブラシで毛足を整える
・防水スプレーで汚れの付着を防ぐ

andNUTSさん(兵庫県)

黒ズミは消しゴムでこすってから、ブラシで毛の流れを整えて下さい。スエードのお手入れはブラッシングと防水剤で大丈夫です。防水スプレーを掛ける時はシミにならないかテストしてからムラなくスプレーし、毛の向きをブラシで整えてください。

毛の流れを整える、意識してみると違いがでてくると思います。
こういう『ちょっとした意識』でも、体は反応して動いてくれるものなのですよ?

まとめ

まあ靴ですからね、いくら良い物を用意しても汚れるのは避けられません。

普段から手入れすることで、水洗いしなきゃいけないほど汚れるのは防げるはずです。
少なからず革にダメージも溜まっていきますし、こまめなブラッシングを忘れないようにしましょうね。

最後にプロフェッショナル達が語っている通り、基本はブラッシングです。
水洗いなどの本格的な洗濯は、どうしても家でやらなきゃいけない事情がある時だけにするのをお勧めします。

だってプロのが巧いに決まってますもん。

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