R410Aは、二種混合冷媒で、2種類のガスを半分ずつ混ぜ合わせて作られています。ガス漏れが発生すると配合バランスが崩れるので、そのまま継ぎ足すことができず、全てのガスを出してから補充する必要があります。
エアコンガスの補充は自分でできる?やり方や業者に頼む際の費用
エアコンの冷媒ガス補充について解説します。エアコンのガス漏れの確認方法や、自分で修理できるのかどうか、業者に依頼する際の費用や時間の目安などをご紹介。ルームエアコンのガス補充のやり方を中心に、車のエアコンガスの点検方法や注意点もまとめたので、エアコンに不具合が生じた場合は参考にしてみてください。
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目次
エアコンが効かないのはガス漏れ・ガス欠が原因?
フィルター掃除をしてもエアコンの効きが悪いと感じたら、エアコンや室外機のガス漏れ、ガス欠が原因の可能性があります。ほとんどの場合、エアコンの冷媒ガスが漏れ出すことはないため、補充は必要ありません。ではどうしてエアコンや室外機のガス漏れ・ガス欠が起こってしまうのでしょうか?その主な原因は、
・エアコンの故障
・配管の亀裂、劣化
・室外機を無理に動かす
上記の4つが考えられます。それぞれの原因について解説していきます。
エアコンの取り付け・移設工事のミス
引越しや買い替えでエアコンを設置するときに配管作業がきちんとされていないなどの不備があると、ガスが漏れてきてしまいます。この場合は、ガスを補充しても抜けてしまうため意味がありません。配管の接続状態を確認し、配管を直してからガスを補充しましょう。
エアコン本体の故障
エアコンの寿命は約10年と言われています。10年近くエアコンを使っていて、故障が起き始めると、エアコンのガスが漏れていく場合があります。先ほどと同様に、ガスがどこから漏れているのかを確認し、故障を直してからガス補充を行いましょう。業者にエアコンの修理を依頼して、ガス補充もやってもらうのがおすすめです。
エアコンの配管の亀裂・劣化
エアコンの寿命が近づいてくると配管が劣化していき、亀裂が入ったり、穴が開いたりして、そこからエアコンのガスが漏れていってしまうことがあります。配管に亀裂や穴があった場合は、業者さんに配管の交換を依頼しましょう。
エアコンの室外機を無理に動かす
設置されている室外機を無理に移動させてしまうと、接続部分が緩んでしまい、そこからガスが漏れてしまう場合があります。そのため、室外機を無理に動かさないようにしましょう。少しでもエアコンの異常を感じたら、エアコン本体と室外機をチェックをしましょう!
エアコンガスの補充が必要かチェック!
エアコンの調子が悪いと感じたら、エアコンのガス漏れをチェックしましょう。確認する方法は、
2.ガス漏れ検知液を使う
3.ガス漏れ検知器を使う
これらの3つがあります!それぞれの方法について解説します。
パイプに霜がついていないか確認する方法
冷房運転させたら、室外機から出ている配管パイプを確認します。パイプに霜がついていたらガス漏れしている可能性が高いです。このとき、水滴がついている場合はガス漏れの可能性が低く、何もついていない場合は冷媒ガスが空になり不足している可能性があります。
また、霜も水滴もついていないときは、配管パイプを触ってみて冷たくない場合はガス欠をしていることが考えられるため補充・修理が必要です。
ガス漏れ検知液を使う方法
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配管パイプの接合部や劣化している場所などガス漏れが気になる場所にガス漏れ検知液を吹きかけます。
※プラスチックなどの金属以外の素材には適していない場合があるため、一度テストしてから使用してください。
どこかから泡が発生していれば、そこからガス漏れが起きています。ガス漏れの場所が特定できるのでおすすめです。
ガス漏れ検知器を使う方法
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使い方は簡単で、配管の接合部や劣化が心配な場所にガス漏れ検知器のセンサー部分を当ててなぞるだけ。ガス漏れがあれば、ライトが点滅したりブザー音が鳴ったりして、ガス漏れを教えてくれます。微量の漏れやガスの種類ごとの検知が可能なのでおすすめです。
自分でエアコンガスを補充する場合
業者に頼むのは料金が少し高いかもと感じ、DIYで「自分でもできるかも?」と考える人もいるでしょう。取り扱い説明書を参考にした自力でのガス補充は不可能ではないですが、知識や技術が必要なので、無理に行わず業者に頼むことを検討しましょう。
エアコンガスの補充に必要な道具
エアコンのガスを補充する際に必要な道具をご紹介していきます。
真空ポンプ
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真空ポンプはその名の通り、配管を真空にするための道具です。真空引きという、エアコンの配管を真空状態にする作業で使います。
マニホールドとチャージングホース
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マニホールドは冷媒気化状態のチェックや配管内の圧力(真空度)を測るための道具です。真空引きの際やエアコンガスを補充する際に使います。
チャージングホースは配管と真空ポンプやマニホールドをつなげるために使う道具で、セットで購入できる商品があります。
チャージングスケール(エアコンガス充填用秤)
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チャージングスケール(エアコンガス充填用秤)はエアコンガスの充填量を測定するための道具です。規定量のエアコンガスを補充するために使います。
エアコンガスの補充のやり方
ここでは、専門的な知識や技術を持っている方が行う場合のエアコンガスの補充方法を簡単にご紹介します。
ガスの取り扱いに十分注意しながら作業を行います。
・真空ポンプ
・マニホールド
・チャージングホース
・チャージングスケール(エアコンガス充填用秤)
エアコンの電源を抜き、室外機とマニホールド、真空ポンプをチャージングホースを使って繋げます。この時必ず、チャージングホースを室外機の「低圧側」のバルブに繋げるようにします。
各種道具と室外機をつなげたら真空引きをして、配管の中のガスを完全に抜きます。バルブが開いている状態で真空ポンプの電源をオンにし、15〜30分程度稼働させましょう。マニホールドのゲージ圧が−0.1MPa以下まで下がっていることが確認できたら、バルブを閉めて、真空引き完了。
真空引きが終わったら真空ポンプの電源を切り、そのまま5分程度放置をしてマニホールドのゲージ圧に変化がないか確認。ゲージ圧に変化がなければ、気密試験は完了で、気密が保たれていると判断し、ガスを補充していきます。
もしゲージ圧に変化があった場合は、配管の破損や部品の緩みなどの可能性があるため、ガス漏れの原因を調べる必要があります。ガス漏れしていた場合は、修理する必要があるため、業者に依頼するようにしましょう。
気密試験が完了したら、ガスを補充していきます。エアコンガスは機種によってガスの量が規定されているので、必ず守るようにしましょう。この量を守らないと、無駄に電気代がかかったり、エアコンの寿命が短くなったりしてしまいます。
エアコンガスの計量には、チャージングスケール(エアコンガス充填用秤)を使います。チャージングスケールの上にガスボンベを置き、重量を0にセット。その状態でガスボンベとマニホールドをつなぎ、真空引きと同じように「低圧側」のバルブに接続します。
接続が完了したら、バルブを開けてガスの補充を開始。チャージングスケールでガスの量を見ながら、マニホールドでゲージ圧を確認し、規定量までガスを補充します。
規定量までガスが補充できたら、ボンベやマニホールドのバルブを閉めます。室外機からチャージングホースを外したら、エアコンガスの補充は完了。終わったら、エアコンの効き目が回復しているかどうか確認します。
エアコンガスを補充する際の注意点
「R32」「R22」など冷媒ガスの種類を確認
エアコンに使われている冷媒ガスは「単一冷媒」と「二種混合冷媒」の2種類に分かれており、エアコンには以下の3つの種類のガスが使われています。
・R410A 二種混合冷媒
・R32 単一冷媒
R22とR32は継ぎ足しが可能な種類ですが、R22は製造中止となっているため、R22を使ったエアコンの場合は買い替えをおすすめします。
誤ったやり方やガスを使うと爆発や火災の可能性
エアコンガスは引火しやすいため、扱い方を間違えると爆発したり火災になったりする可能性があります。エアコンガスの補充は専門的な知識や技術が必要になるため、知識のない方は自分で作業するのは避けて、なるべく業者に依頼したほうがよいでしょう。
エアコン自体の買い替えが必要な場合もある
エアコンは機種によって使われているガスが異なります。エアコンガスを補充する際は、必ずエアコンガスの種類を確認しましょう。先ほど説明したように、古いエアコンは、生産が中止されているR22というガスが使われていることがあります。
このような場合は、業者であっても在庫がなかったり、ガスを新しく入手することが困難であったりするため、エアコンごと買い替える必要がある可能性があります。
エアコンガスを補充する際の費用は?
では、実際のエアコンガス補充にはどのくらいの費用がかるのでしょうか。業者に依頼した場合の費用と自分で補充した場合にかかる費用を紹介していきます。
業者に依頼する際の費用や時間の目安
編集部が調査したところ、エアコンのガス補充を業者にお願いした場合の料金相場は、15,000〜20,000円前後。依頼する業者や地域、修理箇所などによって値段は変わります。また、配管が破損していて修理をお願いする場合は修理費用も必要になることを覚えておきましょう。
ガス補充は専用の道具を使ったり、リスクがあったりするので専門的な知識のない方は業者に依頼することをおすすめします。「料金がいくらかかるのか不安」という方はまずは見積もりをお願いして、複数の業者を比較するとよいでしょう。作業時間はエアコンの状態によって変化しますが、ガス補充のみであれば30分前後、点検や部品の交換などを含めると約2〜3時間前後が目安です。
自分でエアコンガスを補充した場合の費用
ネットを調査し、エアコンガスの補充に必要な主な道具の種類や値段の相場を簡単な表にまとめました。
道具
相場
フルオロカーボンガス(冷媒ガス)
15,000〜30,000円
真空ポンプ
15,000〜40,000円
マニホールド
2,000〜5,000円
チャージングホース
2,000〜4,000円
チャージングスケール
15,000〜20,000円
全ての道具を一からそろえようとすると、最低でも50,000円以上は費用がかかってしまいます。
また、自分で補充する場合はリスクもあるので、専門的な知識があり道具がある方は自分で、それ以外の方は業者に依頼して補充してもらう方法がよいでしょう。
車のエアコンガスを補充する場合
車のエアコンもルームエアコンと同じように、冷媒用のガスが使われています。基本的にガスが抜けることはないのですが、運転中の細かな振動によって配管の接続部に不具合が起き、小さな隙間から少しずつ漏れる可能性はあります。エアコンの効きが悪いと感じたら、一度確認してみましょう。
車のエアコンガスの点検・残量チェック方法
まずは車のエアコンガスの点検・残量チェック方法をご紹介します。ボンネット内やにある「サイトグラス」という小さな丸い窓ガラスのようなものをチェックすることによってできます。
車のエンジンをかけてエアコンを入れた状態で、サイトグラスから時々気泡が見えるなら、エアコンガスの量に問題はありません。しかし、気泡が多く見えた場合はエアコンガスが不足している可能性があります。逆に気泡が全く見えない場合は過充填の可能性があります。
もし、ご自身の車にサイトグラスがない場合は、専用の圧力計を使って測定する必要があるので、ディーラーやカー用品店などのプロに頼んでみるようにしてください。
車のエアコンガスは自分で補充できる?
車のエアコンガスを補充する際に必要な道具や、知識がある方が行う場合の作業手順の一例を簡単にご紹介します。
車のエアコンガスの補充も自力で行うことが可能ですが、ガスを扱う作業は危険を伴うため、知識がない方は整備工場やカー用品店などの業者に依頼することをおすすめします。
・マニホールドゲージ
まずチャージングホースに、ガス缶をセットします。缶に穴が開かないように注意しましょう。
先程セットしたチャージングホースの片側部分を、「L」と表示のある低圧側ポートに挿し込みます。
ガス缶を一瞬緩め、ホース内に残った空気を抜きましょう。
エンジンをかけて、エアコンを最低温度・最大風量・内気循環に設定して稼働時に圧力を確認します。マニホールドを使うと、より正確に圧力を確認できるのでおすすめです。
針でガス缶に穴を開けて、エアコンガスを注入していきます。ガス缶は圧力が下がると冷えてくるため、凍傷を防ぐためにグローブを着用して作業をしてください。また、缶を逆さまにしないように注意しましょう。
チャージングゲージを確認しながら、ガスを注入し、適正値になったら作業は完了です。
車のエアコンガス補充を業者に頼む場合
車のエアコンガスの補充方法は、車種やエアコンの状態によって異なります。また、自分で作業をする場合、道具代がかかることや、作業部周辺はパーツが多く複雑で危険を伴うことから、業者に依頼することをおすすめします。
ネット調査をしてみたところ、作業時間は約30分から。費用の相場は、ガスの種類や補充する本数によって異なりますが、だいたい5,000〜10,000円。お近くのカー用品店やディーラーなどに問い合わせて、見積もりを取ってみましょう。
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こちらの記事では、車のエアコンの気になる臭いの撃退方法をご紹介しています。エアコンの効き目だけでなく、臭いも気になるという方はぜひ参考にしてみてください。
エアコンガスの補充は業者に頼もう!
コスト面と安全性を考えると、エアコンのガスの補充は業者への依頼がおすすめです。もちろん、業者によって良し悪しがあることも事実。そこで、どんな業者さんがよいのか選び方のポイントを抑えて、依頼することを意識しましょう。
・幅広いメーカーや種類に対応している
・料金体系が分かりやすい
・エアコンのガス補充や修理の実績が多い
・ヒアリングを丁寧に行ってくれる
上記のポイントを踏まえて、業者を選んでみてくださいね!
エアコンクリーニングについてもっと詳しく
暑くなる前に「YOURMYSTAR」に相談!
本格的な夏になってからエアコンの不調に気づいても、修理まで暑さに耐えなければなりません。ぜひ暑くなる前にエアコンの調子をチェックし、必要であれば業者にエアコンのガス補充を依頼しましょう!
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エアコン修理についてもっと詳しく
エアコンガスを確認して正しく補充しよう
今回は、エアコンのガス漏れ・ガス欠の補充方法などをご紹介しました。自分で作業をする場合、知識や専門道具が必要なので、なるべく業者に頼むことをおすすめします。早めの対処で、快適なサマーライフを過ごしましょう。
※本記事の内容は、本記事作成時の編集部の調査結果に基づくものです。
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