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更新日 :2020年05月22日

エアコンは引っ越し時にトラブル多発!?移設と買い換えどちらがお得

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新居も決まったし、引っ越しの準備するぞ !

という時に迷うのが、今使っているエアコンを引っ越し先に「移設」して使い続けるのか、それとも新しいものを「買い替える」のかという問題…。

引っ越しにかかるお金も安くはないし、移設する場合はできるだけお得に済ませたいですよね。

そこでこの記事では、

・エアコンの移設・買い替えの決め方
・エアコン移設の料金相場
・エアコン買い替え時の中古エアコン処分方法

を徹底的に解説していきます!

今使っているエアコンの性能を調べよう!

まずは、エアコンを移設するか・買い替えるかを決めるために、今使っているエアコンの性能を診断していきましょう。

「今使っているエアコン」と「これから購入予定のエアコン」の性能を比較することで買い替えた場合、電気代がどれほど違うのか計算することができます。

診断に使うのは、環境省が出している「しんきゅうさん」というサイトです。

このサイトでは、「購入年」「部屋の広さ」「メーカー」「型番」を入力し、「今使っているエアコン」と「これから購入予定のエアコン」の年間消費電気量年間電気代年間CO2排出量の差と、年間CO2の吸収量を出してくれます。

出典:省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」-COOL CHOICE

私が2007年に購入したエアコンは、同じメーカーの最新機種と比べると、年間消費電力量140kWh、年間電気代が3,780円も高くなっていました。

もしこのエアコンをこれから10年間使い続けると、電気代が37,800円も割高になってしまいます!37,800円であれば、エアコンを買い換えることも可能ですよね。

そして、古いエアコンを使っていると、効きが悪くなり、快適な室温になりづらいです。また、故障のリスクもあるので、私の場合は、エアコンを移設せずに、新しいエアコンに買い替えました。

消費電力や電気代を計算してみたけれど、まだ迷っている…。そんな方のためにこちらをご用意しました!

ぜひ参考にしてくださいね!

エアコンを「移設」すると決めたら

エアコンを移設すると決めたら、移設を依頼する方法は

・引っ越し業者さんに依頼する
・専門業者さんに依頼する

2通りがあります。

どっちに依頼すればいいのかよくわかりませんよね…。
それぞれのメリットデメリットを詳しく見ていきましょう。

引っ越し業者さん

メリット

・引っ越しと一緒の手続きなので、手間がかからない

引っ越し業者さんには「エアコン移設サービス」などという名目で、引っ越しと一緒にエアコンを持って行ってくれるサービスが追加できるようになっています。

業者さんを探す手間や時間が省け日程調整も引っ越し日と一緒で楽なのが良いですね。

デメリット

・基本料金が高い

引っ越し業者さんは、エアコンの取り付け・取り外しのプランを扱っていますが、専門業者さんに比べると値段が高いです。相場は1台あたり15,000円~20,000円ほどになっています。

・追加料金がかかる恐れがある
配管類の交換・延長、ガスの補充などが基本料金に入っておらず、追加でかかってくることがあります。

引っ越し業者さんが直接エアコンの取り付け・取り外しを行うわけではなく、子会社・二次請けの業者さんに依頼することがほどんどです。

そのため引っ越し業者さんの営業の言っていた見積もりと、実際に施工する業者さんの請求金額が追加料金によって変わり、トラブルになることも意外と多いみたいです…。

引っ越し業者さんにエアコン移設を依頼するときは、実際に施工してくれる業者さんに直接連絡を取って、見積もりを出していただくことをおすすめします。

POINT
エアコン移設は引っ越し業者さんはやらず、子会社や二次請け業者さんが行う

専門業者さん

メリット

値段が安い

基本料金が追加料金がかかりにくい設定になっていることが多く、引っ越し業者さんよりも安いです。相場は一台あたり8,000円~15,000円です。

デメリット

専門業者さんを見つけ、依頼する手間がかかる

専門業者さんは個人経営でやっている場合も多く、料金設定もバラバラです。依頼するまでに、「業者さんを決めて、料金設定について問い合わせて、…」と手間と時間がかかります。また、追加料金がかかる条件など、明記しているところも少ないことから、直接問い合わせて見積もりをだしてもらうことが大切です。

エアコンの移設の料金は業者さんによっても違いますが、移設したいエアコンの状態や、取り外す環境移設先の環境によっても変わってきます。

基本料金にプラスして、追加料金がかかってくることもあるので、「思っていた金額よりも請求金額が高かった!」と驚かないためにも、自分のエアコンの移設がどのくらいの値段でできるのか知っておきましょう。

POINT
エアコン移設の料金はエアコンの設置状況、移設先の状況によって違う

エアコンの移設を引っ越し業者さんよりも安く行いたい方は、ぜひ専門業者さんに依頼しましょう!

プロのエアコン取り付けについてもっと詳しく

追加料金表がしっかり記入してある業者さんに頼むと、より安心ですね。

「損しない」エアコン移設の費用とは?

「引っ越し業者さん」「専門業者さん」どちらも、エアコンの取り付け・取り外しの料金設定は、「基本料金+追加料金」という構造になっています。

基本料金についてはあらかじめ、ホームページなどに記載がありますが、追加料金については詳しく書いておらず、施工をした後に知らされることもあるようです。基本料金が安く、その業者さんに依頼しても、追加料金がかかってきて、想像よりも費用が高くなったという人も少なくありません。

安心してエアコンの移設をするためには、基本料金でどこまでの工事が含まれていて、どこからの工事が追加料金になるのかを直接業者さんに確認することが必要になってきます。

POINT
エアコン取り付け・取り外しの料金大系は「基本料金」+「追加料金」

ですが、エアコンについての専門知識がないので、何を問い合わせればよいのか分からないですよね?
しかも、ググったところで、よくわからない専門用語が大量に出てきて余計に混乱するばかり…

エアコン移設に必要な用語について解説しながら、問い合わせるべき項目をみていきましょう。

基本料金(標準工事)に含まれているもの

-配管類(配管・電線・ドレンホース)4m以内
4m以上のホースを使う場合は、室内機と室外機が同一階ではなく、2階に室内機があり、1階に室外機を設置するなどの、特殊設置の場合です。

-室内機と室外機は同一階で室外機は地面またはベランダ設置

「標準工事」といって、追加料金はかかりません。

-配管は化粧テープ巻仕上げ

配管の劣化を防ぐ目的で、配管に化粧テープを巻きます。

-真空引き

エアコンの内部を室温を調整する冷媒ガスのみで満たすために、水分等の遺物を取り除きます。これをせずにエアコンを稼働していまうと、内部の水分が冷やされて、凍り付き、エアコンの冷媒管を傷つけて、詰まらせます。これによってエアコンの効きが悪くなったり、故障の原因になります。

真空引きは必ず施工すべき工事なので、基本料金に入っている場合が多いですが、きちんと確認する必要があります。

注意
真空引きが基本料金に入っているのか確認する

追加料金がかかる場合の相場は、20,000円~です。

追加料金がかかるもの

-配管類(配管・電線・ドレンホース)の延長または、交換が必要な配管類の費用
中古エアコン取り付けの場合、使用していた配管類を再使用することができるのか、業者さんに確認が必要です。
相場は1mあたり3,000円~となっています。

-化粧カバーの取り付け費用

見栄えをよくするために室内機と室外機を繋ぐ配管類を覆うカバーが化粧カバーです。
相場は10,000円~となっています。

-ガスパイプの修理と補充の費用
エアコンのガスとは「冷媒ガス」といい、エアコンの内部で循環して、部屋の中の空気を冷やしたり暖めたりする役割があります。この冷媒ガスが不足すると、エアコンの温度調節の効きが悪くなってしまいます。配管が壊れていると、ガスが漏れだしてしまうので、配管の修理とガスの補充をします。
ガス漏れ修理の相場は15,000~20,000円です。

-配管穴あけ工事一か所の費用

移設先が新築だと、壁に配管穴がない場合があるので新しく開ける必要があります。相場は3,000円~です。

-エアコン容量(kw)の制限
エアコンは部屋の大きさによって容量が異なり、容量が大きくなるにつれて取付施工難度があがります。そのため。「~kw以上のエアコンは別途追加」という風にして、追加料金が発生します。

-室内機と配管穴が離れていることによるドレンホース断熱費用
ドレンホースとは室内機から発生する水を外へ排出するためのホースで、温度差で結露することがあるので、断熱材を巻いて結露を防ぎます。相場は3,000円~です。

-壁にビスが打てない、効かないときに使用する専用危惧(たて桟)費用
室内機を取り付ける壁が、土壁や砂壁などビスが効かない場合には、たて桟という金具を使用します。
相場は3,000円~となっています。

-隠蔽(いんぺい)配管時の状況による追加費用
隠蔽配管とは、エアコンの配管類を壁の中のように、内部に隠し、外から見えないようにする施工方法です。
エアコンの配管パイプを壁の中に埋める工事は普通の配管工事より料金が高くつきます。

-エアコン専用コンセントの電気工事費用
エアコンは容量(kw)にとってコンセントタイプが4種類あります。専用コンセントタイプが取付予定のエアコンと合致しない場合は、エアコン取付時に電気工事が必要です。コンセント交換の相場は2,000円~3,000円、電圧切り替えの相場は3,000円~となっています。

-室外機の特殊設置費用
室内機と室外機は同一階で室外機は地面またはベランダ設置ではない場合、「天吊り」「壁掛け」「屋根置き」「二段置き」「立ち下ろし」といって、特殊な設置方法をとります。相場は5,000円~18,000円です。

POINT
直接問い合わせるときに、自分のエアコン室内機・室外機の設置状況と、設置先の状況の「写真」を撮っておくとスムーズです。

エアコンの取り外しを自分でするには

専門業者へ依頼する場合、自分でエアコンの取り外しを行わなければいけないケースがあります。

また、引っ越し業者へ依頼する場合も、取り外しを自分で済ませておくことで、料金を抑えられるケースがあるでしょう。

スムーズにエアコンの移設を行うためにも、引越し費用を抑えるためにも、自分で取り外す手段を覚えておきましょう。

エアコンの取り外しに必要なもの

エアコンの取り外しは難しい作業ではありませんが、やり方を間違えてしまうとエアコンが機能しなくなってしまう恐れがあります。

引越し先ですぐにエアコンを使うためにも、必要なアイテムをチェックしておきましょう。

用意するもの
ドライバー
六角レンチ
カッター
ニッパー
モンキースパナ
軍手
ガムテープ
ビニールテープ
エアコンキャップ
エアコン配管用パテ

エアコンの取り外しに必要なものは、どこの家にもある工具やテープ類がほとんどです。

テープ類は、取り外した配線や配管をまとめるのに使用します。

エアコンキャップは、引っ越してきたときについていたものですが、失くしてしまった場合はホームセンター通販を利用して、購入しておきしましょう。

大建プラスチックス クーラーキャップ 新ホワイト 71AC-W

JAPPY エアコン用配管パテ 1kg JPI-1000 アイボリー

エアコンの取り外しの手順

必要な道具が揃ったら、いよいよエアコンの取り外しです。

正しい手順で進めていけば、誰にでもできる作業ですので、慌てず慎重に行いたいですね。

作業内容を見て、自分は難しそう……と感じた場合は、無理せず業者へ依頼しましょう。

手順
1
室外機のカバーをはずす

エアコンの室外機を止めているネジを回し、カバーを外します。

電源を入れた状態で作業するため、電源コードは絶対に触らないようにしましょう。

2
バルブキャップを取り外す

カバーを開けると、二つの六角ナットがみえます。

このナットがバルブキャップになっているので、2ヶ所とも外しておきましょう。

露出した部分が、手順4で回すバルブです。

3
エアコンを冷房運転する

室内機や配管にあるガスを、室外機に閉じ込めます。

夏場であれば設定温度を一番低くして冷房運転冬は強制冷房運転を行いましょう。

強制冷房運転の方法は、説明書でたしかめてください。

4
ポンプダウンする

冷房運転をしながら、手順2で露出したバルブのうち、パイプが細い方(送り側)を六角レンチで締めます。

その後、3分程度運転を続け、室外機へガスを閉じ込めたら、パイプが太い方(受け側)のバルブもしっかり締めます。

5
エアコンを切る

エアコンの電源を切り、コンセントを抜きましょう。

バルブキャップもしっかり締めておきます。

6
配管を取り外す

室外機のバルブキャップ上部にあるナットを外し、配管を取り外します

ポンプダウンができている場合は、プシュッという音がなります。

空気が漏れるような音が続く場合は、ポンプダウンが上手くいっていない可能性があります。

手順を再度繰り返し、音がしなくなってから次の作業に進みましょう。

7
室外機を取り外す

電源コードの配線をドライバーで外し、室外機を取り外します

その後、室外機のカバーを元の状態に戻しましょう。

次に、室外機を止めているネジをドライバーで外し、移動できるようにします。

8
ドレンホース・銅管を切り離す

ドレンホースと銅管を切り離します

ドレンホースは室内機にもともとついていた部分と違う色をした延長部分がありますので、よく観察して延長部分をカットします。

銅管も、室内機側を切ってしまうとエアコンの使用に問題がでる可能性があるため、室外機側を切るようにしましょう。

9
室内機を取り外す

室内機は壁に取り付けられたフックで固定されています。

水が出てくる場合があるので、事前に水濡れ対策を行っておきましょう。

室外機の下部にPUSHと書かれた部分が2ヶ所あるため、その部分を上へ押し上げるようにして、配管を取り外した後、室内機を下へ降ろします。

10
室内機のフックを外す

室内機を固定していたフック部分を、ドライバーで外します。

最後に、エアコン口をエアコン用パテで埋め、エアコンキャップを取り付けたら、取り外し作業は完了です。

エアコンを「買い替える」と決めたら

性能診断で最新機種との差が大きい場合エアコンを買い替えましょう。今使っているエアコンを使い続けると、消費電力がかかり、お財布にも地球にも優しくないですからね。

さて、エアコンを買い替えることにしたところで、今まで使っていたエアコンはどう処分したらよいのでしょうか。

エアコンは、2001年に家電リサイクル法が施行され、特定品目の一つとなったことから、エアコンに含まれる有用な資源は回収し、分解し、再利用するようになました。
つまり、エアコンを処分するには、「家電リサイクル券システム」(出典:一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクル券センター)と言って、家電リサイクル券を購入し、専用の用紙に記入しなければいけません。

エアコンの取り外しや用紙への記入を自分でやるのは、かなり難易度が高いので、用紙への記入、エアコンの取り外しから搬出・運搬をすべてやってくれるところをご紹介します。

-家電量販店の引き取り処分
家電量販店で新しいエアコンを購入時に、中古エアコンの取り外しや回収・処分を申し込む方法です。この方法が一番手軽で、リサイクル料金収集運搬料がかかります。

-買い取り業者さんに買い取ってもらう
買取業者に依頼する方法です。ただし、使用期間が5年以下の有名メーカなら買い取ることが多いですが、そうでない場合は買い取ってくれないこともあります。

まとめ

引っ越しをする際に、エアコンを持っていくのか、新しいものを買うのか迷った時は、まず、今使っているエアコンのスペックを「しんきゅうさん」で診断してください。

その結果、性能の差が小さい場合は「移設」を、性能の劣化により差が大きく余分なコストがかかる場合は「買い替え」を、を選択してください。

移設をしてくれる業者さんを選ぶには、手間がかからないことや時間を優先する方は「引っ越し業者さん」を、値段の安さを優先する方は「専門業者さん」を検討してみてください。

ただし、どちらも基本料金でどこまでの工事をしてくれるのか、を直接業者さんに問い合わせることが大切です。自分のエアコンの状況を細かく写真を撮って業者さんに伝えると依頼もスムーズにできます。

買い替えることを選択した方で、エアコンの処分に困っている方は、新しいエアコンを購入した「家電量販店」に引き取ってもらいましょう。有名メーカーで使用年数が5年以下の場合は「買取業者さん」に買い取ってもらうことを検討してみてください。

引っ越しをするときのエアコンに関する悩みは、これで解決したのではないでしょうか。

すてきな新生活が迎えられそうですね!